困ったときに使う「ヘルプカード」で投票を支援
福島市

福島市では、障害者などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲への理解や支援を求めるために作られた「ヘルプカード」というカードがあります。

カードには投票をする際に支援が必要かどうか記入する欄もあり、選挙で活用されています。(福島局・本田歩記者)

ヘルプカードを選挙の支援に導入

福島市のヘルプカード

このカードは3年前に導入され障害者などに向けて配布されています。

導入される4か月ほど前の市議会議員選挙で、投票に訪れた知的な障害がある男性に担当者が不適切な発言をしたり、代理投票の制度があることをきちんと説明できなかったりしたことから、投票に結びつかなかったことがあり、選挙の時にも役立つヘルプカードが作られるきっかけになりました。

ヘルプカードを市の障がい福祉課と作成してきた、知的な障害のある子どもの家族などで作る「福島市手をつなぐ親の会」が、この件を受けて、選挙の時に支援が必要かどうか記入する欄を設けるように障がい福祉課に要望したのです。

障害のことや、支援が必要かどうかを書き込む

その結果、カードを見せて投票所の担当者に自身の状況や必要な支援を示せば、筆談や代筆など望む支援が受けられるようになりました。

ところが・・・

去年の衆議院議員選挙の前には「必要な支援を投票所で受けられることを知ってほしい」と、親の会は、会員にヘルプカードの使い方などを伝えるチラシを配布しました。

ところが知的な障害がある人と母親が投票所に行ってヘルプカードを見せたものの、投票所の担当者がカードを示された時の対応を認識しておらず、その日の投票をあきらめたことがありました。

親の会では同じような事態が再びおきないようにと、ことし2月から市の選挙管理委員会と意見交換を行うようになり、先月も選挙管理委員会の職員とヘルプカードを用いて、支援を受けながら投票する流れを確認する講座を開きました。

講座では選挙管理委員会から「ヘルプカードの使用がスムーズに行かなかった際は、投票所の庶務係を呼んでもらえれば必ず対応をするようにする」といった発言もあったということです。

「福島市手をつなぐ親の会」会長 木曽明美さんの話:
「ヘルプカードは障害者だけでなく高齢者にもニーズがあると考えている。今後も、選挙管理委員会と協力しながら周知していきたい」

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