「自分の文字で読めた」
沖縄県知事選挙でも点字シール

選挙で有権者に届くのが投票所入場券。しかし視覚に障害があると何か分からないという人もいます。

困難な状況を解消しようという沖縄県浦添市の取り組みを取材しました。
(沖縄局・大谷 奈央アナウンサー)

選挙の知らせが届いても分からない

沖縄県浦添市で暮らす、比嘉信子さんは小学6年生の時に病気で視力を失い、現在、自宅の隣で鍼灸治療院を開いています。

患者の情報を点字で記録するなど、点字は日々の暮らしに欠かせません。

比嘉さんが特に困っているのは郵便物の確認です。

ヘルパーがいないと選挙の投票所入場券を見つけることもできません。

比嘉信子さん:
「活字だけで点字表示がないので分からないので(ヘルパーに)後で見ていただきます。どこから来たか分からないので」

点字の案内に思わぬ壁

視覚に障害がある人にできることはないのか。浦添市では、7月の参議院選挙から、視覚障害の人のためにある取り組みを始めました。

選挙の際に、希望する人には「沖縄県知事選挙投票入場券」と点字で記したシールを貼っています。

きっかけは比嘉さんと同じように、投票所入場券が届いたかどうかが分からず困っているという声でした。

投票所入場券に点字で案内を添えてはみてはどうかと、改善に向けて動き出しましたが、思わぬ壁が立ちはだかりました。

選挙管理委員会の担当者:
「選挙管理委員会では一人一人にどの程度の障害があるところまでは把握していませんので、それをどのように情報を得るかというところを苦労しました」

障害のある人に郵便物を送る福祉の部署に問い合わせましたが、許可なく個人情報を提供することはできません。

そこで7月の参議院選挙では福祉の部署が、比較的、重い障害がある人たちに点字の案内を希望するか調査しました。

希望者に「点字シール」を

部署の垣根を越えた取り組みによって、8月25日告示の沖縄県知事選挙でも、希望者に点字の案内がついた入場券が発送されました。

選挙管理委員会の担当者:
「投票入場券にシールを貼ったことで、このはがきが何かを認識できて、実際に投票所にお出かけされる方が増えればと思います」

比嘉さんも点字の投票所入場券を受け取りました。

比嘉信子さん:
「見たときはやったあ!という気持ちですかね。入場券って書いてあるだけでも、私たちにとってはすごいうれしくて。自分の文字で読めたっていう。点字は私たちの文字なので。
障害者にとって選挙のハードルは高く、投票に行くことをあきらめてしまう人も多い。だからこそ点字の表記は私たちにとって大きな一歩です」

ただ選挙にもっと参加しやすくするために、まだ改善してほしいことがあると言います。

比嘉信子さん:
「うちは主人も私も全盲なんですね。どれが主人のものなのか私のものなのか分からないわけですね。名前を点字で書いていただけるとさらにいいなと思うんですよ。みんなが投票に行きやすくなれば、もっと簡単に投票できるようになれば障害のある人たちももっと投票するんじゃないかしらと思いますね」

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