視覚に障害がある人たちに参議院選挙に関する情報を届けようと、点字による選挙公報の製作が各地で行われました。
手元に届くのは公示から1週間以上かかることもあります。早く情報がほしいという声もあがる中、作業は急ピッチで進められました。
1ページずつ、手作業で
視覚に障害がある人が候補者の経歴や主張などの情報を得やすくしようと、全国の自治体では点字による選挙公報「選挙のお知らせ版」を配布する動きが広がっています。
参議院選挙が公示され、点字印刷を行う事業所などでは自治体からの注文を受けて急ピッチで作業が進められました。
1ページづつ手作業で
東京の荒川区にある点字の印刷所では、この日(6月25日)も8人のスタッフが出て、点字が刻まれたシートに1ページづつ紙を挟んでローラーにかけていく作業を進めていました。
ここでは秋田県などの有権者に向けたお知らせ版、合わせて500部近くの注文を受けているということです。
手作業で製本するなど作業には時間がかかり、自治体に納品できるのが公示日から1週間ほど、さらに有権者の手元に届くのはそれ以降になる見通しだということです。
また全国の自治体から寄せられる注文を限られた事業所などで対応しているため、選挙の期間中は深夜まで作業にあたる事業所もあります。
休日返上して1日でも早く
休日も製作
視覚に障害のある人からは「選挙公報がなかなか届かない、早く情報がほしい」といった声もあがっています。
点字印刷所「雑草の会」高安弘明さんの話:
「視覚に障害のある人にとっては情報を得る方法が少ない。休日も返上して1日でも早く届けられるようにしたい」
音声データや大きな文字でのお知らせ版も
点字のお知らせ版のほかにも、点字が読めない人や小さい文字を読みにくい人のために、音声データや大きな文字でのお知らせ版を作っているところもあります。
どのようなかたちで情報を受け取れるかなど、詳しくはお住まいの自治体に問い合わせてください。