歩行が難しい人を投票所まで車で移動支援

人口約1万人の兵庫県神河町では、障害のある人や歩いて移動がすることが難しい人に向けた投票所までの移動支援を行っています。

移動支援は無料で利用することができ、3つの方法があります。

期日前投票の期間では、ふだんから車いすを使っている人やタクシーやバスでの移動が難しい人を対象に、社会福祉協議会の職員が自動車を使って送迎します。

利用を希望する人は、事前に社会福祉協議会に連絡して、名前や希望の時間を伝え、当日は自宅から投票所まで送迎を受けることができます。

また投票日にも障害のある人や高齢者を対象に、町役場の公用車を使って送迎を行っています。事前に民生委員を通じて選挙管理委員会へ利用の希望を伝えます。

当日は町の職員が公用車で自宅と投票所との送迎を行います。車内には保健師も同乗しているということです。

このほか町の中を走るコミュニティバスによる移動支援も行っていて、事前に投票所入場券とともに、往復で使えるバスの無料の利用券が送られてきます。

自宅近くのバス停から投票所の近くの停留所まで乗ることができ、期日前投票でも、投票日当日でも利用することができます。

投票所の削減がきっかけ

移動による支援は平成21年の町長選挙から25か所あった投票所が11か所に削減されたことで、自宅から投票所までの移動が困難になる人が増えたことがきっかけだということです。

開始から10年ほどですがコミュニティバスはこれまでの選挙で313人が、社会福祉協議会の自動車による送迎は36人が、町の公用車では30人が利用していて、次の参議院議員選挙に向けても準備を進めています。

10年ほど前から町の公用車を使った移動支援を利用しているという視覚に障害がある男性は「これまで選挙に関心はあったが誰かに付き添ってもらって外に出ることを恥ずかしいと思い、投票に行くことはなかった。移動支援の利用できたことで、投票できてうれしいし、外に出る楽しみにもなった」と話していました。

投票所への移動支援は全国のほかの自治体でもさまざまな形で行われています。

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