ハートネットTV「みんなの選挙」特集
当事者のみなさんからのご意見

7月5日(火)に放送された「ハートネットTV」では、「みんなの選挙~投票、行ってみませんか?~」と題して、障害のある人の投票についてのさまざまな「バリア」や、役立つ情報などをお伝えしました。

番組の様子

この放送にあわせて、チャットで寄せられた当事者のみなさんのご意見、ご質問を紹介します。

チャットで意見を寄せていただいたみなさん

 

Q1. 投票するうえで困ったこと

辰己正一さん(知的障害)
どういう風に書いたらいいか、最初はぜんぜん分からなかった。
会場の人に聞こうと思ったら「ダメなんですよ」と言われて、白紙で出すしかなかった。
誰かが説明してくれたら、分かったのに。

石崎森人さん(ひきこもり経験者(ひきポス編集長))
ひきこもりの当事者だった当時は、そもそも人がいる場所に行くことに強い心理的な抵抗があるため、困難は投票に限った話ではありませんでした。あえて言えば、投票所で同級生や、近所の人と偶然会うのではないか、立会人のボランティアをしているのではないかといった不安がありました。外出するまでの決心が投票時間までに固まらないといった焦りもあります。
他の方からは、投票の仕方がよくわからず、変なところに並んで注意されるんじゃないか不安などの声もありました。

岡部 宏生さん(ALS当事者)
投票については介助者の確保が難しいことが大きな課題です。
私は患者団体や障がい当事者の団体で役員をしていることもあり、当事者から「岡部さんはどうやって投票しているのか」と問い合わせをされることが多いです。
いかに選挙の投票方法など私たちのような重度の障がい者にとって『情報』が不足しているかがわかります。

課題としてもう一つ大きなことは、『郵便投票が可能とされている障がい者の区分が大変厳しい』ことであると思います。
これは不正を防ぐためだと聞いていますが、何か方法はないでしょうか?
この郵便投票が可能になることを望んでいる障がい者はとても多いと思います。

髙木 沙祐里さん(筋ジストロフィー/電動車いすユーザー )
投票所の駐車場
→地域の小学校が投票所になるのですが、車椅子用駐車場がなく、乗り降りが大変でした。
少ない駐車スペースであることは承知の上ですが、一台でもいいので車椅子用駐車場を作っていただきたいです。(学校に車椅子用駐車場が常備されていれば、障害のある在学生に限らず、選挙の時も助かる人が多くいると思います)

林田 光来さん( 脳性まひ/電動車いすユーザー)
私の地域の投票所は、入口に3段ほどの段差があり、私のような車いすユーザーは入口付近にあるインターホンで係員を呼んで車いすごと段差を持ち上げてもらう必要があります。
私の車いすはまだ軽いので男性4名ほどいれば持ち上げられますが、そうではない大型電動の場合はどうするのだろう、といつも思っています。
会場が他のバリアフリーの場所に変更できないのであれば、せめて簡易的なスロープを敷けばお互いに楽になると思います。

かわい いねこさん(視覚障害)
どんな政党があって、どんな候補者がいて、どんな方針を持っているかという情報にどうアクセスしていいかわからなかった。

山田 悠平さん(精神障害当事者会ポルケ 代表理事)
精神科病院に入院中に投票ができないことがありました。外出をして投票したい旨看護師に相談したところ、そんなことより治療に集中しようと言われてしまいました。

えにこさん(精神障害(パニック障害・うつ)
うつがひどくなると長期間自宅を出ることができず、投票所にいけません。また、パニック障害があるため、以前、投票所の人ごみで過呼吸になり、倒れて投票できなかったこともありました。なるべく人の少ない投票所を探して期日前投票に行くようにしていますが、選管のスタッフも忙しそうなので、「合理的配慮をしてほしい」とは申し出づらい雰囲気です。また、精神科病院に入院していたときには、投票のための外出を認めてもらえなかったことがありました。

 

牛崎恵理子さん(知的障害のある牛崎俊さん・直さんの母親)
私の息子2人には重度の知的障害があり、言葉を話すことも文字を書くこともできませんが、地域の投票所ではいつも選挙公報を準備してくださり、指差しによる代理投票を行なっています。
具体的には夫と長男、私と三男のペアで受付をします。選挙広報の全てのページをめくりながら見せます。その上で、係員2人が本人たちが指差した候補者の顔写真を確認して、代理記入してくださるという流れです。
私はこれが当たり前だと思っていましたが、所によっては、投票所に親の同伴を許さない所もあるという話を聞き、愕然としました。それでは私の息子たちのような知的障害のある人は投票できません。
おそらく最初から諦めて棄権するのではないかと思います。今現在は困ったことは特にありませんが、全国一律にそんな状況になったら本当に困ります。地域の投票所の配慮に心から感謝しています。

 

Q2. 障害のある人が選挙に参加しやすくするためには

牛崎恵理子さん(知的障害のある牛崎俊さん・直さんの母親)
様々な障害があり、同じ知的障害でもその人によって必要な配慮は違ってくると思います。
選挙制度そのものをより良くするための議論はもちろん必要ですが、時間をかけて丁寧に検討する必要があると思いますので、すぐには変わらないと思います。決して、障害のある方々を特別扱いして欲しいとか、そんなことは望んでいません。
今ある制度の中でも、画一的な対応ではなく、個々の場合に応じて必要な配慮を考えていただければありがたいと思います。
具体的には、どのようなお手伝いや配慮が必要ですか?と、聞いていただき、その上で公職選挙法に触れない範囲で、その人が投票できるようにするためにはどのような配慮が可能なのか、一緒に考えていただきたいです。たとえ、その時には何らかの事情で叶わなくても、何度か経験を重ねるうちに、可能になるかもしれません。

辰己さん(知的障害)
投票の支援が必要と言いやすいために、「分かりませんカード?」「サポートカード?」を置いたらどうだろう。
今も、だれを選べばいいかも、分からないことが多い。
選挙公報は、むずかしいから見ていない。
投票所に行って、名前と顔だけを見て、決めていることもある。
福祉のことをよくしてくれる人に入れたいけど、だれに入れたら、そうなるか分からない。
候補者の人が福祉のことをどう考えているのか分かりやすいビラがあったら、選びやすいかもしれない。
選挙に出てる人たちは、会ったことも見たこともない人が多い。
だから、入れたところで、どうなるんやろうなとも思ってる。
政治家の人たちと、障害のある人たちが普段から付き合いのあることが大事ではないか。

石崎森人さん(ひきこもり経験者(ひきポス編集長))
まず一番優先されるべきことは、インターネット投票を解禁することです。
知り合いに会うこともなく、投票方法がわからない不安もなくなります。外出する決心を固める必要もなくなります。
これだけで投票へのハードルがぐっと低くなります。
インターネット投票は、ひきこもりの方や、障害のある方だけはなく、すべての人にとって必要なことだと思います。
今は子育て中の父親という立場ですが、子育て世帯が土日に選挙のために投票所に行く時間はなかなか取れません。特に子供が小さいと、外出するだけで一苦労です。
スマホでぽんと投票できるだけで、本当に楽になるし、投票率も上がるのではないでしょうか。
まずはインターネット投票の解禁を要求し、それがすぐに実行できないから、別の改善方法を模索するといった議論の形が望ましいと思います。

髙木 沙祐里さん(筋ジストロフィー/電動車いすユーザー)
・スマホでの投票
→Googleフォームのようなわかりやすいフォームで、自宅から投票できるシステムがあれば、移動が難しい障害者でも選挙に参加することができると思います。今回の選挙で郵便投票をしてみようかと思いましたが、手続きが必要で、面倒くささを感じてしまい、投票所に行けばすぐに終わる投票がどうしてこんなに時間と労力をかけなければならないのだろうかと思ってしまいました。私は今のところ投票所に行くことができますが、本当に移動困難な方は郵便投票の手続きで投票する気力を失ってしまうと思います。

・配慮事項の周知
私は今回のハートネットの企画を通して、字を書くことが難しい人は代筆をお願いできること、1人での移動が難しい人は投票所内の誘導をお願いできることなど、障害に応じた配慮があることを知りました。おそらく知らない方が多いはずです。行政のホームページや回覧板、SNS等を通じて、そういった配慮があることを広く伝えるべきだと思います。

・座って書ける
歩けるけれど足に障害がある方は座って投票用紙に名前を書きたいと言っている方がいました。椅子のある机が常に一つあれば、椅子を依頼する申し訳なさを感じずに投票できると思います。

林田 光来さん(脳性まひ/電動車いすユーザー)
投票所のバリアフリー化が法律で義務付けられること。(出来なければ簡易的なスロープを設置するなど)また、介助者の同伴がみとめられること。難しいことが理解するのが難しい方に対しては、わかりやすく候補者それぞれの特徴を説明すること。情報保障をしっかりすること。

かわい いねこさん(視覚障害)
動けない人もいるので、ネットや郵便など、投票の仕方を選べるようにしたらどうか、点字を使えない視覚障碍者や手指障害のように自分で文字をかけない人のためにもネット投票は有効なのではないでしょうか。
ところで文字で候補者の名前や政党を書くところにはマスがあるのですか。もしあるなら、紙のどこに書いてもいいという事にしてもらえないでしょうか。中途視覚障碍者はマスの中に文字を書くことはできませんが、文字自体は書ける人が多いです。
PCやスマホが使えない高齢の方の場合はやはり家族や友人、スタッフに代筆をお願いするしかないのでしょうか。

地方によって「選挙のお知らせ」に点字がついていない地域があるようで、間違えて捨ててしまったという人がいます。点字が読めなくても、点字がついていれば役所関係だと思うので捨てることはないと思われます。できれば全国レベルでお知らせには点字をつけることを徹底してほしいです。

今回のご縁で区の選管に連絡したところ、区では選挙のたびに候補者などの情報の点訳音訳を作っていたという事が判明しました。それまで何十年とこのような情報がある事を知らないでいました。これはぜひ周知してほしい情報です。障碍者のところには定期的にケアマネージャーが来るので、視覚障碍者へのインタビューの中に、「選挙公報の要不要、点字か音訳かを聞くという項目を入れてもらうというのは難しいでしょうか。

山田 悠平さん(精神障害当事者会ポルケ 代表理事)
入院や入所をしているときにも投票できるように実態に合わせた整備を進めてほしいです。
現行の制度では、不在者投票施設に係る申請は病院や施設の任意と聞きます。
国が責任をもって、取り組みを推進してほしいです。
また、院内のサポート体制も整えてほしいです。
投票は社会とつながっている安心感にもつながります。

郵便による不在者投票については身体障害者の相当要件の人に限られると聞きました。
精神障害で引きこもり状態にある人なども郵便による不在者投票が使えることが重要だと思います。

えにこさん(精神障害(パニック障害・うつ))
障害者への福祉や支援が足りていないからこそ、それを変えたいという意思表示をしたいし、だから選挙にも行きたい。けれど、体調が悪くなると投票所に行けず、その状況がとてもつらいです。望むのは、精神障害者でも家にいながら投票できるような仕組みを整備してほしいということです。障害者の意見が反映されやすいような選挙の制度にならないとそもそも障害者が生きやすい社会にはならないと思います。

 

Q3. そのほか知りたいことやご意見

牛崎恵理子さん(知的障害のある牛崎俊さん・直さんの母親)
選挙制度はすぐには変わらないと思いますが、投票の際に、名前の上に○印を付けるだけの投票用紙はいつか可能でしょうか?きっと、我が家の息子たちのような重度の知的障がいがある人は小さなスペースに○印を書くこと自体難しいですが、中軽度の方々にとっては可能だと思います。多くの方々にとっては、それで投票が楽しみになるかもしれません。
我々も、時々候補者の名前の漢字をど忘れすることがあります(T . T) 
そんな時は平仮名で書いたりしますが、一瞬ドキッとします(><)

石崎さん(ひきこもり経験者(ひきポス編集長))
なぜすぐにインターネット投票を解禁できないのでしょうか?

岡部さん(ALS 当事者)
投票のことについて、今回に限らず広く障がい者に選挙そのものや投票方法などを知ってもらうためにはどんなことが必要か教えてほしい。
私は患者団体における広報もその一つと思いますが、患者団体などに所属していない人もたくさんおります。

髙木 沙祐里さん(筋ジストロフィー/電動車いすユーザー)
SNSが発展している時代で、どうして投票は未だに手書きであり、数を数えるのも人の手なのでしょうか。
ネットで簡単に投票できると不正が発生してしまう可能性がありえますが、例えば投票用紙ではなく、iPadなどを導入して、投票所でクリックするのみといったシステムは導入できないのでしょうか?

林田 光来さん(脳性まひ/電動車いすユーザー)
諸外国の障害者の選挙事情について知りたいです。そこから日本が学ぶべきことがあればいいなと思いました。

かわい いねこさん(視覚障害)
いままで障害のある人の選挙へのアクセスに対してどのような配慮がなされてきたのでしょうか。その際、当事者を交えた話し合いはあったのでしょうか。
病気や障害によっては自力での移動が大変な人もいます。郵便やネット、直接担当者が回収に来るなどの方法は公正を期す上でもセキュリティーの側面からも難しいのでしょうか。

山田 悠平さん(精神障害当事者会ポルケ 代表理事)
・精神科病院を含む不在者投票施設の申請状況の全体の割合や実際の利用状況を知りたいです。全国規模の実態調査が必要だと思います。

・また、デジタル投票の導入についての課題や諸外国での取り組みについても知りたいです。

 

Q4. 「こんな合理的配慮がほしい」

林田光来さん(脳性まひ/電動車いすユーザー)
情報保障で、Twitterなどで今各政党の意見がチェックリストになってまとまっているサイトがあるのですが、それのわかりやすい言葉のバージョンがあっても良いなと思いました。

牛崎恵理子さん(知的障害のある牛崎俊さん・直さんの母親)
わかりやすく説明してくれるものがあると、ありがたいです。言葉は読めてもそれが何を意味するのか分からないこともありますから。

高木 沙祐里さん(筋ジストロフィー/電動車いすユーザー)
期日前投票できる場所が少ないので、移動が大変です。また、投票所で、障害者専用の投票の時間帯があってもいいのかもと思いました。全国どこでも同じ合理的配慮を受けられるようになってほしいです。

辰己正一さん 知的障害
知的障害者も、投票の時に支援者がいてほしいです。安心できます。

石崎さん(ひきこもり経験者(ひきポス編集長))
さまざまな課題は、郵便投票やインターネット投票で解決できるのではないでしょうか。すべての人にインターネット投票が解禁されるだけで、どれだけ多くの人が助かるか。

林田光来さん(脳性まひ/電動車いすユーザー)など複数
郵便投票がもっと盛んになるといい。

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