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新型コロナの影響いつまで 子どもたちの今
新型コロナウイルスは子どもたちの心に大きな影を落としています。
学校が再開してしばらくたちますが、新型コロナウイルスの流行は続き、学校などでの秋の行事も大きく様変わりしました。子どもたちの日常は元どおりになるのか。最新の調査から気になる影響の一端が見えてきました。
(科学文化部・山下由起子)
小学校高学年以上の3割超 就寝時間に影響
調査を行ったのは国立成育医療研究センターの半谷まゆみ医師たちの研究グループです。
調査は、17歳までの子どもやその保護者を対象に9月1日から22日までの期間、インターネットを通じて、新型コロナウイルスの影響について尋ね、4500人あまりが回答しました。その結果です。
新型コロナウイルスが流行する前と後で就寝する時間が変わったかを尋ねたところ、1時間以上遅くなったり不規則になったりしたと回答したのは
▽3歳から小学校低学年までの子どもでは17%、
▽小学校高学年以上の子どもでは36%に上りました。
そして眠りの質についての質問では子どもたちの42%が「寝起きが悪い」と答えました。
半谷医師
「今回は新型コロナウイルスの流行前と比べて聞きましたが、緊急事態宣言中に生活リズムが乱れ、
その後もなかなか流行前のリズムに戻っていないことが今回の調査で分かりました。おそらく
生活リズムの乱れた状態で学校が始まり、起床時間は元に戻っても遅くまで起きている生活に慣れ、
スマートフォンの使用やテレビゲームなど、楽しいことがあると抜け出せなくて眠れないということはあると思います」。
家庭でできる対策は
では家庭でできる対策にはどのようなことがあるのでしょうか。半谷医師にポイントを聞きました。
▽夜寝る時間の1~2時間前には テレビ・スマートフォン・ゲームを使わないようにする
▽年長児であれば寝室にこうしたツールを持ち込ませないようにする
▽朝、寝起きが悪い場合には、起床とともに日光を浴びるようにする
3人に1人 「学校に行きたくないことある」
また、調査ではほかにも気になる結果が出ていました。
「学校に行きたくないことがあるか」という質問です。
▽「まったくない」が45%、
▽「ほとんどない」が20%と合わせて65%になりました。
しかし、
▽「ときどき」が20%、
▽「たいてい」が6%、
▽「いつも」が7%で、
3人に1人が「学校に行きたくない」と感じたことがあるという結果になりました。
半谷医師はこの質問だけでは新型コロナウイルスの影響かどうかは分からないとした上で、次のように話しています。
半谷医師
「これまでの調査でも、自由記述の欄に『学校は密になるのでコロナに感染しそうで行きたくない』とか、『行事などがなくなり楽しみがない』『友達と遊ぶことも制限されていてつまらない』といった意見がみられました。
新型コロナウイルスの影響で学校へ行く意欲が失われ、行きたくないという気持ちがうかがえます。もちろん理由は1つではありませんが、3分の1の子どもが学校に行きたくないことがあるという状況は深刻だと思います」。
「子どもの気持ち 聞いてあげて」
では、こうした子どもたちに保護者や周りの人たちは、どんな支援ができるのでしょうか?
半谷医師
「最も大切なのは子どもの気持ちを聞いてあげることです。集中力の低下やイライラするなどの行動の変化も問題ですが、行動の変化にばかり気を取られて、例えば『イライラするな』などの声かけは逆効果になることもあります。
背景にある原因は大人と同じようにストレスを抱えていると思うので、子ども1人1人に寄り添い、自由に意見や考えが言える環境を作ることを大人がしてあげることが一番のケアだと思います」