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“運命の分かれ道” 3つの小法廷

15人の裁判官は5人ずつ3つのグループ(「小法廷」)に所属しています。各小法廷は独立していて、上下関係はありません。各小法廷の判断が最高裁としての判断になります。裁判長は「固定」ではなく、5人の裁判官が順番に担当します。ただし、長官は「司法行政」のトップとしての職務があり(詳しくは「最高裁が持つ“2つの顔”」参照)、審理にはほとんど参加していません。このほか、裁判官が最高裁に就任する前に関わっていた案件に参加しなかったり、就任直後の裁判官が参加しなかったりすることもあり、常に5人で審理するわけではありません。

どの小法廷がどの案件を担当するかは、原則として、最高裁に記録が届いた順番で決まります。裁判の当事者の中には、小法廷への割り振りが結論を左右する「運命の分かれ道」と考え、決まるまで気を揉む人もいるようです。ただし、憲法に関する判断を含む案件や、過去の判例を変更する必要がある案件などは、15人全員が参加する「大法廷」(裁判長は長官)で審理します。