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「即位礼正殿の儀」は雨の場合の配置で

天皇陛下が即位を内外に宣言される「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」について宮内庁は、雨の場合の配置で行うことを決めました。

儀式では、古式ゆかしい装束を着た宮内庁や内閣官房などの職員が皇居 宮殿の中庭に整列することになっていましたが、人数を減らして屋内に並びました。

「庭上参役者」25人に絞り宮殿の回廊などに配置

「即位礼正殿の儀」では、宮殿の中庭に、古式ゆかしい武官や文官の装束を身につけ、太刀や弓矢を携えるなどした78人の「庭上参役者(ていじょうさんえきしゃ)」が居並ぶことになっていました。

しかし、装束は雨に弱いため、宮内庁は配置を変更することを決め、「庭上参役者」の人数を25人に絞って宮殿の回廊などに配置しました。

中庭に並ぶ「旛(ばん)」と呼ばれる大小26ののぼり旗は、予定どおり掲げられました。

本来は以下の形で行われる予定でした。

「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」では、およそ4800平方メートルの宮殿の中庭に色とりどりののぼり旗が立てられ、「庭上参役者(ていじょうさんえきしゃ)」と呼ばれる装束姿の78人が居並びます。

これらは宮内庁や内閣官房の職員などが務めます。このうち「松の間」がある「正殿(せいでん)」に最も近いところには、太刀と弓矢を手にした「威儀(いぎ)の者」が左右それぞれ10人ずつ2列で並びます。

現在の「高御座」は、皇后さまがのぼられる「御帳台(みちょうだい)」とともに大正天皇の即位にあわせて大正2年につくられ、上皇さままでの3代の天皇の即位に伴う儀式で使われてきました。

前回の即位礼正殿の儀 平成2(1990)年11月

「威儀の者」は、装束の上に「挂甲(かけよろい)」というよろいをつけた武官姿で、冠をかぶっています。この冠は「纓(えい)」という帯状の飾りが後ろの部分で丸く巻かれているため「巻纓の冠(かんえいのかんむり)」と呼ばれます。装束の色は前列が黒、後列がひ色となっています。

前回の即位礼正殿の儀 平成2(1990)年11月

それに続くのは、「威儀物(いぎもの)」という品々をささげ持つ「威儀物捧持者(ほうじしゃ)」です。儀式の威儀を整える「威儀物」には、太刀や弓、矢が入った胡籙(やなぐい)それに桙(ほこ)と楯(たて)の5種類があります。

これらをささげ持つ人たちは文官の姿で、「纓」が垂れた「垂纓の冠(すいえいのかんむり)」をかぶり、1人1つずつ「威儀物」を手にして、左右に20人ずつ2列で並びます。装束の色は、手にする「威儀物」によって、黒、ひ色、それに薄い藍色の「はなだ色」の3色に分かれています。

さらに、参列者に合図をする「鉦(しょう)」と呼ばれる「かね」や「鼓(こ)」という「太鼓」を受け持つ「司鉦司鼓(ししょうしこ)」など7人ずつが左右それぞれに並びます。

「鉦」と「鼓」は、いずれも高さが2メートル近くあり、朱塗りで炎をあしらった木枠に取り付けられていて、「鉦」は参列者に起立と着席を、「鼓」は敬礼をすために使われます。これらを扱うのは、宮内庁で雅楽の演奏などを行う楽部(がくぶ)の職員です。

そして、最初に中庭に入り、「威儀の者」や「威儀物捧持者」を迎え入れたあと、「正殿」から最も離れた位置に左右に分かれて2人ずつ立つのが「衛門(えもん)」です。この「衛門」は、武官の装束を身を包み太刀と弓矢を携えています。日頃から皇居の警備などを担っている皇宮護衛官が担当します。

一方、中庭に立ち並ぶ「庭上参役者」の周りには、「旛(ばん)」と呼ばれる大小26ののぼり旗が立てられます。

前回の即位礼正殿の儀 平成2(1990)年11月

このうち「正殿」に最も近いところの左右に位置するのは「旛」の中で唯一今回の儀式のために新調された「萬歳旛(ばんざいばん)」です。「萬歳旛」は高さが9メートル近くあり、雲の模様が入った赤い錦地に安倍総理大臣が書いた「萬歳」という文字が金色で刺しゅうされています。

前回の即位礼正殿の儀 平成2(1990)年11月

天下太平がいつまでも続くようにという願いが込められています。左右それぞれの「萬歳旛」の外側には、ほぼ同じ高さで、先端に、麻の細い布からなる「纛(とう)」という飾りがついた「纛旛(とうばん)」が立てられます。

「正殿」に向かって右側には赤地に金色の刺しゅうで太陽があしらわれた「日像(にっしょう)纛旛」が、左側には白地に銀色の刺しゅうで月があしらわれた「月像(げっしょう)纛旛」が配置されます。

このほか、「菊の御紋」が金色で刺しゅうされた赤、白、青、黄色、紫の5色の「錦旛(きんばん)」という旗が大中小合わせて22本立てられ厳かな雰囲気を演出します。

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