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「高御座」「御帳台」とは
「高御座(たかみくら)」は奈良時代から天皇の即位に関する重要な儀式などで用いられてきたとされています。
今回の「即位礼正殿(そくいれいせいでん)の儀」では、天皇陛下は、台座の上にのぼって即位を宣言するおことばを述べられます。
現在の「高御座」は、皇后さまがのぼられる「御帳台(みちょうだい)」とともに大正天皇の即位にあわせて大正2年につくられ、上皇さままでの3代の天皇の即位に伴う儀式で使われてきました。
高さは6メートル50センチ近くあり、縦横それぞれ6メートルほどの「浜床(はまゆか)」と呼ばれる四角形の台座の上に、八角形の天蓋(てんがい)が設けられています。
「浜床」の側面には、いずれも想像上の動物の、「鳳凰(ほうおう)」や「麒麟(きりん)」が描かれています。
天蓋の一番上には金色の大きな鳳凰が載っているほか八角形の頂点の部分それぞれにも小さな鳳凰が取り付けられています。さらに大小28の鏡なども飾りつけられています。
「御帳台」は、「高御座」とほぼ同じつくりですが、やや小ぶりで、高さは5メートル50センチほど、「浜床」の大きさは縦横それぞれ5メートルほどとなっています。
「高御座」と「御帳台」の台座にはそれぞれ「御椅子(ごいし)」といういすが置かれます。
「高御座」には歴代天皇に伝わる三種の神器(じんぎ)のうちの剣(つるぎ)と曲玉(まがたま)などを置く「案(あん)」という台も置かれます。
天蓋からは、表が深い紫色、裏がひ色の絹織物のとばりがかけられていて、侍従と女官がこのとばり開けると両陛下が初めて参列者に姿を見せられることになっています。
宮殿の各所に特別な装飾
このほか宮殿の各所には特別な装飾が施されています。
高御座と御帳台が置かれる「松の間」の前の廊下と中庭には3メートル50センチほどの高低差があり、18段ある木製の階段が特別に設けられています。これは昭和天皇の代まで即位の儀式が行われていた京都御所の紫宸殿(ししんでん)の造りをならったもので、宮殿全体の一体感を出すため前回の上皇さまの儀式に続いて設けられました。
「松の間」の板張りの床には両陛下が歩かれる道筋に沿って「御筵道(ごえんどう)」と呼ばれる絹織物のじゅうたんが敷かれています。
また中庭に面した廊下のじゅうたんには、両陛下や皇族方が歩かれる道筋に「薄縁(うすべり)」というござが敷かれています。
「松の間」がある「正殿(せいでん)」と呼ばれる建物の軒下には、中庭に面した部分に「帽額(もこう)」という絹織物の装飾が施されています。この「帽額」は縦が1メートル近く、横がおよそ64メートルあり、色とりどりの雲の模様があしらわれ、中央には太陽をかたどった金色の日章が織り込まれています。
このほか宮殿の入り口や参列者が入る部屋などには、ところどころに生け花や皇居で育てられている盆栽が飾られ、会場に彩りと風格を添えています。