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新元号は「令和」 出典は「万葉集」

平成に代わる新しい元号について、政府は4月1日の臨時閣議で「令和(れいわ)」とすることを決め、菅官房長官が発表。「令和」の典拠、いわゆる出典は日本最古の歌集である万葉集であると発表した。

決定までの経緯

4月1日午前、首相官邸で各界代表や有識者合わせて9人のメンバーからなる「元号に関する懇談会」開催。新元号の複数の原案を示し意見を聞く

衆議院議長公邸で衆参両院の正副議長から意見を聞く

臨時閣議で新しい元号を「令和」とすることを決定

菅官房長官が午前11時半すぎからの記者会見で発表

出典は「万葉集」

  • 「令和」の典拠、いわゆる出典は「万葉集」の梅花の歌、三十二首の序文
  • 「時あたかも新春の好き月(よきつき)、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のごとく白く咲き、蘭は身を飾った香の如きかおりをただよわせている」(「令和」を考案したとみられる中西進さんの昭和59年の著書「萬葉集 全訳注 原文付」の中での訳)
  • 奈良時代の初め、当時の大宰府の長官、大伴旅人の邸宅で開かれた「梅花の宴」で詠まれた。32人が梅の花を題材に歌ったものをまとめた序文として、大伴旅人自身が書いたもの
  • 「梅花の宴」は、当時、一般には珍しかったという中国からわたってきたばかりの梅の花をめでて開かれたとされる
  • 太宰府市によると、うたげが開かれた邸宅の場所については諸説残されているが、そのうちの1つが太宰府天満宮から南西におよそ2キロほどの「坂本八幡宮」付近とされる
  • 「平成」までの247の元号すべてが中国の古典を典拠としているとされていたが、日本の古典から引用されたのは初めて

「令」は元号初 過去に候補もなし

  • 政府によると「令」の字が元号に用いられるのは初めて
  • 「和」の字は、「昭和」などこれまでに19回使用、「令和」で20回目
  • 政府関係者が把握する限り、「令和」は、過去に候補としてあげられたことはない
  • 菅官房長官が記者会見で掲げた「令和」と書かれた書は、内閣府人事課の「辞令専門職」を務める茂住修身氏が書いた。行政文書として適切に保存される
  • 英語のつづりは「R・E・I・W・A」
  • 海外ではイギリスの公共放送BBCが「令」の意味を秩序の「order」だと速報するなど、一部メディアが「令」が一般的に「order・秩序」や「command・指令」の意味で使われているなどと報じたことを受けて、外務省は正確に理解してもらおうと、「令和」には「beautiful harmony」、美しい調和という意味が込められていると説明するよう、海外に駐在する大使などに指示

6案から選定 「令和」考案は中西進氏か

  • 新元号の選定にあたって政府は考案を委嘱した専門家から提出された候補名を、読みやすく、書きやすいなどの「元号選定手続」に定められた留意点に沿って絞り込み、「元号に関する懇談会」などに6つの原案として示した
  • 「令和」以外は▽英弘(えいこう)▽久化(きゅうか)▽広至(こうし)▽万和(ばんな)、▽万保(ばんぽう)の5つの案
  • 「英弘」が日本の古典を、「広至」は「日本書紀」と儒教の基本的な考え方を示した中国の古典「四書五経」の「詩経」の2つを典拠としているとのこと。「久化」「万和」「万保」は中国の古典が典拠に含まれているという
  • 政府は「令和」の考案者は明らかにしないとしているが、関係者の話などから、万葉集が専門の国文学者で国際日本文化研究センター名誉教授の中西進氏とみられる

中西進さん 独自の視点で万葉集を長年研究

  • 中西進さん(89)は東京都の出身。東京大学を卒業したあと、筑波大学や国際日本文化研究センターの教授を歴任し、大阪女子大学や京都市立芸術大学の学長を務めた
  • 長年にわたり万葉集の研究を続け、万葉集の和歌の作り方が当時の中国の影響でどのように変化したかを論じるなど、独自の視点で研究を行い、日本の古代文学の研究に大きく貢献してきた
  • 研究のかたわら、子どもたちに万葉集を講義する「万葉みらい塾」を全国の都道府県で開くなど、古典の普及にも努めている
  • こうした功績が評価され、平成25年には文化勲章を受章

新元号 「令」の字に複数の形 どれが本当?

  • 「令和」の「令」という字について、部首の「ひとやね」の下が「横棒」なのか「点」なのかなど、形の違う複数の書体がある
  • 小学校では「令」の漢字を4年生で教えることになっていて、学習指導要領では、「ひとやね」の下は「点」とカタカナの「マ」を標準として指導するとされている
  • 文化庁によると「令」の字の形については、正解や決まりはなく、形が多様な漢字の代表的なひとつだとしていて、平成28年に出された指針では、「字の形の違いは習慣によるもので、本来は問題にする必要がない」と明記している

「令和」手話表現“つぼみ開いて花咲くように”

国から手話表現の作成や普及を委託されている京都市右京区の「全国手話研修センター」は「令和」の手話表現を、つぼみが開いて花が咲くように指先をゆっくりと開く動きを手話の表現として採用することを決めた。

  • 出典となった万葉集の歌が花の美しさをたたえていることを踏まえ、指先をゆっくりと開く動きには春先につぼみが開いて花が咲く様子を、その手を前に押し出す動きには「未来へ進んでいく」という意味を込めたという