トム・スタイヤーTom Steyer

実業家

顔写真:トム・スタイヤー(Tom Steyer)

トム・スタイヤー氏は、ニューヨーク出身。

アメリカの大手ヘッジファンドを経営し、富を築いた実業家。イエール大学で経済学と政治学を学んだあと、スタンフォード大学経営大学院でMBAを取得。

大手投資銀行のモルガン・スタンレーやゴールドマン・サックスでキャリアを積み、1986年にヘッジファンドを設立。2012年に退社したあとは、環境問題に取り組むNPOを設立し注力してきた。

ファンドなどで蓄えた資金力をもとに、前回の大統領選挙では個人としては最高額となる1億ドルを民主党に寄付したとも伝えられ、“メガドナー”と言われることも。

その一方で、反トランプを掲げ、トランプ大統領の弾劾を求める団体を設立。広告などに私財を投じ、弾劾への支持を広く訴えてきた。

これに対し、トランプ大統領は「スタイヤー氏は大統領選挙を戦う根性もお金もない変わったやつだ」と反論している。

スタイヤー氏は去年12月、トランプ大統領が再選に向けて掲げているスローガン、「Keep America Great=アメリカを偉大なままに」のドメイン(インターネット上の住所)を購入したと発表。

このページにアクセスすると、「トランプ大統領を打ち負かす」と大きく表示され、「彼は詐欺師で犯罪者」だとして「トランプ大統領とは違い、私は多くの人たちに富を分配するため、大企業に立ち向かう」と訴えている。

自らを「急進的なアウトサイダー」と呼び、トランプ大統領が離脱を決めた地球温暖化対策の国際的な取り組み、「パリ協定」への復帰を訴えているほか、構造改革、富裕層への課税などにも取り組むとしている。

スタイヤー氏は2020年2月29日、候補者指名争いから撤退すると表明した。

(国際部記者 紙野武広)