マイク・ペンスMike Pence

副大統領

 中西部インディアナ州出身

顔写真:マイク・ペンス(Mike Pence)

元は民主党支持者?

ペンス氏は、インディアナ州の郊外でコンビニエンスストアを経営する両親のもとに生まれた。
6人兄弟の3番目。母方の祖父はアイルランドからの移民。
子どものころ、大統領になりたいと思っていたこともあったという。

インディアナ州立大学のロースクールで学んだ後、弁護士として活動。
1990年代には、地元のラジオやテレビ番組の司会者も務めた。

家族は敬けんなキリスト教のカトリック信者で、ペンス氏も熱心に教会に通っていた。多いときでは毎日、教会に通っていたという。
もともとは、両親と同じく民主党を支持し、ケネディ元大統領やキング牧師に憧れて政治に関心を持ったと言われている。しかし、地元の私立大学に進学後、ペンス氏は、社交クラブの先輩などの影響を受け、より信仰を深めるため、キリスト教の保守派の1つ、福音派「エバンジェリカル」に傾倒するようになった。
後に信仰を変え、共和党員にもなった。政治的信念にも影響を与えた。

信仰心が基になっている政策

「私は第一にキリスト教信者で、次に保守。最後に共和党員だ」
ペンス氏はこう話し、厳格に信仰を重んじている。宗教的な観点から人工妊娠中絶や同性婚には反対で、「小さな政府」を推進する共和党の保守派の立場を貫いている。

2000年には、インディアナ州選出の下院議員に初当選。6期の任期中には、下院共和党会議の議長を務めた。
その後、2013年にインディアナ州の知事に就任し、大規模な減税や教育予算の拡充などに取り組んだ。任期中には日本を2回訪れて、企業誘致を進めた。
その一方で、知事時代には、「宗教の自由」を保護するため、州政府が人々の宗教上の考えを実行することに介入することはできないとする条例に署名した。しかし、解釈によっては、事業者などが“宗教上の理由”からサービスを拒否することもできるようになるため、同性愛者の飲食店への来店拒否につながるなどとして、差別的だと大きな批判を受けた。ペンス氏は、その後、同性愛者などへの差別にはつなげないとする趣旨を盛り込み、条例を修正した。

ペンス副大統領は、新型コロナウイルスの対策本部の責任者を務めているが、2020年4月に中西部ミネソタ州の医療施設を視察した際、マスクを着用しなかったことに批判の声が上がった。

妻・カレンさんとの間には、3人の子どもがいる。
ペットのうさぎの名前は、映画「ゴッド・ファーザー」に出演した俳優の名前にちなんで「マーロン・バンド」と名付けられ、インスタグラムのアカウントを持ち、3万を超えるフォロワーがいる。

(国際部記者 岡野杏有子)