2022年11月25日
サッカーW杯 コスタリカ 中南米

サッカーワールドカップ 次の相手コスタリカってどんな国?

サッカーのワールドカップで日本代表が27日、第2戦で対戦する中米・コスタリカ。

23日に行われた強豪スペインとの初戦は0対7という完敗でしたが、その実力は?

そもそもコスタリカってどんな国?

大統領まで熱心なサッカーファンって本当?
(サンパウロ支局長 木村隆介)

コスタリカってどこにある?

北米大陸と南米大陸のほぼ中間に位置するコスタリカ。首都はサンホセ。面積は四国と九州を合わせたほどで人口はおよそ500万です。

「コスタリカ」とはスペイン語で「豊かな海岸」の意味。太平洋とカリブ海の両方に面し豊かな自然環境や生態系に恵まれていることで知られています。

そもそもコスタリカってどんな国?

国土のおよそ4分の1を国立公園や自然保護区に設定。

環境保護に力を入れ、エコツーリズムの目的で欧米を中心に世界各国から観光客が訪れています。

1949年に憲法によって軍隊を放棄し、1983年には非武装中立を宣言するなど平和主義を推進しています。

軍事クーデターなどによる政情不安を経験せず、高い教育や福祉の水準から中南米で最も安定した民主主義国家のひとつとされています。

コスタリカはサッカー強いの?

コスタリカで最も人気のスポーツはサッカーです。

日本が初出場したフランス大会の8年前、1990年のイタリア大会に初出場。この大会でいきなりベスト16入りを果たし、旋風を巻き起こしました。

そして2014年のブラジル大会ではウルグアイ、イタリア、イングランドと優勝経験のある強豪がひしめく“死のグループ”を2勝1分の負けなしで1位通過。さらに日本代表が今回目標としているベスト8にまで進出しています。

地元は盛り上がっているの?

路上では今回の大会に出場している32か国全選手のステッカーが販売され、多くの人が買い求めるなど、盛り上がっています。

このステッカー5枚1組で各国の選手がランダムに入っていて日本円でおよそ150円。

中には全選手集めようとする人もいるほどで週末になるとカードの交換会まで開かれているそうです。

また、チャベス大統領は熱心なサッカーファンとしても知られています。

チャベス大統領

今回のカタール大会を前に、公務員も平日の日中に行われるスペインとドイツとの試合を観戦できるよう、2時間の休憩を与えると宣言し大きな話題になりました。

コスタリカで注目の選手は?

ゴールキーパーのケイロル・ナバス選手です。

首都サンホセの中心部ではナバス選手の巨大な肖像画が壁に描かれ、肖像画とともに自撮りする人の姿もみられました。

ナバス選手は“死のグループ”に入ったブラジル大会の1次リーグ3試合をペナルティーキックによるわずか1失点に抑えたことなどが評価され、大会後にスペイン1部の強豪レアルマドリードに移籍。

現在はメッシ選手やネイマール選手など各国のスター選手がそろうフランス1部リーグのパリサンジェルマンに所属する国民的な英雄です。

スペイン戦はどうだった?

優勝候補の一角、強豪スペインとの対戦でしたが、試合前は多くの市民からブラジル大会同様の番狂わせを期待する声が多く聞かれました。

首都サンホセでは各地に大型のスクリーンが設けられ、大勢の人がパブリックビューイング。

チャベス大統領の“宣言”を受けて公務員も各地の役所で試合を観戦したと見られます。

コスタリカ議会の会議室で試合観戦をする職員たち

コスタリカ議会では仕事中だった職員たちが自席を離れ、会議室のテレビで試合を見ながらコスタリカ代表を応援していました。

序盤こそ勝利を信じて声援を送っていたコスタリカの人たちですが、スペインが得点を重ねるごとに笑顔が消えていきました。

試合終了後、0対7という結果に多くの人が打ちひしがれ、声をかけるのもはばかられるほどでした。

日本が対戦するライバルではありますが、私自身、ふだん中南米の取材を担当して思い入れがあるだけに複雑な気持ちになりました。

日本戦はどう戦う?

スペイン戦から一夜明けて、地元紙の表紙には天を仰ぐ子どもたちの写真とともに「Por favor, No mas(お願い、もうやめて)」の文字。

シンボルカラーの赤で埋まった試合前とは打って変わり、首都サンホセの市民からは「日本は上位進出の有力候補だ」「日本に勝てるとは思えない」などと弱気な声が聞かれました。

一方、大胆な戦術の変更や若手選手の登用で第2戦は勝ってほしいと奮起を促す声も。

地元のテレビ局でスポーツを担当するエステファン・モンヘ記者は、今回のコスタリカ代表チームについてチームの団結力を強みに挙げています。

エステファン・モンヘ記者

「ゴールキーパーのナバス選手を中心にディフェンスが強固な一方、得点力に課題がある。ただ、前回のワールドカップに出場した経験豊富な選手と初出場の選手が非常にまとまっているのが強味。コスタリカはこれまで日本に勝ったことがないが、過去のデータを打ち破ってほしい」

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