2022年5月31日
世界の子ども ウクライナ

戦争が変えた「少年の夢」

絵に描かれていたのは、動物、虹、そして戦車。

8歳の少年が描いた絵です。

粘土で作られた銃もありました。

「これが、アンドレイが見ている世界です。こういう作品を作るようになったのは、戦争が始まってからです」

少年の母親ダリヤさんは、アンドレイくんの絵や粘土を見つめながら話しました。

アンドレイくんが作った”粘土の銃”

ロシア軍による侵攻が始まる前、ウクライナ南部のオデーサで暮らしていたアンドレイくんの夢は、宇宙飛行士。テレビゲームと粘土細工が大好きな男の子でした。

戦火を逃れ、隣国モルドバの村に避難してきたアンドレイくん。

「ロシア軍が来たぞ」
「僕らはウクライナ軍だ」

独り言を言って遊ぶようになったといいます。

取材に訪れた日。鶏が未舗装の通りを横切る、のどかな村の中で、アンドレイくんは、ほかの子どもたちと声を上げて遊んでいました。

家の中では、スマートフォンのゲームに熱中して母親に叱られ、不満そうな表情を見せるなど、“どこにでもいるような子どもたち”と同じに見えました。

アンドレイくんに、避難先のモルドバでの生活について聞くと、村の人たちがお菓子をくれたり、料理を作ってくれたするのがうれしいと話しました。友だちも7人できたといいます。

一方で、「オデーサに帰って、パパに会いたい」と、私の目をまっすぐ見つめて話しました。

話題を変えようと、将来の夢を聞くと、アンドレイくんは次のように答えました。

「特殊部隊!人間を守る仕事だよ。特殊部隊は、いい仕事だよ。ライフルも撃てるようになるよ」

※この記事は、2022年4月14日に公開したものです

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