地方病院の医師不足解消へ
12県の知事 厚労省と文科省に提言

2022年8月22日

医師が都市部などに偏り地方の病院で不足する偏在の問題について、人口当たりの医師の数が少ない県の知事で作る団体が、解決に向けた提言をまとめ、8月22日、厚生労働省などに提出しました。

提言をまとめたのは、全国の都道府県の中で人口当たりの医師の数などが少ない東北や関東、九州など12の県の知事で作る団体です。

8月22日は岩手県の達増知事と新潟県の花角知事が、厚生労働省と文部科学省に提言を提出し、このうち厚生労働省では、医政局の榎本健太郎局長が「医師確保の問題は切実で重大な問題なので、国としても地方の意見を聞きながら進めていきたい」と述べました。

提言では、新型コロナウイルスへの対応と両立して継続的に地域医療を提供していくためには、医師をはじめとする専門人材の確保が急務だとしています。

そのうえで国に対し、大学医学部の定員の上限の緩和などを盛り込んだ「医療従事者の養成・確保」や、医師少数区域での勤務経験を管理者の要件とする病院を、すべての病院に拡大することなどを盛り込んだ「地域偏在解消のための仕組みづくり」など、8項目を求めています。

達増知事は「新型コロナの感染拡大もあり地域医療の必要性を痛感している中、地方の現状を訴えることができてよかった。医師の養成などを地方とともに取り組んでいきたいという国の姿勢も感じたので一緒に進めていきたい」と話していました。