大阪の病院でクラスター70人感染
コロナ患者の受け入れ困難に

2022年2月9日

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、軽症・中等症患者を受け入れている大阪市内の病院では、患者と職員合わせて70人のクラスターが発生し、新型コロナ用の病床を超える人数の患者を治療する事態となっています。

大阪 此花区の大阪暁明館病院は、軽症・中等症患者19床の病床を運用しています。

1月下旬、入院患者3人が新型コロナに感染していることがわかり、院内を調べたところ、2月9日までに患者40人、職員30人の合わせて70人の感染が確認され、クラスターが発生していることがわかりました。

この病院では、2020年から新型コロナの患者の受け入れを始め、これまで院内でクラスターが発生したことはなかったということです。

人手が足りないため、病院では1月27日から夜間の一般救急の受け入れを一時停止しています。

感染した職員は自宅で療養していますが、もともと入院していた患者は退院できないため、新型コロナ患者用の病床に移して対応しました。

この結果、新型コロナ用の病床が足りなくなり、臨時の病棟を作るなどして、現在は30床まで増やしています。

病院ではクラスターの影響で、院外から新たな新型コロナの患者の受け入れが難しい状況だということです。

大阪府では一時、軽症・中等症の患者用の病床の運用率が100%を超える事態となり、一部の病院が計画していた数を上回る病床を運用しています。

西岡崇浩事務長は「クラスターが起きて、新たな患者の受け入れがほとんどできない状態となり非常に申し訳ない。感染対策を徹底していたつもりだが、ウイルスの感染力がわれわれの常識よりも強くなっていると考えざるをえない。大阪府内で軽症・中等症の病床がひっ迫している背景には、同じような状況の病院がほかにもあるのではないか。一刻も早く院内の状況を正常化させ、再びコロナ患者の受け入れを進めたい」と話しています。