山口県 岩国市と和木町に
「まん延防止等重点措置」 政府に要請

2022年1月6日

山口県東部の岩国市を中心に新型コロナウイルスの感染が急激に拡大しているのを受けて、山口県は政府に対してまん延防止等重点措置の適用を要請しました。

山口県では、アメリカ軍岩国基地の関係者の感染が相次いで発表されている岩国市を中心に新型コロナウイルスの感染が急激に拡大していて、1月6日発表された感染者数はこれまでで最も多い181人となりました。

山口県は、感染拡大を抑え込む必要があるとして、1月6日新型コロナウイルス対策本部会議を開いて、政府に対してまん延防止等重点措置を要請することを決め、直ちに要請したということです。

県は、岩国市と、隣接する和木町を対象に重点措置を適用する方針で、期間は1月9日から1月31日までを求めることにしています。

要請が受け入れられれば、山口県でまん延防止等重点措置が適用されるのは初めてとなります。

県は岩国市と和木町内の飲食店に対して、営業時間を午後8時までに短縮し、酒類の提供を自粛するよう要請する方針で、要請に協力した店舗には協力金を支給するとしています。

また、県は、国の分科会が示した5段階のレベルの指標について、医療提供体制に負荷がかかりはじめているとして、警戒レベルを「1」から「2」に引き上げました。

岩国駅前では感染の急拡大に不安の声

山口県が、政府に岩国市と和木町を対象にまん延防止等重点措置の適用を要請する方針を固めたことについて、岩国駅前で受け止めを聞きました。

岩国市の70代の女性は「要請については、感染が広がっているのでしかたがないと思う。4、5日前にラーメンを食べに行こうと思ったが、店内が混雑していて、マスクをつけていない外国人が多かったので利用を控えた」と話していました。

東京から帰省中の10代の男子大学生は「オミクロン株が地方にこんなに早くやってくるとは思わなかった。自分が感染したり感染を広げたりしないよう、岩国では友達とは直接会わずにオンラインで会話をした」と話していました。

和木町から来た20代の女子大学生は「コンビニでアルバイトをしているが、訪れる人の中にはマスクを着けていない人もいて、感染しないかが心配です。マスクを着けたり消毒をしたりといった基本的な感染対策が改めて必要だと思う」と話していました。

飲食業関係者からは支援求める声も

岩国市内の飲食業の関係者からは、感染の収束を願うとともに、支援を求める声が出ています。

このうち、岩国市内のステーキ店の上田泰弘店長は「年末はそれほどコロナの影響を受けておらず1日の客数はおよそ100人でしたが、三が日が終わってからお客さんの利用控えが始まり、今週末の予約もほぼ全てがキャンセルになりました。家賃や光熱費は変わらず必要なので、補償をお願いしたい。感染が早く落ち着いてほしい」と話しています。

岩国駅前の飲食店でつくる「岩国駅前料飲組合」の藤井義昭組合長は「組合員の飲食店から店を開けてもいいのかといった相談の電話が相次いで寄せられている。基地の関係者がマスクを着けていない場面を見かけることもあったが、彼らに来てもらわないと困る店もあると思うので、まずは手洗いやマスクの着用といった対策を徹底してほしい。また、営業時間の短縮の要請については、どれくらい支援してもらえるかが大切だ」と話しています。

観光名所周辺の飲食店「桜の時期には感染落ち着いてほしい」

山口県岩国市の観光名所、錦帯橋周辺の飲食店では、感染の収束を願う声が聞かれました。

観光名所、錦帯橋近くの飲食店の店長、齋藤伸也さんは「閑散期ではあるが、県外からの観光客が減っている気がするので、観光客が最も多く訪れる桜の時期には、感染が落ち着いて多くの人が安心して過ごせるようになってほしい。いずれは、Go Toトラベルのような観光客誘致を促す取り組みを導入してほしい」と話しています。