7人制ラグビー南アフリカ代表
来日飛行機内でコロナ濃厚接触か

2021年7月14日

東京オリンピックを前に、新型コロナウイルスの濃厚接触者にあたるおそれがあるとされるなどして、選手たちの合宿地入りなどが見送られる動きが相次いでいます。

7人制ラグビー男子の南アフリカ 合宿地の鹿児島市入り当面見送り

鹿児島市では、7人制ラグビーの男子の南アフリカ代表チームの選手14人とスタッフ7人の合わせて21人が7月14日から10日間、市内のホテルに宿泊し、事前合宿を行う予定でした。

鹿児島市によりますと、代表チームは7月13日夜、成田空港に到着しましたが、同じ飛行機に新型コロナウイルスの感染者が乗っていたため、21人のうち18人が濃厚接触者にあたるおそれがあると判断されたということです。

18人は東京都内の施設に一時滞在し、今後、鹿児島市による濃厚接触者にあたるかどうか詳しい調査を受けることになっていて、チームの鹿児島入りは当面、見送られることになりました。空港での検査でチームのメンバーは全員、陰性と確認されているということです。

内閣官房の東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局によりますと、事前合宿で来日した海外のチームが選手本人の感染ではなく、濃厚接触者のおそれがあるとして現地入りが見送られるケースは今回が初めてだということです。

鹿児島市は「受け入れが急きょ見送りとなり、困惑しています。今後については、濃厚接触者と特定されるかの判断やチームの状況をみて考えたい」と話しています。

宿泊予定のホテル「歓迎する思いは変わらない」

7月14日から、7人制ラグビーの南アフリカ代表が宿泊する予定だった鹿児島市のサンロイヤルホテルでは、選手たちを歓迎しようとさまざまな準備をしていました。

ホテルの入り口やフロント前のホールには「Welcome to Kagoshima」と書かれたユニフォームと同じ緑色のボードが用意されていました。

また選手たちが出入りする予定だった従業員用の地下通路には、新型コロナウイルスの影響で外出できない選手たちをもてなすために桜島など鹿児島の観光名所の写真が貼られていました。

そして、同じ通路には従業員が選手の顔や名前を覚えることができるように、選手たちの顔写真も貼られていました。

サンロイヤルホテルの池田司総支配人は「今回のために地下通路の壁も明るい色に塗り替えていました。私たちの歓迎する思いは変わらないので、遅れてでもいいから来ていただきたいです」と話していました。

7人制ラグビー ケニアの代表チームも

福岡県久留米市で7月14日から7人制ラグビーのケニアの代表チームが事前合宿を予定していましたが、来日する際の飛行機の乗客に新型コロナウイルスの感染が確認され、選手などが濃厚接触者にあたると判断されたため、久留米市に入るのは見送られることになりました。

久留米市では7人制ラグビーの女子のケニアの代表チームの選手など8人は7月14日から8日間、市内のホテルに宿泊して7月23日に開幕する東京オリンピックを前に市内で事前合宿を行う予定でした。

久留米市によりますと選手などは7月13日夜、成田空港に到着しましたが、同じ飛行機の乗客に新型コロナウイルスの感染が確認され、選手なども8人全員が濃厚接触者に当たると判断されたということです。8人は関東地方の施設に一時滞在し、選手などが久留米市に入るのは、見送られることになりました。

空港での検査でチームのメンバーは全員、陰性と確認されています。

また、ケニアの7人制ラグビーの女子の選手などは感染防止対策として2つのグループに分かれて来日し、すでに9人は久留米市に到着しています。

久留米市によりますと先に入っている選手の事前合宿は行われる予定で、「万全な準備をしていた中で、非常に残念です。今後の事前合宿の感染対策を徹底していきたい」とコメントしています。

難民選手団はカタールに引き続き滞在

また、7月14日夜に来日する予定だった難民選手団の役員1人が新型コロナウイルスに感染したことがわかり、難民選手団の本隊は飛行機への搭乗をとりやめ事前キャンプ地のカタールに引き続き滞在することになりました。

東京大会に出場する難民選手団の選手たちは各地からカタールのドーハに集まり事前キャンプを行っていて、選手団本隊の26人の選手と役員など11人が7月14日夜、成田空港に到着する予定でした。

IOC=国際オリンピック委員会によりますと出発する前のPCR検査で難民選手団の役員1人が新型コロナに感染したことがわかり、選手団は急きょ、予定の飛行機には搭乗せず、カタールに引き続き滞在することになったということです。

ほかの選手や関係者はいずれも検査は陰性だったということで、選手たちはカタールオリンピック委員会の協力を得て引き続き現地に滞在し、毎日PCR検査を行いながらトレーニングを続けるということです。

カタールでの事前キャンプには同行せず、それぞれの国で練習を続けていた柔道とテコンドーの選手、それにコーチの3人は7月14日、来日するということです。