尾身会長ら岸田首相と会談
「新たな感染の波が来た」

2022年7月11日

新型コロナウイルスの感染の再拡大を受けて、政府分科会の尾身茂会長ら専門家が7月11日夕方、岸田総理大臣と会談しました。会談後、尾身会長は「新たな感染の波が来たことは間違いない」と述べ、第7波に入ったという認識を示したうえで、現時点で強い行動制限は必要ないとしたものの、基本的な感染対策の徹底を訴えました。

7月11日夕方、尾身会長は、厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長などとともに総理大臣官邸を訪れ、岸田総理大臣と30分余り会談しました。

尾身会長によりますと、会談では専門家から、
▽現在の感染者急増の背景に、オミクロン株のうち感染力がより強いとされる「BA.5」の広がりや、ワクチン接種から時間がたって免疫の効果が下がってきていることがあることなどを説明し、
▽医療のひっ迫を防ぐために、政府や自治体が医療や検査、ワクチン接種の体制を整え、国として基本的な感染対策の徹底を呼びかけるよう求めたということです。

会談のあと、取材に応じた尾身会長は「新たな感染の波が来たということは間違いない」と述べ、感染拡大の第7波に入ったという認識を示しました。

そのうえで「感染力の強い『BA.5』が主流になっても、リスクの高い場面などはこれまでと変わらず、われわれがやることは3密や大声を出す場面を避けること、それに換気などで、従来やってきたことを徹底してほしい」と呼びかけました。

さらに尾身会長は「強い行動制限は多くの人は出したくないと考えていると思う。そうした措置をとらずとも検査やワクチンの接種、基本的な対策で乗り越えることは可能で、国や自治体含めて対応を徹底するべきだ」と述べ、現時点では、まん延防止等重点措置のような行動制限は必要ないという認識を示しました。