2022年10月30日
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新型コロナウイルスの影響を受けた企業などに対する「雇用調整助成金」について、2022年9月までに確認された不正受給は、全国で920件、135億円余りに上っていることが厚生労働省の調べで分かりました。
雇用調整助成金は企業が従業員を休業させた時に休業手当の一部を助成する制度で、新型コロナの影響を受けた企業には助成金の上限や助成率を引き上げる特例措置が設けられています。
コロナの影響が長期化する中、特例措置が設けられて以降の支給決定額は6兆円を超えていますが、働いている従業員を休ませたように装って助成金を受給するなどの不正も相次いでいます。
厚生労働省によりますと、2年前の特例措置導入以降、2022年9月末までに確認された不正受給は全国で920件、135億8800万円に上っているということです。
これについて、厚生労働省は助成金を迅速に支給するために書類の数を減らすなど手続きを簡素化したことが背景にあると見ています。
不正受給をした企業には、ペナルティーとして割り増しした金額を返還させていて、これまでにおよそ102億円を回収したということです。
厚生労働省では、審査を厳格に行うとともに立ち入り検査や捜査機関との連携を強化して不正の防止や発見に努めたいとしています。
休業手当を上回る額を支給 16億9000万円余 会計検査院
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「雇用調整助成金」をめぐっては支払われた休業手当を上回る額を支給していたケースが、少なくとも25社で見つかり、超過額は16億9000万円余りに上っていたことが会計検査院の検査で分かりました。
会計検査院によりますと、現状の算定方法では、一部の企業では休業手当の支払い対象になっていない部分も助成される仕組みになっているということです。
また、特例措置として助成金の上限が引き上げられていることも、超過額が増えた原因の一つだということです。
会計検査院は厚生労働省に支給額の算定方法の見直しを求めています。
厚生労働省は、「指摘を踏まえて実態の把握を進め、極力超過せず過不足ない助成方法について検討を進めていきたい」としています。