コロナ禍の中3度目の春
大学では対面授業拡大の動き相次ぐ

2022年4月13日

コロナ禍の中で3度目の春を迎えましたが、全国の大学では2022年度からオンライン授業の比重を下げ、対面授業を拡大する動きが相次いでいます。

小中学校や高校に比べ、大学ではオンライン授業と対面授業の併用が続けられ、国の調査では、2021年度の後期授業について対面が7割以上とした大学が83%だった一方、17%に当たる200校近くが半分以上はオンラインで行うと答えていました。

こうした中、各地の大学では2022年度から対面授業を拡大する動きが相次いでいて、慶應義塾大学が5割程度だった対面授業をおおむね9割を超える授業科目で実施する方針を示しているほか、半分以上オンラインだった熊本大学は、授業のおよそ7割を対面で実施する方針を示しています。

また、明治大学は、すでに対面授業7割を目安としてきた授業方針を見直し、感染対策を徹底しながら全面的に対面授業を実施するとしています。

文部科学省によりますと、2021年12月時点で新型コロナの影響で中途退学した人は前年度の1.4倍に増えていて、理由のうち「学生生活への不適応や修学意欲の低下」が30%と10ポイント程度増加していました。

文部科学省は、2022年度に向けた全国の大学などへの通知の中で「豊かな人間性を育むうえでは対面による学生や教職員との交流も重要な要素だ」として、感染対策を十分講じたうえで対面授業の実施に適切に取り組むことや、図書館などの学内施設の利用機会を確保するよう求めていました。

また、対面授業ができない場合も学生の理解を得ることや、新入生に限らず学生が不安を抱えやすい状況にあるとして、相談体制などきめ細かな対応をとるよう求めています。

そのうえで、2022年度の前期の授業方針について調査し、結果がまとまり次第、公表するとしています。