新型コロナ ビジネス目的の入国待機3日間に
留学生入国認める

2021年11月5日

新型コロナウイルスの水際対策をめぐり木原官房副長官は、ビジネス目的の入国者について企業が行動を管理することなどを条件に自宅などでの10日間の待機期間を11月8日から原則3日間に短縮すると発表しました。

政府は新型コロナウイルスの水際対策の一環として日本への入国者に対し、自宅などでの14日間の待機を求めてきましたが、10月からは日本国内で承認されているワクチンを接種していることなどを条件に待機期間を10日間に短縮しています。

これについて木原官房副長官は午後の記者会見で、ビジネス目的の入国者について検査で陰性が確認され企業が行動を管理することなどを条件に、自宅などでの待機期間を11月8日から原則3日間に短縮すると発表しました。

また、これまで原則停止してきた外国人の新規入国について、ビジネスを目的とする短期滞在者や留学生などは、受け入れる企業などが行動を管理することを条件に入国を認めるとしています。

一方、木原副長官は観光目的の入国については今回の措置の対象にはならないと説明し「今後の感染状況などを踏まえつつ年内を目途に行動管理の実効性などについて検証を行ったうえで、団体観光の入国再開に向けて検討を進めていく」と述べました。

留学目指してきた外国人「待ち望んでいました」

留学生の入国も一定の条件のもとで認められたことについて、日本への留学を目指してきた外国人からは、安どする声が聞かれました。

南米コロンビアに住むマリア・ゴンザレスさん(24)は、日本の法制度などを学んで母国に貢献したいと2020年4月から東京の大学院に留学する予定でした。

しかし、新型コロナの影響で入国できず、1年半以上コロンビアで受け入れの再開を待ってきたといいます。

その間、周りの友人たちが就職や結婚するのを見て、自分だけ取り残されていると感じたり、別の国へ留学することを考えたりしたこともあったそうです。

また、日本の大学院の授業をオンラインで受けていましたが、時差が14時間あるため、夜9時から翌朝4時に授業を受けて睡眠を十分にとることができず精神的にも不安定になったこともあったといいます。

それでも、日本への留学を諦めなかったのは日本の法制度や文化などを学び、母国コロンビアの治安を改善できるよう貢献したいという思いからでした。

今回の措置について、ゴンザレスさんは「毎朝起きては日本政府が何か発表していないかニュースをチェックして何もないと落ち込んでいました。今はうれしくてワクワクしています。このニュースをずっと待ち望んでいました」と話しました。

専門家「約14万人の留学生待機 混乱なく入国が課題」

留学生の入国も一定の条件のもとで認められたことについて、留学生政策が専門の一橋大学の太田浩教授は「日本語学校や大学にとって非常に朗報ですが、14万人ぐらいの留学生が日本に入国したいと待機していて、スムーズに混乱なく日本に入国させることが大きな課題だと思います」と話しました。

また、長期にわたり留学生が入国できずにいたことについて「日本語学校は留学生で成り立っており、経済的に厳しく閉校に追い込まれる学校も出てきています。日本語学校で学んだ留学生の7割が日本の大学に進学します。このため来年、再来年と大学に進学する留学生が少なくなるという問題が出てきます」と、影響が長期に及ぶおそれがあると指摘しました。