国際線「冬ダイヤ」便数
2021年比3倍余に回復 水際対策緩和で

2022年11月4日

国際線の「冬ダイヤ」は、新型コロナの水際対策の大幅な緩和を受け、日本を発着する旅客便が2021年の同じ時期の3倍余りに増えたことが国のまとめで分かりました。

国土交通省によりますと、10月30日から始まった国際線の「冬ダイヤ」では、日本を発着する旅客便は、11月5日までの1週間で1920往復と、2021年の同じ時期と比べ3.2倍に増えています。

航空会社を国や地域別にみますと、
▽日本の航空会社の便はおよそ2倍となったほか、
▽日本と同じように水際対策の緩和が進んだ韓国や台湾の航空会社の便が20倍前後と大幅に回復しています。

日本では、国内線は感染拡大前に近い便数になっているのに対し、国際線は回復が遅れてきましたが、10月11日から入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の入国も解禁されるなど、水際対策の大幅な緩和を受けて、増加した形です。

ただ、今も厳しい水際対策が続く中国との便が回復していないことなどから、国際線全体の便数はコロナ禍の前と比べると37%にとどまっています。

全日空 国際線の利用客増加で対応強化

全日空では、「冬ダイヤ」に入った10月30日以降の国際線の利用客は2021年の同じ時期の6倍程度で推移しています。

このため冬ダイヤから、羽田空港では国際線のチェックインカウンターを24から48に増やし、対応を強化しています。

それでもカウンターでは、出国に向けた多くの利用客で列ができる時間帯もあり、別の部署からも応援を呼んで対応しているということです。

ANAエアポートサービスの野口博史部長は「地方に向かう訪日客も増えてきて、地方経済の活性化にもつながっていると感じます。空港の人手不足などの課題もありますが、人繰りを工夫しながら安全を第一に需要の拡大に対応していきたい」と話していました。