新型コロナ
“変異ウイルスへ急速に置き換わる“ WHOが報告書

2021年3月24日

変異した新型コロナウイルスが確認されているイギリスと南アフリカ、それにブラジルでは変異ウイルスの割合が高くなり、従来のウイルスと急速に置き換わっているとする報告書をWHO=世界保健機関が公表しました。

3月23日付けの報告書によりますと、このうちイギリスと南アフリカではそれぞれの国で確認された変異ウイルスが2020年の秋以降、従来からある新型コロナウイルスと急速に置き換わり、検出されるもののほとんどを占めるようになったということです。

またブラジルでも、変異ウイルスの割合がおよそ半分を占めるようになっているとしています。

さらに1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す「実効再生産数」も、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは41%、南アフリカで最初に確認された変異ウイルスは36%、ブラジルで確認された変異ウイルスは11%、それぞれ従来のウイルスに比べて高いと推定されるとしています。

変異ウイルスの報告があった国や地域は、イギリスの変異ウイルスは前の週に比べて7つ増え125、南アフリカの変異ウイルスは11増え75、ブラジルの変異ウイルスは3つ増え41となっています。

WHOはこれら3つのウイルスを「懸念される変異株」に指定して監視を強めていますが、報告書ではこれらに次ぐ「注目すべき変異株」に新たに2つの変異ウイルスを加えたとしています。

一方、3月21日までの1週間に報告された世界全体の新型コロナウイルスの感染者の数は、ブラジルやインド、それにフランスで増加した影響などで4週連続で前の週を上回り、6週連続で減少していた死者の数も増加に転じました。