ロンドンなど外出制限へ
“変異ウイルスで感染急拡大”

2020年12月20日

イギリスのジョンソン首相は、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大しているとして、ロンドンを含むイングランドの南東部を対象に、外出制限などの厳しい措置を12月20日から再び導入することを明らかにしました。ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる」としています。

イギリスでは、ロンドンを含むイングランドの南東部で感染が急速に拡大していて、ハンコック保健相は12月14日、「変異したウイルスを確認した」と発表しています。

ジョンソン首相は、12月19日、急きょ記者会見を開き、感染の拡大を抑えるため、ロンドンを含む南東部では、正当な理由がない限り外出を控えるよう求めることや、生活必需品を販売する店を除いて、小売店は一部のサービスを除いて営業を行わないことなど、11月に実施したのと同様の厳しい措置を12月20日から再び導入することを明らかにしました。

ジョンソン首相は「急拡大は変異したウイルスによって起きているとみられる。多くの不確定要素はあるが、従来よりも最大70%感染しやすいようだ」と述べました。

一方で、変異したウイルスによって症状がより重くなったり、ワクチンが効きにくくなったりすることを示す証拠はないとしています。

イングランドでは、12月23日から5日間規制を緩和して、3世帯までであれば集まってクリスマスを過ごすことを認める予定でしたが、南東部では規制の緩和が見送られることになり、ほかの地域でもクリスマスの1日のみに限定するとしました。

ジョンソン首相は「誰もが失望することはわかっている。首相としてほかに道はない」と述べ、理解を求めました。

クリスマス直前の決定に、野党などからは遅すぎるという声もあがっています。

イギリスでは、西部ウェールズでも変異したウイルスによる感染が拡大していて、同様の措置を12月20日から導入するなど、規制の強化が広がっています。