ワクチン最新情報Q&A

海外で接種が進んでいる新型コロナのワクチン。日本でも、政府が2月中旬の開始に向けて準備を進めています。今後のワクチン接種の見通しは? アレルギーや副反応は? ワクチンの「最新情報」が分かるQ&Aです。

集団接種に向けて準備が進む「ワクチン」。どんな流れで接種を受けられるのでしょうか?
(詳しくはQ&Aから)

ワクチンQ&A 目次 ※ クリックすると各項目に移動 ※ タップすると各項目に移動

    なぜワクチンが必要?効果は?

    Q.
    なぜワクチンを接種するの?(2021年1月19日時点)
    A.

    ワクチンは感染症に対する免疫をつけたり、免疫を強めるために接種され、個人の発症や重症化を予防するだけでなく、社会全体で流行するのを防ぐことが期待されます。

    厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスのワクチンについても▽重症化や、▽発熱などの症状が出るのを防ぐ効果があることが海外の治験で明らかになっているということです。

    多くの人が接種を受けることで重症者や死亡者を減らすことができれば、医療機関の負担を軽くすることも期待できます。

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    効果はいつまで持続?(2021年1月19日時点)
    A.

    国内外で複数の新型コロナウイルスのワクチンの開発が進められていますが、治験や海外での接種が始まって間もないことから、効果が持続する期間は明らかになっていません。

    厚生労働省は、変異した新型コロナウイルスに対しても効果があるのかについて、「一般的にウイルスは絶えず変異するもので小さな変異でワクチンの効果がなくなるものではない」としています。
    ファイザーなどのワクチンでは変異ウイルスにも作用する抗体がつくられたという実験結果が発表されているということで、日本での審査では、変異ウイルスに関する情報も含め適切に有効性や安全性を確認するとしています。

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    ワクチンの効果は?(2021年1月13日時点・2月3日追記)
    A.

    WHO予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏「2020年の春に臨床試験が始まったばかりで、まだ日が浅いので、臨床試験に参加した人たちを引き続き見ていくことで、どのくらい効果がもつのか見えてくるでしょう。それなので、まだわからないんです。持続性のある免疫が得られればいいと思っていますが。新型コロナウイルスに感染した人たちの免疫がどのくらい続くかもみています、これはもしかしたら、ワクチンを接種して得られる免疫の期間にも関係あるかもしれないので。今の段階で、ワクチンの効果がどのくらい続くか、説明するのは早すぎます」

    (2021年1月13日時点)

    イギリスのオックスフォード大学は、製薬大手アストラゼネカと開発した、新型コロナウイルスのワクチンについて、1回目の接種の3か月後でも有効性は76%で、一定期間は効果が続くとする研究結果を発表しました。

    このワクチンは通常2回接種ですが、発表によりますと、1回の接種でも、有効性は22日後から90日後まで76%で、この間、有効性の低下はみられなかったということです。
    また、2回目の接種までの間隔を変えたところ、6週間以内に2回目を接種した場合の有効性は54.9%だったのに対し、12週間以上空けて2回目を接種した場合の有効性は82.4%に高まったとしています。

    今回の結果について研究チームは「1回の接種でも一定の期間、高い有効性が維持されることがわかった。接種の間隔を最大3か月とするイギリスの専門家委員会の方針を支持する結果となった」としています。

    一方、これとは別のワクチンで、接種の間隔を3週間としている、アメリカの製薬大手ファイザーは、イギリス政府の方針について「臨床試験では1回目の接種後にどれだけの有効性があるか十分示されていない」として、間隔を変えて接種することは推奨しないとしています。

    (2021年2月3日追記)

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    アレルギー・副反応は?

    Q.
    副反応が疑われる事例は?(2021年1月19日時点)
    A.

    ワクチンを接種すると体内に異物が入るため、接種した部位の腫れや痛み、発熱、頭痛などの副反応が起きることがあります。

    治療が必要になったり、障害が残ったりするほど症状が重いケースは極めてまれですが、副反応が起きるリスクをゼロにすることはできないということです。

    日本への供給が計画されているワクチンについても、これまでの治験で接種した部位の痛みや、頭痛、けん怠感、筋肉痛などが確認されたと論文などで発表されています。

    こうした中、厚生労働省は、どのような副反応が起きるリスクがあるかを国内外のデータを用いて確認する方針です。

    承認されて接種が始まった場合も、副反応が疑われる事例を集めて専門家が評価する体制をつくり、情報提供に努めるとしています。

    【副反応の救済制度】
    国は副反応に関する救済制度も設けています。
    健康被害が生じた場合、予防接種法にもとづいて医療費や障害年金の給付といった救済が受けられ、新型コロナウイルスのワクチンを受けた人も対象となります。

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    ワクチンでアレルギー反応は?(2021年1月23日時点・2月3日追記)
    A.

    新型コロナウイルスのワクチンを接種したおよそ190万人のうち、アナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示した人は21人に上ったとする報告書をアメリカCDC=疾病対策センターが1月6日、公表しました。追跡できた人は、全員すでに回復したということで、CDCの幹部は「アナフィラキシーは、まれだが、今後も調査を続ける」としています。

    欧米で接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンで激しいアレルギー反応がみられる割合は、これまでのところおよそ10万人に1人だとする記事をアメリカの有力な医学雑誌が掲載しました。こうした安全性に関わる出来事は大規模に接種を行う場合、ほとんど避けられないものだとしたうえで、引き続き安全性を慎重に見極めつつ、情報を公開していく必要があるとしています。

    (2021年1月7日時点)

    アメリカCDC=疾病対策センターは1月22日、アメリカの製薬会社モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種したおよそ400万人のうち、アナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応を示した人は10人だったとする報告書を公表しました。

    アメリカの製薬会社モデルナが開発したワクチンを接種した人は12月21日から1月10日までに全米でおよそ404万人で、性別は61%が女性、36%が男性で、残りは不明だとしています。激しいアレルギー反応であるアナフィラキシーの症状を示した人は10人、100万人当たり2.5人で、このうち9人は、過去に薬や食べ物などでアレルギー反応が出たことがあったということです。症状を示した10人はすべてが女性で、9人は接種後15分以内で症状が出たということです。10人のうち、その後の経過が追跡できた8人は全員すでに回復しているということです。

    (2021年1月23日時点)

    速いペースで新型コロナウイルスのワクチンの接種を進めているイスラエル政府は、1月27日までに接種した人の副反応をまとめ、公表しました。
    それによりますと、1回目を接種した276万8200人のうち、副反応があったのは6575人で、割合にして0.24%だったということです。
    また、2回目では137万7827人のうち、報告は3592人と、割合にして0.26%だったとしています。
    副反応のほとんどが痛みや腫れなどの軽い、一時的な副反応だった一方で、入院が必要になったのは100万に対し、1回目で17人、2回目でおよそ3人だったということです。
    さらに、報告書では、若い人や女性で副反応が出やすい傾向にあったと指摘しています。

    (2021年2月3日追記)

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    日本での状況は? 接種までの流れは?

    Q.
    接種に向けた政府の体制は?(2021年1月19日時点・1月30日追記)
    A.

    菅総理大臣は、1月18日夜、新型コロナウイルスのワクチン接種に向けた体制を強化するため、河野規制改革担当大臣に全体の調整に当たるよう指示しました。

    これについて、河野大臣は、閣議のあとの記者会見で「輸送や保管、会場の設定といった、接種に関するロジを担当する。安全で有効なワクチンを、国民が1人でも多く、1日でも早く接種できるよう全力を尽くしたい」と述べました。

    そして「関係する方との連携は、非常に強くしていかなければいけない」と述べ、まずは関係省庁や自治体、業界団体などからヒアリングを行い、現状を把握したうえで、具体的なスケジュールなどの策定に当たる考えを示しました。

    また、河野大臣は、みずからを補佐する副大臣として、内閣府の藤井副大臣と、厚生労働省の山本副大臣をあげ、今後、役割分担を検討すると説明しました。

    (2021年1月19日時点)

    新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は先行して接種を受ける医療従事者への副反応を調べるため、新たに研究班を立ち上げました。日本政府はアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンについて、承認されれば、できるかぎり2月下旬から医療従事者に先行して接種を始めたいとしています。

    厚生労働省によりますと、先行接種が行われるのは国立病院機構など全国の合わせて100の国公立病院で、同意が得られた20歳以上の医師や看護師など合わせて1万人以上が対象となります。

    厚生労働省は、接種後の副反応を調べるため、1月29日、新たに研究班を立ち上げました。

    2回目の接種を受けてから28日が経過するまで体温や接種部位の状態などを各医療機関で観察し、副反応に関するデータを集めるということです。

    データは定期的に公表する方針で、ほかに日本が供給を受ける契約を結んでいるモデルナやアストラゼネカのワクチンについても、承認されれば調査の対象に加えることにしています。

    (2021年1月30日時点)

    Q.
    接種はいつから?(2021年1月19日時点・1月27日追記・2月2日追記・2月10日追記)
    A.

    日本政府はアメリカの製薬大手のファイザーとモデルナ、それにイギリスのアストラゼネカの合わせて3社との間で合わせて1億4500万人分の供給を受けることで、契約や基本合意を交わしています。

    このうち、国内で唯一、承認の申請を行っているファイザーからは6000万人分の供給を受けることになっています。

    厚生労働省が現在、安全性や有効性の審査を進めていて、承認されれば、2月下旬をめどにおよそ1万人の医療従事者に先行して接種を開始する計画です。

    続いて、3月中旬をめどに医療従事者などおよそ300万人に、3月下旬をめどに65歳以上の高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保し、4月以降、基礎疾患のある人や高齢者施設の従事者などを優先しながら順次、接種を進めることにしています。
    厚生労働省は、ファイザーのワクチンを保管するため、マイナス75度前後で冷凍できる「超低温冷凍庫」およそ1万台をことし6月にかけて順次、自治体に配備する方針です。
    (2021年1月19日時点)

    新型コロナウイルスのワクチンをめぐり、田村厚生労働大臣はアメリカの製薬大手ファイザーとの間で年内に7200万人分にあたるおよそ1億4400万回分の供給を受ける契約を正式に結んだと発表しました。
    (2021年1月20日追記)

    新型コロナウイルスのワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は、1月27日、記者団に対し、高齢者への接種は早くても4月1日以降になると明らかにしました。河野大臣は、「医療従事者の数や、ワクチンを供給するファイザー社とのやり取りの状況に鑑みて、高齢者への接種は、最短でも4月1日からとなる」と述べました。
    (2021年1月27日追記)

    菅総理大臣は2021年2月2日、総理大臣官邸で記者会見し、新型コロナウイルスのワクチン接種の開始時期について「できるかぎり2月下旬」としてきた目標を前倒しして、2月中旬を目指す考えを明らかにしました。
    (2021年2月2日追記)

    菅総理大臣は、2月10日、総理大臣官邸で日本医師会の中川会長と会談しました。この中で、菅総理大臣は、新型コロナウイルスのワクチン接種について「有効性と安全性を確認したうえで、来週(2月15日の週)半ばには、医療関係者への接種を開始し、高齢者については、4月から接種したい」と述べました。
    (2021年2月10日追記)

    Q.
    接種までの流れは?(2021年1月27日時点)
    A.

    ワクチンの接種は、国の指示のもとで市町村など自治体が行うとされています。

    接種を希望する人は、原則として住民票を登録している自治体で受けることになりますが▽単身赴任している人や▽入院している人などは、例外的にほかの自治体での接種が認められます。

    接種を受けるのに必要なクーポンは自治体から順次、自宅に郵送されます。このクーポンを持参すると、無料で接種を受けることができます。

    受け取ったあと、電話などで予約します。
    接種会場となるのは▽医療機関や▽公民館や体育館などです。

    集団接種の会場では、まず受付で自治体から届くクーポンを提示し、運転免許証や保険証などで本人確認が行われます。

    次に健康状態や、これまでにかかった病気などを問診票に記入し、接種が可能かどうかを判断する医師による「予診」があります。

    ここまで問題がなければワクチンの接種を受けられます。
    ワクチンの接種には1人あたり1、2分程度かかると見込まれています。

    接種を終えた人は日付などが記された「接種済証」を受け取ります。
    「接種済証」には、どのワクチンを接種したかなどの情報が記載されていて、2回目の接種を受ける際に必要になるということです。

    注意が必要なのは、接種が終わってもすぐに帰宅できるわけではないということです。
    厚生労働省は、接種後、15分以上、その場で経過観察を行うよう求めていて、接種を終えた人たちは、会場に設けられた専用のスペースで待機することになっています。

    海外では、日本への供給が計画されているワクチンについて、接種後に、頭痛やけん怠感などの症状が見られたことが論文などで発表されています。
    また、アメリカなどでは、ワクチンの接種を受けた人にまれに「アナフィラキシー」という急激なアレルギー反応が出たケースも報告されています。

    接種後、体調に変化が出た場合は、会場に併設されている救護室にいるスタッフに対応してもらえるということです。

    (2021年1月27日時点)

    Q.
    厚生労働省の最新情報はどこで見られる?(2021年1月19日時点)
    A.

    新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は、変異ウイルスへの効果など有効性や安全性に関する最新の情報を新たにホームページで公開しました。

    新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は2月下旬以降、医療従事者から順次、接種できるよう準備を進めていて、有効性などに関する最新の情報を1月18日、ホームページに掲載しました。

    このうち、イギリスなどで見つかっている変異したウイルスへの効果については「一般的にウイルスは絶えず変異するもので、小さな変異でワクチンの効果がなくなるものではない」としています。

    また、国内で唯一、承認申請が行われているファイザーなどのワクチンについては「変異ウイルスにも作用する抗体がつくられたという実験結果が発表されている」としたうえで、日本の審査でも変異ウイルスに関する情報を収集しつつ、適切に有効性や安全性を確認するとしています。

    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_00184.html(NHKのサイトを離れます)

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    接種の優先順位は?(2021年1月19日時点・1月26日追記)
    A.

    ワクチンの供給量が限られているため、厚生労働省は重症化リスクの高い人などから接種を始める方針です。

    具体的には医療従事者などや高齢者、それに基礎疾患がある人や介護施設などの職員から優先的に接種が行われます。

    妊娠中の女性にも優先接種を行うかや、子どもを接種の対象にするかについては安全性や有効性の情報を踏まえて検討するということです。

    厚生労働省は、「ワクチンには発症や重症化を予防する効果だけでなく副反応もあり、接種する上ではどちらも重要な情報だ。国民が納得して接種の判断をしてもらえるよう情報提供に努めたい」としています。

    (2021年1月19日時点)

    新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は一定の要件を満たす高齢者施設では職員が高齢者と同時に優先的に接種を受けることを認める方針です。

    アメリカの製薬大手ファイザーが開発したワクチンが承認された場合、厚生労働省は、医療従事者などを先行して接種し、続いて高齢者、次に高齢者施設などの職員や基礎疾患のある人などと優先順位をつけて接種を行うことにしています。

    このうち高齢者施設などの職員について、厚生労働省はクラスターの発生を防ぐため、医師が介護施設に出向くなどして高齢者と同時に接種することを条件付きで認める方針です。

    具体的な要件としては、入所する高齢者の健康を日常的に管理する医師などが確保されていて、職員が接種を受けても接種後の入所者の健康状態を観察できることなどを挙げています。

    また、接種を受けるのは本人が希望している場合に限られるため、希望しているかどうか確認が難しい高齢者については、家族や医師の協力を受けて意思を確認するよう求めています。

    (2021年1月26日時点)

    Q.
    何歳以上が対象?(2021年1月10日時点)
    A.

    新型コロナウイルスのワクチンで、唯一、国内で承認申請が行われているアメリカの製薬大手ファイザーのワクチンについて、厚生労働省が承認する場合の接種対象を、当面16歳以上とする方向で検討していることが分かりました。

    ファイザーは日本政府との間で、2021年前半に6000万人分のワクチンを供給することで基本合意し、2020年12月、厚生労働省に承認を求める申請を行いました。

    日本政府は現在、国内で行われている治験のデータを踏まえ、2月下旬までに医療従事者から順次、接種を開始できるよう、有効性や安全性を速やかに審査する方針を示しています。

    こうした中、厚生労働省がワクチンを承認する場合、接種対象を当面16歳以上とする方向で検討していることが関係者への取材で分かりました。

    背景には日本での治験の対象が20歳以上で、日本人の子どものデータが得られないことに加え、海外の治験でも15歳以下についての十分なデータがないことがあるとしています。さらに、子どもが感染した場合は重症化するリスクが低いことも理由に挙がっているということです。

    すでにこのワクチンの接種を始めているアメリカやイギリスも対象を16歳以上としていて、厚生労働省は承認審査を慎重に進めつつ、国内の治験の結果も踏まえて、対象年齢を最終的に判断する方針です。

    (2021年1月10日時点)

    Q.
    優先接種対象の「基礎疾患」は?(2020年12月23日時点)
    A.

    厚生労働省は優先接種の対象とする「基礎疾患」を、慢性の心臓病やがんなどとする案をまとめました。肥満の人も含める方針で、対象は820万人にのぼる見通しです。

    新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は
    ▽2021年2月下旬をめどに医療従事者、
    ▽3月下旬をめどに高齢者への接種を始める体制を確保し、
    その後、
    ▽基礎疾患のある人などに優先して接種を行う方針です。

    こうした中、厚生労働省は、優先接種の対象とする具体的な基礎疾患の案をまとめました。

    対象となるのは
    ▽慢性の心臓病や腎臓病などに加え、
    ▽呼吸器の疾患や、
    ▽がんなどの免疫機能が低下する病気、
    ▽睡眠時無呼吸症候群などで通院や入院をしていることが条件です。

    基礎疾患があることを示す証明書の提出は求めず、予診票で確認するとしています。

    肥満の程度を示す「BMI」が30以上の人も優先接種の対象とし、基礎疾患のある人と合わせると、成人だけでおよそ820万人にのぼると推計されています。

    また、医療従事者に続いて優先的に接種を受けられる「高齢者」については、令和3年度中に65歳以上に達する人とします。

    60歳から64歳の人も、ワクチンの供給量によっては基礎疾患がある人と同じ時期に接種を受けてもらうことを検討するということです。

    【優先される基礎疾患は】
    厚生労働省の案で「基礎疾患」とされているのは
    ▽慢性の呼吸器の病気
    ▽慢性の心臓病(高血圧を含む)
    ▽慢性の腎臓病
    ▽慢性の肝臓病(脂肪肝や慢性肝炎を除く)
    ▽インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、またはほかの病気を併発している糖尿病
    ▽血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)
    ▽免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)
    ▽病気の治療で、ステロイドなど免疫の機能を低下させる治療を受けている
    ▽免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患
    ▽神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害など)
    ▽染色体異常
    ▽重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)
    ▽睡眠時無呼吸症候群です。

    いずれも通院や入院をしている人が対象となります。

    (2020年12月23日時点)

    Q.
    新たなシステムの整備は?(2021年1月25日・29日時点・2月3日追記)
    A.

    ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は1月25日夜、記者団に対し、接種を行う自治体が個人の接種状況を把握できる新たなシステムを構築することを明らかにしました。

    新たなシステムでは、自治体が接種に必要なクーポンの番号とマイナンバーを登録し、接種の際、クーポンの情報などを読み取ることで、いつ、どの医療機関で接種したのかや、ワクチンの種類などをリアルタイムに近い形で把握できるということです。

    また、届け出を行えば、引っ越した先の自治体にも接種状況の情報が引き継がれるほか、今後、必要に応じて接種証明の発行に用いることも検討しているということです。

    河野大臣は、記者団に対し「システムは国がやるもので、入力を含め、すべての費用は国が持つ。高齢者の接種に間に合うよう立ち上げていきたい」と述べました。

    (2021年1月25日時点)

    2回の接種が必要な新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は接種開始から9週間以内にすべての高齢者が1回目の接種を受けられる体制を整備するよう自治体に指示しました。

    1月25日に自治体向けの説明会が非公開で開かれ、厚生労働省は3月下旬をめどに高齢者およそ3600万人に接種できる体制を確保するなどといった想定のスケジュールを改めて示しました。

    ファイザーのワクチンは3週間の間隔を空けて2回の接種が必要となる見込みで、厚生労働省は接種を開始して9週間以内にすべての高齢者が1回目の接種を受けられる体制を整備するよう求めています。

    全員が1回目の接種を終える前に、2回目の接種が始まることを想定し、人口10万人で高齢化率が27%の自治体の場合は1週間当たり6000回の接種が必要になるということです。

    また接種を受けてもらう場所は、原則、住民票を登録している市町村としていますが、路上生活をしている人や、家庭内暴力の被害を受けて住民票を移していない人などは申請をすれば居住地の市町村で接種を受けられるということです。

    (2021年1月25日時点)

    新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、政府は接種に必要なクーポン券を住民に送付する際、健康状態を確認する予診票を同封し、事前の記入を促すことも検討しています。

    また接種を希望しても当日、体調が悪く会場に出かけられない高齢者などへの対応も必要になるとして、規模の小さいクリニックも含め医療関係者への協力を求めることも検討しています。

    さらに国民の不安解消にもつなげるため、ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は、相談を受け付けるコールセンターを2月設置することを目指す考えを示しました。

    (2021年1月29日時点)

    厚生労働省は、新型コロナウイルスのワクチンの接種を円滑に進めるため、市町村への分配量などの情報を自治体などと共有する新たなシステムを整備することにしています。
    名称はワクチン接種円滑化システム「V-SYS」で、都道府県や市町村、医療機関、卸業者などが、希望するワクチンの量や実際に分配される量、それに接種が行われた回数などの情報をインターネット回線で共有します。

    また、接種を受けられる医療機関のリストや取り扱っているワクチンの種類、予約状況などの情報は一般向けの専用サイトでも公開する予定だということです。

    (2021年2月3日追記)

    Q.
    接種の状況は把握できる?(2021年1月26日時点)
    A.

    新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、政府は個人単位の接種状況をリアルタイムに近い形で把握できる新たなシステムを構築し、円滑な実施につなげたい考えです。一方、緊急事態宣言は2月7日が期限で、今週の感染状況などを見極めながら今後の対応を検討する方針です。

    新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、菅総理大臣は1月25日、衆議院予算委員会で「接種事業を担う市町村と緊密に連携し、必要な情報提供や支援を行うとともに、接種状況などを管理するシステムの構築など、周到な体制準備を進めている」と述べました。

    政府はできるかぎり、2月下旬から医療従事者を対象に始めたいとしており、個人単位の接種状況をリアルタイムに近い形で把握できる新たなシステムを構築し、感染対策の決め手と位置づけるワクチン接種の円滑な実施につなげたい考えです。

    (2021年1月26日時点)

    Q.
    高齢者はいつから接種できる?(2021年1月27日時点)
    A.

    ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は、1月27日夜、記者団に対し「医療従事者の数や、ワクチンを供給するファイザー社とのやり取りの状況に鑑みて、高齢者への接種は、最短でも4月1日からとなる」と述べました。そして、こうした見通しを全国知事会などに伝えたとしたうえで「供給スケジュールが確定しているわけではないが、自治体は3月に接種に必要な施設をおさえる必要はない。自治体と情報を共有して準備をスタートしたい」と述べました。

    (2021年1月27日時点)

    Q.
    手軽に予約する方法は?(2021年1月28日時点)
    A.

    通信アプリ大手のLINEが、スマートフォンのアプリ上で新型コロナウイルスのワクチン接種の予約ができるシステムを作りました。およそ100の自治体が導入を決めたり、検討したりしているということです。

    LINEが開発したシステムは、スマートフォンの無料通話アプリを使って24時間いつでも新型コロナウイルスのワクチン接種を予約することができます。

    原則として、自治体が持っている公式アカウントにアクセスして、性別や年代、基礎疾患の有無について回答したうえでワクチン接種の希望日を選び、そのあと自治体から通知される接種券の番号や名前などを登録するという手順です。

    会社によりますと、システムを活用すれば自治体側の事務の負担軽減につながるとして導入を働きかけていて、これまでのところ神奈川県寒川町と和歌山県紀の川市が導入を決めているほか、およそ100の自治体が導入を検討しているということです。

    (2021年1月28日時点)

    Q.
    日本への輸送は?(2021年2月2日時点)
    A.

    アメリカの製薬大手、ファイザーが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、フジテレビは「承認と供給が順調に進んだ場合、運輸当局などが、早ければ今月14日にも第1弾を日本に到着させる方向で準備に着手した」と報じました。

    これを受けて、ワクチン接種を担当する河野規制改革担当大臣は、記者団に対し「ワクチンの海外から日本への輸送に関し、セキュリティーの観点から不測の事態を起こしたくない。
    このため、輸送の日時や場所については、非公開にさせていただきたい。取材、報道は控えていただけるとありがたい」と述べました。

    また、「不測の事態」については「テロから妨害行為に至るまで、いろんなことがありうると思っている」と説明しました。
    一方、河野大臣は「接種の開始時期や、どこから、どのような順番で接種するかなど国内での接種に関する動きは、確定次第、逐一お知らせしていきたい」と述べました。

    (2021年2月2日時点)

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    世界の状況は?

    Q.
    世界の接種状況は?(2021年1月19日時点・2月3日追記)
    A.

    イギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイトによりますと、これまでに世界で接種された新型コロナウイルスのワクチンはおよそ4000万回分で、人数ではおよそ3700万人にのぼります。

    人数ではアメリカがおよそ1千万人と最も多くなる一方、人口に対する接種を受けた人の割合ではイスラエルがおよそ25%と最も高くなっています。

    世界各国の政府などが公表したデータをまとめているイギリス・オックスフォード大学の研究者などが運営するウェブサイト「アワ・ワールド・イン・データ」によりますと、1月18日の時点で全世界で接種された新型コロナウイルスのワクチンは合わせておよそ4000万回分で、少なくとも1回は接種を受けた人の数は、およそ3700万人にのぼります。

    これを国別に見ますと、最も人数が多いのは、
    ▽アメリカでおよそ1060万人、
    ▽中国の1000万人、
    ▽イギリスの400万人余り、
    ▽イスラエルの210万人余りなどとなっています。

    一方、少なくとも1回、ワクチンの接種を受けた人が人口に占める割合は、
    ▽イスラエルが最も多く24.91%、
    ▽UAE=アラブ首長国連邦が17.41%、
    ▽バーレーンが8.32%、
    ▽イギリスが5.98%、
    ▽アメリカが3.2%などとなっています。

    (2021年1月19日時点)

    日本も供給を受ける契約を結んでいるアストラゼネカとオックスフォード大学が開発した新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては1月29日、EU=ヨーロッパ連合の当局が、55歳以上のデータが不十分としながらも、18歳以上の使用を条件に販売の許可を出しました。

    これを受けてEUの加盟国ではそれぞれの専門機関などがワクチンの接種に関する勧告を政府に出していて、このうちフランスでは2日、医薬品などの評価を行う機関のトップが記者会見し、「65歳以上の被験者についてのデータが不足している。当面は、65歳未満に使用するよう勧告する」と述べました。

    高齢者に対する有効性のデータは今後、数週間のうちに得られるとしていてその段階で改めて評価を行うとしています。
    フランス政府は、今回の勧告に沿って65歳以上の高齢者への接種は控えるものとみられます。
    またスウェーデンでも2日、同様の勧告が出たほか、ドイツ政府は専門家による委員会の勧告を受けて65歳以上の高齢者への接種を控える方針を示しています。

    一方で、イギリスではアストラゼネカのワクチンの接種が高齢者にも行われているほか、イタリアでも政府の専門家委員会が高齢者にも接種をすべきだと結論づけるなど対応が分かれています。

    (2021年2月3日追記)

    Q.
    すべての国で接種が始まるのはいつ?(2021年1月19日時点)
    A.

    WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は所得の高い国ではこれまでに合わせて3900万回分余りが接種された一方、最も所得の低い国ではわずか25回分しか入手できていないと明らかにしました。WHOなどは、途上国を含め世界各国にワクチンを分配するための枠組みを設けていますが、テドロス事務局長は、一部の国が枠組みの外で製薬会社と独自に契約を結んでいることでワクチンの価格がつり上がっていると指摘しました。

    テドロス事務局長は「所得の高い国の若く健康な成人が、貧しい国の医療従事者や高齢者よりも先にワクチンを接種するのは正しくない」と述べ、国際的な分配の枠組みにワクチンを提供し、4月上旬までにすべての国で、医療従事者と高齢者が接種を始められるよう協力すべきだと各国に訴えました。

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    世界の状況はどうなっている?WHOの見解 (2021年1月13日時点)
    A.

    WHO予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏「ワクチンは今、主に先進国で接種が始まっていますが、今後すぐに低所得国や中所得国でも始まるでしょう。最も高い審査水準をもつ規制当局によって評価されたワクチンがすでに少なくとも3種類あります。各国の規制当局は、安全性や病気を防ぐ効果に関するデータを確認し、製造の質も確かめます。3種類のワクチンは、アストラゼネカ、モデルナ、それにファイザーのワクチンで、これらは基準を満たしているとして、少なくとも1か国で承認されています。このほかにも、効果があるとする結果を公に発表している複数のワクチンがあり、それらのワクチンに関するデータを目にしているところです。中国のシノファームとシノバックのワクチンです。ロシアのガマレヤ研究所が開発したワクチンもあります。最も大切なのは、臨床試験を経たワクチンがたくさん出てきているということ、そして一般の人への接種に向け承認するため、私たちは今後、数週間、数か月間かけてデータを見ていき、データが十分かどうか確かめることです」

    (2021年1月13日時点)

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    開発状況は?

    Q.
    緊急使用はできるの?(2021年1月1日時点)
    A.

    WHO=世界保健機関は、アメリカの製薬大手ファイザーなどが開発し、イギリスやアメリカなどで接種が始まっている新型コロナウイルスのワクチンについて、2020年12月31日、緊急使用リストに加えたと発表しました。新型コロナウイルスのワクチンがWHOの緊急使用リストに加えられるのは、これが初めてです。

    これによって、審査体制が整っていない途上国が自国で緊急使用を承認する際の目安とすることができるほか、ユニセフ=国連児童基金などがワクチンを必要とする国に届けることもできるようになるということです。

    (2021年1月1日時点)

    Q.
    国産ワクチン 開発の現状は?(2020年12月28日時点)
    A.

    新型コロナウイルスのワクチン開発は日本国内でも進められていて、国産のワクチンとしてはこれまでに2社が実際に人に投与して安全性などを確認する臨床試験を始めています。

    このうち大阪にあるバイオベンチャー企業のアンジェスは、国産ワクチンとしては最も早い2020年6月に臨床試験を始め、12月からは対象者を500人に増やして臨床試験を続けています。

    この会社は、ウイルスそのものではなく遺伝子を使ったワクチンの一種「DNAワクチン」を開発していて、投与することで体の中でウイルスを攻撃する抗体を作る仕組みです。

    また大阪に本社がある製薬大手、塩野義製薬は12月16日、214人を対象に臨床試験を始めました。

    開発しているのは「組み換えたんぱく質ワクチン」というタイプで、遺伝子組み換え技術を使ってウイルスのたんぱく質の一部だけを人工的に作って投与し、体の中で抗体を作り出します。

    ただ日本で行う臨床試験には課題があり、欧米や南米などと比べると感染者の数が少なく、臨床試験に参加した人が感染する可能性が各国に比べると低いため、ワクチンの効果を確かめるのは難しいと指摘されています。

    また、今後海外メーカーのワクチンが国内で広く接種されるようになると、感染者の数がさらに少なくなったり、多くの人が免疫を持ついわゆる「集団免疫」の状態に近づいたりして、臨床試験で予防効果を確認する難しさが増すのではないかという指摘もあります。

    このため国内で医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構は、国内で少人数を対象に行う初期段階の臨床試験を終えたあとは、海外で大規模な臨床試験を行うことも選択肢の1つだとしています。

    (2020年12月28日時点)

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    誰でも接種していい?

    Q.
    既往歴のある人は?WHOの見解(2021年1月13日時点)
    A.

    アレハンドロ・クラビオト氏
    「確かなのは、ほかのワクチンで重篤な反応、アレルギー反応を起こしたことがある人は、受けるべきではないです。食べ物やほかのものに対するアレルギーがある人については、避ける必要はありません。しかし、ワクチン接種は、受けた人が重いアレルギー症状を起こした場合、効果的に、直ちに治療を行える場所で行うべきだと勧告します」

    予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏
    「基礎疾患のある人、つまり心臓や肺の病気を抱えている人、糖尿病の人や肥満の人は、新型コロナウイルスに感染した場合、ほかの人よりも高いリスクがあることがわかっています。こうした病気を抱えている人は、接種してほしい人たちです。妊娠している女性にどのような影響を与えるのかどうかに関してはデータはありませんが、強調したいのは、これらのワクチンが妊婦や胎児に有害かもしれないということを信じる理由はないということです。妊娠している女性で上であげられた高いリスクのあるグループに属する人たち、特に医療従事者の場合には、接種をする側の人々と話し合い、リスクが高いと判断するのであれば、接種することにしていいと思います。HIV感染者の人は接種を受けるべきだし、新型コロナウイルスに感染することで重症化するリスクの高い人は、だれもが接種を受けるべきです」

    (2021年1月13日時点)

    Q.
    感染から回復した人も接種すべき?WHOの見解(2021年1月13日時点)
    A.

    アレハンドロ・クラビオト氏
    「PCR検査、抗原検査で陽性になった人も、ワクチン接種から除外すべきではありません。一度感染した人がどのくらいの期間、再び感染しないのかはまだわかりません。1月6日に発表されたデータでは8か月までは感染しないとありましたが、ワクチンの接種から除外すべきではありません。一方で、一度感染した人自身が、まずは高齢者が優先的に受けるべきだと考え、自分が接種を受けるのは待つというのであれば、それはそれぞれが判断すべきことです」

    予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏
    「ワクチン接種は世界で始まったばかりで、各国はまず、最も優先させるべき人たちから接種を始めています。すでに感染したことのある人は、少なくとも今後6か月間、再び感染する可能性は極めて低いでしょう。ただ、WHOとしては、1度感染した人を、接種の対象外にしたり、感染したことがあるという理由で遅らせたりすることは勧めません」

    (2021年1月13日時点)

    Q.
    ファイザーなどのワクチンについては対象は16歳以上だということだが、15歳以下の子どもたち、赤ちゃんはどうすればいい?WHOの見解(2021年1月13日時点)
    A.

    予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏
    「臨床試験は16歳に満たない人たちは除外されましたが、今、12歳から16歳までの子どもたちへの効果を見ようという研究が進んでいます。ですので、将来的には、情報が出てくるはずです。諮問委員会としては、データがないので、16歳に満たない人は接種を受けないよう推奨しています。しかしWHOとしては、状況に応じて、ワクチンの接種の従事者が、持病がある子どもについて、家族と相談し、新型コロナウイルスに感染することで非常に深刻な病状に陥るリスクがある可能性がある場合には、接種を受けることを選択してもいいと思います。ただ、推奨はしていません。いかなる環境でも、はいどうぞ、と言っているわけではありません」

    (2021年1月13日時点)

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    変異ウイルスには?

    Q.
    変異ウイルスへのワクチンの効果 WHOの見解は?(2021年1月13日時点)
    A.

    予防接種部門統括 キャサリン・オブライエン氏
    「ワクチンは、開発や試験の中で複数の異なる変異株に対しても効果があるかどうか、評価されました。ウイルスは常に変化するものです。それはウイルスにとって自然なことです。問題は、ウイルスの変異が、病気そのものや治療方法、もしくはワクチンに影響を及ぼすかどうかです。世界各地で感染の広がりが懸念されている複数の変異株が確認されています。すでに開発されたワクチンの効果にも影響を与えるものかどうかは、今検証しているところです。しかし強い自信を持って言えるのは、すでにあるワクチンの接種をできるだけ早く進める必要があるということです。こういった変異は、ワクチンの効果を変えるものではないものだと考えられています」

    (2021年1月13日時点)

    Q.
    ファイザーのワクチン 効果は?(2021年1月9日時点)
    A.

    アメリカの製薬大手ファイザーは1月8日、ドイツの企業と開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、イギリスと南アフリカで見つかった変異したウイルスに対しても効果があることを示す実験結果が得られたと発表しました。

    それによりますと、実験では、新型コロナウイルスがヒトの細胞に感染する際に重要な役割を果たす「スパイクたんぱく質」と呼ばれる部分の一部がイギリスや南アフリカのものと同じように変異したウイルスを人工的に作り、使いました。

    そしてファイザーのワクチン接種を受けた人の血液を使って、このウイルスが中和されるかどうか調べたところ、従来のウイルスと同等の結果が示されたということです。ファイザーは、イギリスと南アフリカの変異ウイルスに共通して起きている変化は「ワクチンに対する耐性につながっていないことを示す結果だ」としています。

    そのうえで、今回の結果は研究室での実験によるもので、まだ外部の専門家による検証を受けておらず、変異したウイルスに対するワクチンの有効性については引き続き調べる必要があるとしています。

    (2021年1月9日時点)

    Q.
    モデルナのワクチン 効果は?(2021年1月26日時点)
    A.

    アメリカの製薬会社モデルナは1月25日、モデルナのワクチン接種を受けた人の血液などを使って、イギリスと南アフリカで見つかった変異ウイルスにワクチンが、どのくらい効くか調べ、いずれのワクチンも効果を示す結果が得られたと発表しました。

    ただ、イギリスの変異ウイルスに対しては、ワクチンが作り出すウイルスの働きを抑える抗体の値に目立った変化は見られなかった一方、南アフリカの変異ウイルスに対しては、抗体の値がおよそ6分の1に減少したということです。

    モデルナは、いずれの抗体の値も必要なレベルを上回っていて効果はあるとしながらも、南アフリカの変異ウイルスについては、追加のワクチン接種が効果を高めるかどうか確かめる試験を行うほか、このウイルスに対応できる新たなワクチンの臨床試験も始めるとしています。

    (2021年1月26日時点)

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    集団免疫とは?

    Q.
    集団免疫、どういう状態?(2021年1月19日時点)
    A.

    ウイルスや細菌などに対し、人口の一定以上の割合が免疫をもつと、感染者が出てもほかの人への感染が減って流行しなくなる「集団免疫」という状態になります。

    一方、感染症の種類によって集団免疫に必要なワクチン接種の割合は異なります。

    また、ワクチンによっては重症化を防ぐ効果があっても感染を防ぐ効果に乏しく、多くの人が接種しても集団免疫の効果が得られないこともあるということです。

    新型コロナウイルスのワクチンについては、集団免疫の効果が得られるかはわかっていないとしています。

    (2021年1月19日時点)

    Q.
    集団免疫獲得の見通しは?WHOの見解(2021年1月12日時点)
    A.

    WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスのワクチンの接種をめぐって、世界の多くの人が免疫を持つことで感染が広がりにくくなる、いわゆる「集団免疫」の状態をことし中に獲得することは難しいという認識を示しました。

    WHOの主任科学者、スワミナサン氏は1月11日の定例の記者会見でワクチンを広く世界に行き渡らせるにはまだ時間がかかるとした上で「世界がことし『集団免疫』を獲得できる水準には届かない」と述べました。

    「集団免疫」の状態になることについて、WHOは1月7日の会見で、正確には分からないものの世界の人口の70%を超える人がワクチンを接種する必要があるという見方を示していました。

    スワミナサン氏は一部の国だけで免疫を持つ人が増えても世界全体の人々を守ることにはつながらないとして、引き続き、感染対策を徹底することが重要だと呼びかけました。

    (2021年1月12日時点)

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