ウイルス検査 体制整備は

新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる「PCR検査」と「抗原検査」、過去に感染していたかどうかが分かる「抗体検査」。検査体制の整備は進んでいるのでしょうか。

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    抗原検査キット 一日100万回分以上確保の見込み 厚生労働相(2/18)

    2022年2月18日

    供給不足が課題となっている新型コロナの抗原検査キットについて、後藤厚生労働大臣は、これまでに一日当たり100万回分以上を確保できる見込みになったと明らかにしました。

    新型コロナウイルスの感染拡大で検査への需要が増える中、自宅でも検査できる抗原検査キットの供給不足が課題となっていることから、厚生労働省はメーカーに、当面一日80万回分までの増産や輸入を要請するなどの取り組みを続けてきました。

    後藤厚生労働大臣は、2月18日の記者会見で「最大限の取り組みを行った結果、一日当たり100万回分以上の生産・輸入を確保できる見込みとなった」と明らかにしました。

    そして「今週以降、需給状況が相当程度改善していく見込みだ」と述べました。

    また、検査キットの購入を希望する医療機関と、医薬品の卸売り業者をつないで、個別に対応する仕組みを新たに設け、2月18日から医療機関の申請の受け付けを始めたと説明しました。

    そのうえで「引き続き医療関係者、自治体、メーカーや医薬品の卸売り業者と密接に連携しながら、検査ニーズに応えられるように全力で取り組みたい」と述べました。

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    新型コロナPCR検査 ソフトバンクGが移動式の車両を開発(2/7)

    2022年2月7日

    新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、ソフトバンクグループの子会社が、PCR検査を実施できる専用車両を開発しました。今後、小学校の集団検査や大規模なイベント会場などでの活用を目指すということです。

    専用車両を開発したのは、現在、事業として全国2か所でPCR検査を行っているソフトバンクグループの子会社で、2月7日、報道機関向けに車両を公開しました。

    3トントラックを改造し、荷台の部分にPCR検査の専用機器を置いています。

    検体に付着したウイルスが車の外に出ないよう特殊なフィルターを使った換気装置も取り付けています。

    スタッフ2人が乗り込み、1日に最大370件余りの検査が可能で、最短で2時間半後に結果がわかるとしています。

    2021年12月の政府の規制改革推進会議の中間取りまとめでは、車を使った移動式のPCR検査を、自治体をまたぐ形で実施できるよう規制を緩和する方針が盛り込まれています。

    会社では、こうした規制緩和などの動向もみながら小学校の集団検査や大規模なイベント会場などでの活用を目指すとしています。

    SB新型コロナウイルス検査センターの池田昌人社長は「検査に必要な試薬も長期にわたって確保できており、安価な料金でサービスを提供したい」と話していました。

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    新型コロナ抗原検査キット メーカーでは増産の動き進む(2/7)

    2022年2月7日

    新型コロナウイルスの感染の急拡大で抗原検査キットの不足も指摘される中、メーカーの間では増産の動きが進んでいます。

    製造量2倍以上に増加目標も

    抗原検査の需要が高まり検査キットの不足も指摘される中、厚生労働省が1月、増産を要請したこともあって各地のメーカーでは対応が進んでいます。

    静岡県伊豆の国市にある医療用の抗原検査キットのメーカーも2月7日から本格的な増産体制に入りました。

    通常の日中の時間帯に加えて夜8時から早朝4時半まで操業するほか、土曜日も工場を動かすことで製造量を2倍以上に増やすことを目標にしています。

    工場では、従業員がキットを組み立てる機械の状況を確認したり検品や包装などの作業に当たったりしていました。

    増産の継続に向けて、このメーカーでは工場で働く人の数を当初の90人の2倍程度にまで増やす計画でハローワークや派遣会社を通じて臨時の募集を進めています。

    抗原検査キットメーカー「タウンズ」の野中雅貴社長は「検査キットに対する需要は第5波のときと比べてもはるかに高い水準となっています。人員を拡充して体制を整え、感染拡大防止に少しでも役に立てるよう頑張りたいです」と話していました。

    増産メーカーでは課題も

    すでに抗原検査キットの増産を始めているメーカーの中には課題を感じているところもあります。

    大分県宇佐市の抗原検査キットのメーカーは、1月上旬から工場の稼働時間を午後11時まで延長するとともに休日も操業して増産を進めています。

    これに伴いハローワークなどを通じて人材を募集していますが、夜間という勤務条件もあって思うように集まっていないということです。

    別の部署やグループ会社から応援に入ってもらっていますが、確保できたのは当初目指していた25人程度に対し20人程度だということです。

    こうしたこともあって、以前より5000回分多い一日最大2万5000回分のキットを製造するという目標を達成できない日もあるということです。

    また24時間操業が可能かどうかの検討もしましたが、現時点では見通しは立っていないということです。

    さらに国の買い取り保証はあるものの今後の感染動向が不透明な中で、いつまでどの程度の増産をすべきか見通しが立たず、人材募集の際の条件の決め方や材料を入荷する計画の立て方も難しいということです。

    アドテック株式会社営業企画課の森若専太課長は「工場の立地場所が人口の多い地域ではないので、そもそも人が集まりづらく条件にあった方を多く雇うことが難しい状況が続いています。過去の経験から抗原検査キットは感染が収まると急に需要がなくなるので、メーカーとしては準備や対応が難しいです」と話しています。

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    “在日米軍 出入国時は「抗原定性検査」実施と説明” 官房長官(2/1)

    2022年2月1日

    在日アメリカ軍の出入国時の検査をめぐり、松野官房長官はウイルスの量が一定以上ないと検出感度は低くなるとされ、日本の検疫では用いられていない「抗原定性検査」を行っているとアメリカ側から説明があったことを明らかにしました。

    在日アメリカ軍は、施設区域などで新型コロナの感染が拡大したことを受け、2021年12月から兵士らの出入国時の検査を再開しています。

    在日アメリカ軍の検査方法について、松野官房長官は閣議のあとの記者会見で「在日米軍からは、PCR検査または抗原検査を採用しているのは、CDC=疾病対策センターや国防総省の指針に従ったもので、いずれの指針でも抗原検査は『抗原定性検査』のみとなっているとの回答があった」と述べました。

    そのうえで、記者団から在日アメリカ軍の対応はPCR検査と「抗原定量検査」を用いている日本の検疫と整合的でないのではないかと指摘されたのに対し、松野官房長官は「日米合同委員会のもとに新たに設置された『検疫・保健分科委員会』でさらに議論を深めていく」と述べ、日本の検疫措置に一層沿った対応が取られるよう、アメリカ側と協議を続けていく方針を示しました。

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    濃厚接触者 検査なしでも医師が感染と診断可能に 厚労相(2022/1/24)

    2022年1月24日

    新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、後藤厚生労働大臣は、自治体が判断すれば、感染者の濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合、検査を受けなくても、医師が感染したと診断できるようにする方針を明らかにしました。

    新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、後藤厚生労働大臣は1月24日夜、記者団に対し、医療提供体制を確保するため、自治体の判断で、現在の外来診療の在り方を見直すことができるようにする方針を明らかにしました。

    具体的には、診療や検査を受けるのに時間がかかる場合は、
    ▽発熱などの症状があっても、若くて基礎疾患がないなど、重症化リスクが低い人は、抗原検査キットなどを使って、みずから検査したうえで医療機関を受診することや、
    ▽電話やオンライン診療などの遠隔医療の積極的な活用を、呼びかけるとしています。

    また、感染者の濃厚接触者に発熱などの症状が出た場合、検査を受けなくても、医師が感染したと診断できるようにするとしています。

    さらに、外来医療のひっ迫が想定される場合は、症状が軽く、重症化リスクが低い人は、医療機関を受診せずに、みずから検査した結果をもとに、医師が配置されている自治体の「フォローアップセンター」に連絡し、速やかに健康観察を受けることができるとしています。

    そのうえで、後藤大臣は「今後、感染者がさらに継続して急拡大した場合に備え、地域の判断で、迅速に、患者を適切な検査や療養につなげるための対応が実施できるよう、方針を示した。自治体や医療関係者と密接に連携し、患者の状態などに応じた適切な療養を確保できるよう、全力で取り組んでいきたい」と述べました。

    厚生労働省は、全国の自治体などにこうした内容を通知することにしています。

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    「オミクロン株か1日以内に判別」都が独自の検査手法を確立(2021/12/7)

    2021年12月7日

    東京都が独自に確立した新型コロナの新たな変異ウイルス、オミクロン株の検査は、1日以内に判別することができます。

    この検査を確立した都の研究機関の所長がNHKのインタビューに応じ「新しい株が日本で広がる前に、早めに手を打つことができるのがいちばん大きい利点だ」と述べ、検査の意義を語りました。

    都の研究機関「東京都健康安全研究センター」は、新たな変異ウイルスオミクロン株を判別できる独自の検査手法を確立し、先週から実際に持ち込まれた検体でこの検査を始めています。

    検査では、まず、現在、国内の新型コロナウイルスのほとんどを占めているデルタ株が持つ「L452R」の変異があるかどうかを調べます。

    「L452R」の変異が見つからなければ、つまり、デルタ株でなければ、こんどは「E484A」の変異などオミクロン株の特有の変異があるかどうかを調べます。

    今回、この「E484A」の変異の有無を調べる試薬を新たに開発できたことで、独自のPCR検査が可能になりました。

    このPCR検査だと、結果は1日以内で判明するということで、ウイルスの遺伝子の情報をすべて調べて、オミクロン株かどうかを確定させる遺伝子解析よりも、大幅に時間を短縮することができます。

    「東京都健康安全研究センター」の吉村和久所長は12月7日、NHKのインタビューに応じ、今回、独自に確立したPCR検査の意義を語りました。

    吉村所長は「今、日本では感染者がかなり減っている。新しい株が日本に広がる前に、早めに手を打つことができるのがいちばん大きい利点だ。広がったあとに手を打つと、人的にも資源的にもロスが大きいが、疑いがある患者や濃厚接触者を早期に囲い込むことができれば、保健所の担当者などの負担がかなり軽減できる。それがいちばん期待できるのではないか」と述べました。

    また「今、何が起こってるかを正確に知ることが、このような状況ではいちばん重要だ。どういう株がはやっていて、その株がどういう特徴を持っているか、現時点で分かっていることを把握することが、安心感につながるのではないか」と述べました。

    そのうえで、オミクロン株について「ワクチン接種で重症化をたぶん防げるだろうと考えている。ただ、感染者が増えると重症者が増えるので、感染の広がりを防ぐことがいちばん重要だ。そのためにワクチン接種やマスクの着用、手洗いを続けることはこれまでの株と変わらない。感染を防ぐためにいちばん有効で、こうした対策を続けていくことが重要だ」と指摘していました。

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    抗原検査キットのネット購入一部解禁へ 飲食店など対象(12/7)

    2021年12月7日

    短時間で新型コロナへの感染の有無を調べられる抗原検査キットについて、政府は、感染対策で第三者の認証を受けている飲食店やイベント業者などを対象に、年明けにも、原則禁じられているインターネットでの購入を認める方針を固めました。

    新型コロナへの感染を短時間で調べられる抗原検査キットの購入をめぐっては海外では一般の人がインターネットで購入することができる一方、国内では、法律で薬剤師による対面での説明が必要なことなどから一般の人と、一部の例外を除く事業者はネットを通じての購入はできないことになっています。

    政府は、新型コロナの第6波や今後の経済社会活動の活発化に備え、ネットでの購入を解禁すべきだという意見が出ていることから、感染対策で第三者の認証を受けている飲食店やイベント業者などを対象に、年明けにもネットでの購入を認める方針を固めました。

    一方、一般の人については、政府内で「確実に医療機関を受診してもらうために、ネット購入は認めないほうがいいのではないか」という意見もあることから、引き続き、検討を進めることにしています。

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    コロナ検査体制 どう拡充する? まだ活用が十分でない検査法も(11/15)

    2021年11月15日

    今後の新型コロナウイルスの対策では検査の有効活用を進めていく必要があるとされていますが、一方で、検査体制の拡充には課題もあります。

    専門家はPCR検査や抗原検査など、さまざまな検査方法を活用して、気軽に検査を受けられるよう体制を整える必要があると指摘しています。

    新型コロナウイルスの第6波に備え、11月12日、政府は対策の全体像を決定し、ワクチンを接種できない人などを対象に、2022年3月まで、予約しなくても無料のPCR検査などを受けられるようにすることを挙げています。

    また「ワクチン・検査パッケージ」の導入で、これまでよりも検査の需要は高まるとみられています。

    全国の企業や自治体などから自費でのPCR検査を受け付けている検査会社の1つでは、一日の検査能力を2万1000件と想定していましたが、第5波のピーク時には一日に2万5000件の検査を行ったということです。

    感染状況が落ち着いた10月以降も、陰性確認のための依頼が続き、多い日で一日に2万件近くの検査を行っているということです。

    会社では、今後の検査需要の拡大を見込んでいますが、検査の精度を保つためにはスタッフの育成などに時間がかかるため、すぐには対応するのは難しいということです。

    検査会社の池田昌人社長は「ワクチン・検査パッケージや検査の無料化で、個人からの依頼も増えると考えられるが、具体的にどれだけ増えるのか予測が難しく、どういう体制を取るべきか分からず悩ましい。政府から、具体的にどれぐらいの検査の量を想定しているか示してほしい」と話していました。

    「PCR検査以外の検査法も有効に活用を」

    これについて、新型コロナの検査体制に詳しい東海大学の宮地勇人教授は、PCR検査は高度な技術が必要で、急な体制拡充は難しいと指摘したうえで、PCR検査以外の検査法も有効に活用していくべきだとしています。

    宮地教授によりますと、ウイルスのたんぱく質の量を専用の装置で測定する「抗原定量検査」と呼ばれる検査法は、PCR検査などと同様に精度が高いということですが、活用されているのは空港検疫など一部にとどまっているということです。

    宮地教授は、「抗原定量検査は、医療関係者の中でもPCR検査ほどは認知されず、宝の持ち腐れのようなケースもある。また、症状がある人なら薬局で販売されている迅速検査キットも活用できる。さまざまな検査資源を有効活用して、誰もが気軽に検査を受けられる体制作りを急ぐべきだ」と話しています。

    「抗原定量検査」まだ十分に活用されず

    新型コロナウイルスの検査の1つ「抗原定量検査」は、精度の高い検査結果が短時間で得られるとされていますが、検査会社によりますと、まだ十分に活用されていないということです。

    大手検査会社「エスアールエル」は、主に医療機関や自治体から依頼を受けていて、川崎市にある検査場では、PCR検査は一日に3000件、抗原定量検査は一日に1万5000件の検査を行うことができるということです。

    会社によりますと、PCR検査は結果が出るまでにおよそ2時間程度かかるのに対して、抗原定量検査は30分ほどで結果が出る上に工程がほぼ自動化されているため、偽陽性など判定ミスも起こりにくく、費用もPCR検査の半額以下だということです。

    しかし、現在、依頼される検査の多くはPCR検査で、抗原定量検査は空港の検疫などでは使われているものの、一般の検査ではあまり使われていないということです。

    この会社では、感染拡大の第5波で検査数が急増した8月16日から29日までの間、PCR検査はフル稼働だったのに対し、抗原定量検査は5%程度にとどまっていたということで、2021年6月に増設した抗原定量検査の装置も現在は、ほぼ稼働していないということです。

    「エスアールエル」の小見和也取締役研究開発本部長は「抗原定量検査は大量の検査に適しているが、新型コロナ検査というとPCR検査と思われたり、精度が比較的低い『抗原定性キット』と同列に扱われたりして、有用性を十分に認識してもらえていない。もし、今後も検体が増えない場合は体制の縮小を含めて検討せざるを得ない」と話していました。

    新型コロナの検査 それぞれの違いは

    新型コロナウイルスの検査には、
    ▽PCR検査などの「核酸検出検査」、
    ▽「抗原定量検査」、
    ▽「抗原定性検査」(抗原検査キット)の主に3つのタイプがあります。

    それぞれ特徴があり、厚生労働省や国立感染症研究所などでは状況に応じて適切に使うよう求めています。

    【核酸検出検査(PCR検査)】
    「核酸検出検査」は、鼻やのどの奥の粘液やだ液などに含まれるウイルスの遺伝子の一部を人工的に増幅させて検出する検査法です。

    このうち、PCR検査は最も感度が高いとされていますが、遺伝子の増幅や検体処理の手順があるため、結果が出るまでに1時間から3時間程度の時間がかかるとされています。

    厚生労働省によりますと、国内のPCR検査の体制は11月11日時点で一日当たり行政検査向けがおよそ25万件、自費検査向けがおよそ10万件だということです。

    【抗原定量検査】
    抗原定量検査は、新型コロナウイルスに特徴的なたんぱく質を専用の装置で測定するもので、検査時間が30分程度と短いのが特徴です。

    PCR検査と同じく検査の精度は高いとされ、症状がある人でも、無症状の人でも確定診断に使うことができるとされています。

    東京オリンピック・パラリンピックの選手団への陰性確認のための検査でも使われたということで、現在も主に空港検疫で使われています。

    厚生労働省よりますと、国内での検査能力は11月10日時点で、一日当たりおよそ7万7000件だということです。

    一方で、新型コロナウイルスの検査体制について詳しい東海大学の宮地勇人教授によりますと、抗原定量検査の装置自体は全国の多くの医療機関で別の検査のために使われていることから、潜在的には一日当たり30万件程度まで増やすことができる可能性があるということです。

    【抗原定性検査】
    抗原定性検査は、「抗原検査キット」を使うことで専用の装置が必要なく、鼻やのどの奥などの粘膜を採取すれば、30分程度で結果がでます。

    症状がある人が陽性になった場合などでは、新型コロナの確定診断に使うことができますが、ウイルスの量が一定以上ないと検出感度は低くなるとされ、症状がない人には推奨されていません。

    ただ、手軽に使えて自分でも検査が行えることから、医療機関や介護施設などで感染拡大を防ぐために幅広く検査を行う際には有効な手段になり得るということです。

    2021年9月からは、国が一般の人向けの「医薬品」として承認した抗原検査キットは調剤薬局での販売が認められています。

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    抗原検査キット 一般向けネット販売に向け規制緩和策検討へ(11/15)

    2021年11月15日

    牧島規制改革担当大臣は新型コロナの第6波や今後の経済社会活動の活発化に向けて抗原検査キットを誰もが手軽に入手できるよう、法律で禁じられている一般向けのインターネット販売などを可能にするための規制緩和策を検討していく考えを示しました。

    新型コロナウイルスの抗原検査キットをめぐっては、海外では一般の人もインターネットで購入することができる一方、国内では薬局で薬剤師が対面で指導したうえで販売しなければならないと法律で定められていることから利便性の向上を求める声が出ています。

    こうした中、牧島規制改革担当大臣は11月15日、東京 八王子市にある検査キットの製造会社を視察し、担当者から現在の規制を緩和し、より手軽にキットを入手できる方法を検討してほしいなどといった要望を受けました。

    視察のあと牧島大臣は記者団に対し、新型コロナウイルスの第6波に加え、今後の経済社会活動の活発化で陰性証明を求められる機会が増えることが予想されることなどから、インターネットやコンビニエンスストアで販売を可能にするための規制緩和策を検討していく考えを示しました。

    牧島大臣はこうした内容を11月17日に開かれる規制改革推進会議のワーキンググループで議論する方針です。

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    新型コロナ 抗原検査キット 薬局で販売始まる(10/8)

    2021年10月8日

    新型コロナウイルスの抗原検査キットの販売が一般の人向けにも認められたことを受け、都内の薬局では検査キットの販売が始まっています。

    抗原検査キットは15分から30分程度で結果がわかるのが特徴で、厚生労働省は国の承認を受けた製品についてこれまで医療現場などに限って使用を認めていましたが、一般の人が自宅などでみずから検査を行えるように先週、薬局での販売を認めました。

    東京 西東京市の薬局には、10月8日朝、卸会社から検査キットが届き、検査に用いる綿棒や検体抽出液などを取りだして1人分ずつ包装したあと、販売開始を知らせる貼り紙を掲示していました。

    抗原検査キットの販売にあたっては、正しい方法で鼻から検体を採取することや、ウイルスの量が少ない場合は感染していても陽性とならない可能性があることなどの注意点を薬剤師が説明する必要があり、この薬局では、販売に先立ってメーカーの担当者を招いて研修を行ったということです。

    薬局を訪れた40代の男性は「抗原検査には限界もあり、マスク着用などの感染対策がまずは大切だと思いますが、地元で買える選択肢が増えたのはありがたいです」と話していました。

    田無本町調剤薬局の薬剤師、磯部紀子さんは「陽性結果が出た場合は医療機関の紹介ができるよう準備もしているので、住民の皆様がスムーズに医療につながれるようになればと思います」と話していました。

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    抗原検査キットを配布 小学生以下の子どもがいる家庭に 神奈川(10/4)

    2021年10月4日

    新型コロナウイルスの再度の感染拡大を防ぐため、神奈川県は30分程度で結果が分かる抗原検査キットを、小学生以下の子どもがいる家庭に対して配布する取り組みを始めました。

    この取り組みは、発熱などの症状がある人に自宅を出る前に検査してもらうことで、感染した人の外出を防ぐのがねらいです。

    対象はワクチンを打つことができない小学生以下の子どもがいる家庭で、保育園や小学校を通じ、9月からおよそ77万人分の配布を始めています。

    県が、2021年5月から6月にかけて県民およそ14万人を対象にアンケート調査を行ったところ、およそ30%の人が発熱やせきなどの症状があっても医療機関を受診せず、仕事や学校に行くと回答しました。

    一方、7月末から8月に抗原検査キットを4万人に配布して調べたところ、陽性の反応が出た人のうち、88%が医療機関を受診し、98%は外出を控えたということで、県はキットを活用することで、第5波で相次いだ保育園や小学校でのクラスターを防ぎたいとしています。

    県のコロナ対策を指揮する医師の阿南英明統括官は「症状があったら医療機関を受診すべきなのは、みんな分かっているが、現実には、なかなか休めず、医療機関に行くのは敷居が高い。抗原検査キットを使うことで、家で調べて陽性だったら学校や職場に行かないで医療機関に行くというふうに行動変容を促したい」と話していました。

    検査キットで陽性の高校生 登校せず病院へ

    抗原検査キットを使って自宅で感染が分かったため、外出を控えたという人もいます。

    神奈川県内の高校2年の女子生徒は2021年7月、発熱や関節の痛みを感じたため、県が試験的に配っていた抗原検査キットで調べたところ陽性の反応が出ました。

    このため登校を取りやめ、医療機関を受診して陽性の診断を受けたということです。

    女子生徒は「病院で感染するリスクもあると思うので、病院に行くのは少し抵抗がありました。このときも、しばらくしたら一度、熱が少し下がったので、キットがなかったら、たぶん解熱剤を飲んで翌日は学校に行ってしまったと思います。もしかしたら感染を広げてしまったかもしれないので、検査ができてよかったです」と話していました。

    母親は「娘とはLINEでやり取りをして、自分の部屋から出るときはマスクをしてアルコール消毒を徹底しました。もし検査キットがなかったら病院を受診するまですごく不安だったと思います。みんながちょっと心配なときには、キットで検査をして感染が広がらないような行動につながればいいと思います」と話していました。

    保育園で検査キット配布

    神奈川県平塚市の「もんもん保育園」では、9月30日に抗原検査キットを園児の保護者に配布しました。

    園の保育士たちは、子どもを迎えに来た保護者にキットを手渡し「熱とか体調不良とかの症状があるときに使ってください」などと使い方を説明していました。

    受け取った父親は「乳幼児はワクチンが打てないので、熱が出たときなどに家でチェックできるのはありがたいです」と話していました。

    別の母親は「小さい子どもがいると病院に行くのはハードルが高いので、自宅で調べられるのは助かります」と話していました。

    この保育園では、これまで園児や職員の感染は確認されていないものの、発熱などの症状が出た園児や保育士が、すぐに医療機関の予約が取れず、検査までに何日もかかることがあったといいます。

    高野洋奈園長は「最終的には医療機関を受診してもらう必要がありますが、まず検査をしてもらえば安心できますし、園としても準備ができるのでありがたいです」と話していました。

    偽陰性と未承認キットに注意を

    抗原検査キットは9月27日から薬局での販売が特例的に認められ、一般の人も購入することができるようになりました。

    鼻に綿棒を入れて検体を採取し、検査を行うと15分から30分程度で結果が分かります。

    ただ、症状が出ておらず、ウイルスの量が少ない場合、感染しているにもかかわらず陰性の結果が出る「偽陰性」リスクがあるということです。

    また、陽性となった場合は医療機関の受診が必要です。

    県のコロナ対策を指揮する医師の阿南英明統括官は「陰性を確認するために使うのは勧めない。症状があっても陰性だった場合は、少なくとも翌日もう1回検査をしてほしいし、検査が陰性でもほかの病気の可能性もあるので、なるべく医療機関を受診してほしい」と呼びかけています。

    そのうえで、通販サイトなどで国の承認を受けていない抗原検査キットが販売されているとして「国が認めたものは、薬剤師が対面で使い方を説明して販売することになっている。必ず基準をクリアしたものを使ってほしい」と呼びかけています。

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    “コロナ抗原検査キット 職場でも積極的な活用を” 西村大臣(6/29)

    2021年6月29日

    新型コロナウイルス対策をめぐり西村経済再生担当大臣は、感染者を早期に見つけられるよう、職場でも、一定の条件のもとで、抗原検査キットを使用できるようにしたとして、積極的な活用を呼びかけました。

    西村経済再生担当大臣は、閣議のあとの記者会見で、高齢者施設などに配布している新型コロナウイルスの抗原検査キットについて、大学や高校などにも80万回分を配布する方向で調整を急ぐ考えを示しました。

    そのうえで、感染者を早期に見つけられるよう、職場でも、医療機関と提携し、検査方法を習得した人が立ち会うなどの条件のもとで、抗原検査キットを使用できるようにしたとして「密になりがちな近い距離で作業する現場や、共同生活をすることもある業態や業種はぜひ活用してほしい」と述べ、積極的な活用を呼びかけました。

    また、西村大臣は、無症状の人を対象に行っている大規模なPCR検査で、陽性者の半分を30代以下が占めているとして、今後、首都圏や大阪などの都市部の若い世代に対し、重点的に検査を進めていく方針を明らかにしました。

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    “自治体の大規模接種にファイザーのワクチン活用を” 自民(6/29)

    2021年6月29日

    新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、自民党の作業チームは、モデルナのワクチンの配送が追いついていないとして、申請の受け付けを一時休止した自治体の大規模接種で、ファイザーのワクチンの活用を政府に求めることなどを確認しました。

    新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐり、自民党の作業チームなどは合同の役員会を開き、モデルナのワクチンの配送が追いついていないとして、申請の受け付けを一時休止した自治体の大規模接種や職域接種への対応を協議しました。

    そして、自治体の大規模接種について、医療機関などでの接種のため配送されたものの使われていないファイザーのワクチンの活用を政府に求めることを確認しました。

    また、接種後、極めてまれに血栓が生じるリスクがあると指摘され、厚生労働省が当面、公的な接種に使わないとしているアストラゼネカのワクチンについても、専門家に意見を聴いたうえで、活用できないか検討を促すことになりました。

    作業チームなどは今週中にも、河野規制改革担当大臣らに申し入れることにしています。

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    5分以内で新型コロナウイルス検出 理研などが新たな検査法開発(4/19)

    2021年4月19日

    理化学研究所などのグループがガラスの板に大量にあけたごく小さなくぼみの中で検体を反応させることで新型コロナウイルスを5分以内で検出できる新しい検査法を開発したと発表しました。

    これは理化学研究所の渡邉力也主任研究員と東京大学などのグループが発表しました。

    新たに開発されたこの検査法は、顕微鏡レベルの加工技術を駆使してガラスの板の表面に1平方センチメートル当たりおよそ100万個に上る極めて小さなくぼみを作り、その一つ一つの中で新型コロナウイルスの遺伝子が含まれた検体と遺伝子があると光を発する特殊な試薬を反応させるものです。

    通常、検体に含まれるウイルスの量は少ないため、これまでのPCR検査では遺伝子を大量に増幅してから反応を調べる必要がありましたが今回の技術では、ごく小さなくぼみごとに反応を検出できるため、ウイルスの量が少なくても検査ができるということです。

    PCR検査では結果がでるまで1時間以上かかりますが、この検査法では5分以内で検出できるということで、グループでは数年以内の実用化を目指すということです。

    理化学研究所の渡邉主任研究員は「複雑な工程が必要ないため実用化できれば医療機関などで簡単、迅速に検査ができる。感染者のスクリーニングにも利用できるはずだ」と話しています。

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    100余の新型コロナ変異ウイルス 同時に判別可能な技術を開発(4/19)

    2021年4月19日

    感染拡大が懸念される新型コロナウイルスの変異ウイルスについて、東邦大学などのグループは、タイプが異なる100余りの変異ウイルスを1回の検査で判別できる技術を開発しました。

    この技術は、感染症学が専門の東邦大学の舘田一博教授や国内のメーカーなどで作るグループが共同で開発したもので「π(パイ)コード法」と呼ばれています。

    直径100分の4ミリメートルほどの、ごく小さな円盤に変異ウイルスに特有の遺伝子に反応して光を放つ試薬を添加し、検体と混ぜて光るかどうかで判定します。

    試薬の違う円盤を複数、同時に使うことで、さまざまなタイプの変異ウイルスを一度に検出できるということで、理論上は100余りの変異を同時に調べられるということです。

    円盤の表面にはバーコードのような模様が貼り付けられていて、専用の装置で読み取ることで、どの円盤が光っているかを自動で判別できるということです。

    グループが行った実験では、イギリスで最初に確認された変異ウイルスや南アフリカで広がった変異ウイルスなど、実際の変異ウイルスを同時に検出できたということです。

    舘田教授は「変異ウイルスの状況がさらに複雑化し、いずれは、さらに多くの変異を速やかに検出する必要が出てくるかもしれない。こうした技術の開発を進めておくのは重要だ」と話しています。

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    PCR検査結果をアプリで確認 全日空が空港で実証実験 国内初(3/29)

    2021年3月29日

    新型コロナウイルスの影響で制限を受けている国境を越えた移動の再開につなげようと、全日空は、飛行機に搭乗する際、スマホのアプリで表示するデジタル証明書でPCR検査の結果を確認する実証実験を国内の航空会社では初めて行いました。

    実証実験は、世界経済フォーラムなどが開発するアプリ「コモンパス」を使って行われました。

    アプリは、指定の医療機関で受けたPCR検査の結果がスマホの画面に表示され、訪問先の入国条件を満たしていることを示すデジタル証明書の役割を果たします。

    3月29日は、羽田空港のカウンターで、全日空のニューヨーク行きの国際線を利用する2人の乗客が実験に協力し、陰性の検査結果を示すスマホの画面を航空会社の担当者が確認していました。

    このアプリは、全日空をはじめ日本航空など世界の航空会社8社が実験に協力していて、将来的には、ワクチンの接種履歴も確認できるようにして、世界共通の仕組みにすることを目指すとしています。

    世界経済フォーラムでプロジェクト長を務める慶應義塾大学医学部の藤田卓仙特任講師は「紙の証明と比べて検査結果がスムーズに確認でき信頼性も高められる」と話しています。

    全日空は、世界の航空会社が加盟するIATA=国際航空運送協会が開発するデジタル証明書のアプリについても今後、導入に向けた実証実験を行う予定です。

    ANAデジタル変革室の後藤洋部長は「国際線に搭乗するハードルが下がれば、乗客にとっても私たちのビジネスにとってもプラスになるので、導入に期待している」と話しています。

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    羽田空港から沖縄方面の利用客に大規模PCR検査 離島の感染防止(3/18)

    2021年3月18日

    医療体制がぜい弱な離島への新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国土交通省は、羽田空港から沖縄方面に向かう旅客機の利用客を対象に、大規模なPCR検査やアンケート調査を実施して、具体策を検討することになりました。

    医療体制がぜい弱とされる離島への感染拡大を防ぐため、沖縄県など一部の自治体は、来訪者にPCR検査を受けるよう呼びかけていますが、検査を受けずに訪れる人も少なくありません。

    こうした中、国土交通省は、羽田空港から沖縄の那覇空港と石垣島、それに宮古島に向かう旅客機の利用客1000人を対象に、PCR検査を受けてもらう取り組みを3月18日から始めます。

    PCR検査は任意で、指定した検査機関か郵送で、出発前に検査結果が分かるように受けてもらいます。また、沖縄に到着したあとには協力しやすい検査の方法や費用、それに検査で感じた負担や課題を尋ねるアンケート調査を実施します。

    国土交通省はこれらの結果を踏まえて、自治体や航空会社が、離島を訪れる人にPCR検査を呼びかける場合の手順や注意点をまとめた手引き書を作成するなどして、事前に検査を受ける人を増やし、感染拡大の防止につなげたい考えです。

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    新型コロナ 変異ウイルスの検査体制に課題 国への対応求める(2021/3/16)

    2021年3月16日

    全国で拡大している、変異した新型コロナウイルスへの感染。3月16日には、神奈川県がこれまでに死亡した人のうち2人が変異ウイルスに感染していたことがわかったと発表しました。

    変異ウイルスへの監視強化の必要性が指摘される中、今の検査体制に課題があることが、埼玉県への取材で明らかになりました。県は国に対応を求めています。

    埼玉 変異ウイルス検査の現状は

    埼玉県によりますと、県内では2021年1月28日に初めて変異ウイルスの感染が明らかになってから、これまでに60人の感染が確認されています。

    変異ウイルスの検査は、県の衛生研究所やさいたま市など4つの市で行われていて、PCR検査で陽性だった患者の検体を分析しています。

    1月25日に始まってから3月7日までに行われた検査は446人分で、この期間に感染が確認された6714人の6.6%と、国が求める5%から10%の目安を満たしているものの、今のままではこれ以上増やすには限界があるということです。

    検査が増えない2つの理由

    理由の1つが、条件を満たさない検体が多いことです。

    変異ウイルスの検査にかけるには一定の量のウイルスが必要ですが、個人差もあり、県が管轄している地域ではPCR検査で陽性だった検体のうち、条件を満たしているのは半数ほどだということです。

    もう1つの理由が、民間で検査する仕組みが整っていないことです。

    埼玉県内では、PCR検査全体に占める民間の検査機関の割合が圧倒的に多く、行政が行っている検査のおよそ10倍にのぼっています。

    しかし、民間の検査機関がみずから変異ウイルスの検査を行ったり行政に検体を提供したりする仕組みは整っておらず、検査の実績は少ないということです。

    県は、民間の検査機関に対して協力を要請したい考えですが、県単独では難しいとしています。

    埼玉県「国が先頭に立って進めてほしい」

    埼玉県感染症対策課の田中良明 感染症対策幹は「民間の検査機関の分の検査が進まなければ国が示す5%から10%をキープするのは難しい。国が先頭に立って進めてほしい」と話しています。

    民間の検査会社「保管ルールなく検体は4~5日で処分」

    新型コロナウイルスのPCR検査を行っている民間の検査会社では、検査後、一定期間が過ぎた検体は処分するしか無いということです。

    埼玉県川越市に研究拠点がある大手検査会社「ビー・エム・エル」では、首都圏を中心に医療機関や行政を中心に検査の依頼を受けていて、この施設だけで1日におよそ1万件の検査を行っています。

    厚生労働省によりますと、感染が確認された人の検体については、行政が民間の検査機関から提供を受けることができますが、民間検査での検体の保管期間などについては国のルールなどは定められていないということです。

    この会社では、念のため陽性か陰性かにかかわらず、検査後の検体を一定期間保管していますが、マイナス20度で保管する必要があり、冷凍庫のスペースも限られているため、4日から5日程度で処分するしかないということです。

    会社では、今後、国の変異ウイルスの調査が拡大される場合に備えて、冷凍庫の増設や陽性となった検体だけの保管への切り替え、それに社内で変異ウイルスの検査ができる体制の整備などを進めているということです。

    ただ、今のところ、具体的にどれぐらいの期間保管するのかや、どの検体を変異ウイルスの検査に回すのかなど、国などの方針は示されていないということです。

    「ビー・エム・エル」の山口敏和 執行役員は「どのような用途のため、どのタイミングで検体の返却が求められるのか、何らかの指針があれば対応しやすい。変異ウイルスの検査体制拡充のため、スペースの確保などは会社として準備しつつ、国などから具体的な協力要請を待ちたい」と話していました。

    専門家「民間の協力不可欠 国は具体的な指針示すべき」

    変異ウイルスの検査体制について日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博 教授は「変異ウイルスの検査は、国立感染症研究所や地方衛生研究所を中心に行われているが、実施できているのは陽性者のうちの5%から10%程度で、国民の心配に応えられていない。陽性者の50%以上は検査の必要があるというのが、専門家で一致している意見で、そのためには、民間の検査会社の協力が不可欠だ」と指摘しています。

    そして「変異ウイルスの検査方法そのものは複雑ではなく、特別な試薬があれば、どの検査機関でも対応できる。国は民間検査会社に対して、通常の検査で陽性となった検体に対して、追加で変異株の検査も行ってもらえるような具体的な指針を示すべきだ」と話しました。

    そのうえで、舘田教授は「民間の検査で変異ウイルスの陽性が判明した場合は、医療機関や保健所に速やかに報告するようなルールを作るなど、変異ウイルスの検出頻度を調べるだけでなく、感染拡大を防止する対策につなげていくことが重要だ」と話していました。

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    インフルと同時流行時 検査“1日最大54万件確保”(11/12)

    2020年11月12日

    新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行した場合、厚生労働省は、ピーク時に1日46万件程度の検査需要に対し、54万件程度の検査能力の確保を見込んでいます。

    新型コロナウイルスとインフルエンザが同時に流行した場合に備えて、厚生労働省は、都道府県を通じて、検査体制などを調査しました。

    それによりますと、発熱などの患者の診療や検査を行う医療機関として11月9日の時点で、全国2万3755の診療所などが指定されていて、引き続き、体制の整備を進めるとしています。

    そのうえで、インフルエンザの流行のピーク時には、新型コロナウイルスによる発熱などの患者を含めた「検査需要」の見通しは1日最大で46万件程度になるとしています。

    これに対し、「検体採取能力」と「検査能力」は、今後拡充が予定されているものも含め、1日最大でそれぞれ50万件程度と54万件程度の確保を見込んでいます。

    厚生労働省は、「数字上、検査能力は確保できているが、実際に機能するよう、都道府県などと連携して引き続き、整備に取り組みたい」としています。

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    新型コロナ 広がる“自費検査” 落とし穴も…(11/11)

    2020年11月11日

    発熱などの症状がなくても新型コロナウイルスのPCR検査を受ける人が増えています。検査費用は全額自己負担で、決して安くはありませんが、それでも多くの人たちが検査を受けています。この自費でのPCR検査に思わぬ落とし穴があることが分かり、国が対策に乗り出しています。いったい何が問題となっているのでしょうか?

    広がる自費検査

    インターネットを検索すると、自費でPCR検査が受けられるという医療機関や検査機関の広告がずらりと並びます。

    「来院不要 自宅で唾液を採取するだけ」
    「当日検査 スピーディー」
    「感染対策を徹底 安心して受診して頂けます」
    「セットで1回あたり9000円」

    こうした広告を見ていると、検査には大きく2つの種類があることが分かります。

    1 医療機関が検査と診察をセットで行う場合
    医師が診察を行うので「陰性証明書」を発行してもらうことができますが、費用は2万円から4万円程度と高額になっています。中にはオンライン診療で自宅にいながら診察を受けられるところもあるようです。

    もうひとつが
    2 検査機関などで検査だけを行う場合
    医師の診察を受ける場合に比べると検査費用は比較的安く、2万円を切るところも少なくありません。ただ、「陰性証明書」は発行されないそうです。なお、医療機関が検査を受け付けていても、医師の診察が無ければ、陰性証明書は発行されません。

    いずれの場合も、だ液などの検体を自分で採って送ることができるというところが多くありました。

    また、自費での検査は、どれも症状がない人が対象と書かれていて、症状がある場合は保健所などに相談するようにとなっていました。

    行政検査?自費検査?

    こうした自費検査は、この夏以降、急速に増えてきました。

    政府の分科会もこうした検査について考え方を示しています。

    1、症状がある人について
    感染リスクが高く速やかに検査する必要があります。この場合は「行政検査」として行われるため、費用も公費でまかなわれます。

    2、症状が無い人について
    (a)感染リスクがある場合感染した人と濃厚接触した人や、周辺で感染者が多く出ているなど、感染している可能性が高い場合は、優先して検査が必要だとしています。また、医療機関や介護施設では、感染が広がると影響が大きいことから、積極的に検査を行うべきだとしています。こうした場合も行政検査となります。

    (b)感染リスクが低い場合症状が無く、また感染している可能性が低い場合は、自費検査となります。海外に行く必要がある人、興業などの仕事で検査で陰性であることが求められている人など、それぞれの事情で検査が必要な場合は自費での検査となります。

    届け出 ルール

    この自費検査に思わぬ落とし穴があることが分かってきました。

    問題となっているのは医師の診察が無い場合です。

    自費検査で陽性が出ても行政が把握できないケースが相次いでいるのです。

    どういうことなのか?
    まずは、行政が感染者を把握する仕組みを知る必要があります。

    感染症法では、医師が感染を確認した場合は、必ず行政に「発生届」と呼ばれる報告を提出することが義務づけられています。

    公費で行われる行政検査では、必ず医師が感染を確認しますので、すべて「発生届」が提出されます。

    これは自費検査で医師が診察する場合も同じです。

    ところが、検査だけで医師の診察が無い場合、感染症法では特に報告についてのルールはありません。

    つまり、陽性になっても報告が義務づけられていないのです。

    もともと保健所は「発生届」に基づいて、感染した人への対応や濃厚接触者の調査などを行います。

    しかし、「発生届」が出され無い場合、保健所が検査で陽性となった人を把握する仕組みがないのです。

    実際に問題となったケース

    実際に東京の保健所であったケースです。

    <ケース1>
    東京都内の飲食店が従業員の自費検査を行い、無症状の4人が陽性となりました。

    しかし、検査会社からは医療機関の受診について案内は特になかったということです。

    4人の中に、直接、保健所に連絡した人がいたため、把握することができましたが、それまでは、保健所の調査も行われず、支援も無い状態となっていました。

    <ケース2>
    自費検査で陽性となった人が、どうすればいいかを問い合わせようと検査会社に電話をかけましたが、数日間に渡ってつながりませんでした。

    しかたがなく保健所に連絡してきたということですが、数日間は、ふだんの生活を続けていたということです。

    〈ケース3〉
    医療機関で行われた自費検査でも、保健所が対応に苦慮したケースがありました。

    「発生届」が提出され、保健所が調査を行おうとしたところ、届けに書かれた感染者の名前が別人だったというケースが相次いだのです。

    保健所が調べたところ、届けに書かれた名前は、検査を申し込んだ人の名前で、実際に検査を受けた人は別にいたことが分かりました。

    保健所では確認作業に追われたということです。

    東京の保健所の担当者で作る「特別区保健予防課長会」が調査したところ、東京23区のうち少なくとも17の区で、同様のケースが起きていました。

    (調査を担当した東京・中央区保健所の吉川秀夫健康推進課長)
    「届け出が無いと保健所は患者の隔離や接触者の調査ができず、感染拡大が進むおそれがあります。ましてや、意図的に隠された場合、全くコントロールできません」

    保健所の苦悩

    ただ、自費検査が広がりを見せる中で、保健所には別の苦悩もあります。それは、保健所の業務体制のひっ迫です。

    保健所は、行政検査の業務や、感染が確認された人たちへの対応など、これまでも業務量が多すぎて体制がひっ迫しているとたびたび指摘されてきました。

    行政検査の検査数が増えない理由の1つともされています。

    そこに自費検査で陽性となった人たちが保健所に連絡するケースが増えてくると、対応しきれなくなってしまう可能性があるのです。

    ふだんの業務に追われる中、自費検査が増えていくと対応が難しいという声が現場から上がっています。

    (東京・中央区保健所の吉川秀夫健康推進課長)
    「実際に区民が自費検査で陽性となり『受診できる医療機関がない』と泣きつかれたら保健所としては医療機関を紹介して『発生届』が出るように対応するしかありません。しかし、どの保健所も行政検査への対応で手一杯で、自費検査で陽性になった方々の確認の検査や診察の手配まですぐに対応にできるマンパワーはありません。自費検査を行うなら、事業者の責任で確定診断・発生届けの提出までの段取りをしっかり組んで欲しいです」

    専門家は

    民間の自費検査で陽性となった場合にどう対応すべきか。

    臨床検査学が専門の東海大学医学部の宮地勇人教授は次のように話しています。

    「医療機関と民間企業、行政・保健所の三者が連携して情報の共有に取り組むのが理想的な形だ。陽性者を把握するための仕組み作りも早急に進める必要があるが、保健所に負担をかけないやり方を考えていく必要がある」

    厚生労働省の対応

    こうした状況を受けて、厚生労働省も対応に乗り出しました。

    自費検査を受ける利用者が検査機関を選ぶ際に必要な情報を得られるよう、情報を集め、ホームページなどで公開する方針を示しています。

    この中では、▼検査費用やサービス内容や▼医師による診断の有無、▼医療機関との提携の有無など12の項目についての情報提供することやまた、▽利用者に陽性となった場合の具体的な対応を説明することなどを確約した検査機関を掲載する方針です。

    自費検査でも、陽性となった場合はきちんと医師の診断を受けられる体制が整えば、保健所が一から対応しなくても、把握できるようになると期待されています。

    厚生労働省では、今後、保健所などへの聞き取りを重ねながら、現場に負担がかからない、よりよいルール作りを目指していくとしています。

    まとめ

    自費検査は、ビジネスや海外渡航などで、相手先から求められるケースが増えています。

    経済活動を回しながら、新型コロナウイルス対策をすすめるためにも、自費検査は今後、さらに重要になってくるとみられます。

    だからこそ、こうした「落とし穴」にしっかりと対応して、陽性になっても安心できる体制作りが求められています。

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    成田空港にPCRセンター 国内空港では初 2時間で「陰性証明書」(11/2)

    2020年11月2日

    新型コロナウイルス対策として制限されている海外との往来が徐々に緩和される中、成田空港では11月2日、海外に渡航する人が迅速に検査を受けられる「PCRセンター」が国内の空港で初めて開設されました。

    海外との往来の制限が徐々に緩和される中、国際線の利用者が渡航先の国や地域から新型コロナウイルスの検査で陰性であることを示す証明書を求められることが増えると予想されています。

    こうした中、成田空港に11月2日、海外に渡航する人がウイルス検査を受けられる「PCRセンター」が新たに設置され、報道関係者に公開されました。

    このセンターは日本医科大学が中心となって運営し、医師や看護師などおよそ30人が交代しながら24時間態勢で、1日およそ700件の検査を行うことができるとしています。

    海外への出発当日、予約なしでも検査を受けることが可能で、受付から2時間ほどで「陰性証明書」を発行できるということで、11月2日は11人の予約が入っているということです。

    成田空港会社によりますと、国内の空港で海外に渡航する人が新型コロナウイルスの検査を受けることができる施設が設置されるのは初めてです。

    成田空港を利用した45歳の会社員の男性は、「検査のため病院に行かずに済むので、迅速に結果が出れば便利になると思います」と話していました。

    「PCRセンター」を運営する日本医科大学の汲田伸一郎常務理事は、「空港では検査結果がその場で分かるようになる。旅客数が増えた場合は検査機器を増やして対応したい」と話していました。

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    コロナ抗原検査 簡易キットで「偽陽性」全国で少なくとも125件(10/28)

    2020年10月28日

    新型コロナウイルスへの感染を短時間で調べられる「抗原検査」の簡易キットについて、日本感染症学会がアンケートを行ったところ、実際には感染していないのに「陽性」となる「偽陽性」が疑われるケースが、全国で少なくとも125件あったことが分かりました。
    学会では、簡易キットの正しい使い方を徹底するよう呼びかけています。

    新型コロナウイルスの「抗原検査」は、ウイルスに含まれる特徴的な物質を調べるもので、その場で結果が分かる簡易キットが医療現場などで使われています。

    この簡易キットについて、まれに実際には感染していないのに「陽性」になる「偽陽性」が出るという指摘があることから、感染症の専門医などで作る日本感染症学会が全国の会員を対象にアンケートを行いました。

    その結果、これまでに「偽陽性」を疑う症例があったという報告が61施設から、合わせて125件寄せられたということです。

    また、簡易キットで陰性かどうかまで含めた診断ができるのは、発症の2日目から9日目までの患者となっていますが、アンケートでは感染者と接触があれば、症状がなくても使っているという施設や、特に条件を決めていないという施設が合わせて30あったということです。

    学会では、偽陽性の頻度は高くはないとみられるものの、簡易キットの精度を高めるためには、正しく使用することが重要だとして、検査の特性をよく理解して正しい使い方を徹底するよう改めて周知することにしています。

    新型コロナウイルスの検査

    新型コロナウイルスの診断には次のような検査が使われています。

    ▽「PCR検査」はウイルスの遺伝子の一部を増幅して検出するため精度が高く、症状のある無しにかかわらず、鼻やのどの奥のぬぐい液や鼻のぬぐい液、それにだ液で検査を行うことができます。

    ▽「抗原検査」は、ウイルスに特徴的な物質を検出する検査で現在、2種類の検査法が国に承認されています。

    ▽このうち「抗原定量検査」と呼ばれる検査は専用の機器で抗原の量を測定するものです。症状の有無にかかわらず、鼻やのどの奥のぬぐい液や、鼻のぬぐい液、それにだ液で検査することができます。

    ▽「抗原定性検査」は簡易キットを使った検査です。

    「PCR検査」や「抗原定量検査」よりは精度は低くなるとされ、陰性かどうかまで含めた診断に使う場合には対象となるのは症状が出て、2日目から9日目までの患者に限られています。

    検体も、鼻やのどの奥のぬぐい液と鼻のぬぐい液に限られていて、だ液を使うことはできません。

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    PCR検査に民間参入相次ぐ 「早急に仕組み作り検討」厚労相(10/20)

    2020年10月20日

    新型コロナウイルスのPCR検査に民間企業が相次いで参入していることを受けて、田村厚生労働大臣は、陽性反応が出た際の対応など仕組み作りを急ぐ考えを示しました。

    新型コロナウイルスのPCR検査をめぐっては、感染が疑われる人などに対し、感染症法に基づき公費で「行政検査」が行われる一方、ビジネス目的の渡航などでのニーズの高まりを受け、症状がない場合でも希望する人の検査を行う民間企業の参入が相次いでいます。

    田村厚生労働大臣は、記者会見で「『行政検査』ではないため、陽性であっても保健所に届け出る法律上の制度になっていない。中には、医師が入っていない検査もあり、専門家からも『何らかの対応をすべきではないか』と提言をもらっている」と述べました。

    そのうえで「どれくらいの検査が行われ、陽性が出た場合に医療機関に診断を受けるよう通知してもらっているのかも分からない。専門家の意見を聞きながら、早急に何らかの仕組みを作るよう検討したい」と述べました。

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    PCR検査のWEB予約 ビジネス目的の渡航者対象に10月8日から可能に(10/8)

    2020年10月8日

    新型コロナウイルスの影響で、制限されていた海外との往来が徐々に緩和されることを見据えて、政府はビジネス目的の渡航者を対象に、WEB上でPCR検査の予約ができる新しいシステムの運用を10月8日から始めます。

    現在、制限されている海外との往来は、感染が落ち着いている国や地域との間で徐々に緩和される見通しですが、入国の際に、PCR検査で陰性であることを示す証明書を求められることが増えると想定されています。

    このため政府は、ビジネス目的の渡航者が速やかに検査を受けられるよう、WEB上で医療機関の予約ができるシステムの運用を10月8日から始めます。

    WEBサイトには、全国にあるおよそ300の医療機関が登録され、検査が可能な時間帯や料金も分かり、いつ、どこで検査を受けるか、選ぶことができます。

    政府によりますと平日は1日あたり、およそ8000人が検査を受けられるということです。

    また政府は、検査結果の書類を医療機関に行かなくても、スマートフォンで受け取れるようにする仕組みも検討していて、ビジネス目的の渡航が円滑に行われるよう支援していきたいとしています。

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    都内でのPCR検査処理能力 目標の1日1万件超える(10/1)

    2020年10月1日

    東京都内で新型コロナウイルスのPCR検査の1日当たりの処理能力が、10月1日時点で都が目標としていた1万件を超えました。

    東京都によりますと、都内で1日当たりのPCR検査の処理能力はこれまでおよそ8600件で、都は1万件を目標に民間の検査機関による機器の導入支援を進めてきました。

    その結果、1日時点で1万件を超えて、少なくとも1日1万200件の処理能力を確保したということです。東京都は、感染の早期把握のためさらなる拡充を目指しています。

    10月1日に行われた都内の感染状況などを分析・評価する会議の中で、東京都福祉保健局の初宿和夫担当局長は「引き続き検査体制の拡充に向けて新たな目標を設定していきたい」と述べました。

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    PCR検査 医療機関1400か所まで増やす方向で検討 東京都医師会(7/30)

    2020年7月30日

    東京都医師会が記者会見を開き、新型コロナウイルスのPCR検査を受けられる医療機関を都内で1400か所まで増やす方向で検討していることを明らかにしました。尾崎治夫会長は「感染が拡大している地域では、法的強制力を持った補償を伴う休業要請が必要だ」と述べ、政府に特別措置法の改正などを求めていく考えも示しました。

    この中で東京都医師会の尾崎会長は「感染が集中して発生する地域が東京だけでなく、愛知や大阪など各地に形成されつつあり、今のやり方では限界がある」と述べ、医師会として唾液を使ったPCR検査を受けられる地域の医療機関を、都内で1400か所まで増やす方向で検討していることを明らかにしました。

    そのうえで「これらの地域で法的強制力を持った補償を伴う14日程度の休業要請を行っていく必要がある。今が感染防止の最後のチャンスだと考えている。東京だけの問題ではなく国がきちんと対策をとらないといけない。国民を安心させてほしい」と述べ、政府に特別措置法の改正などを求めていく考えも示しました。

    さらに尾崎会長は、介護施設などで集団で感染者が発生した時には、現地で集中的にPCR検査を行うために、医師会が所有するPCR専用車を派遣することも明らかにしました。

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    PCR検査 国の支援拡充を 日本商工会議所が緊急要望(7/28)

    2020年7月28日

    新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本商工会議所は、中小企業の従業員が感染していないことを確認するためのPCR検査を受けやすくするため、政府に支援の拡充などを求める緊急要望をまとめました。

    日本商工会議所は、感染者数の増加が続く中でも企業活動を維持していけるように、検査体制の拡充や医療体制の整備などが必要だとしています。

    具体的には、PCR検査などの数値目標を盛り込んだアクションプランを8月初めにも示すことや、症状が軽い患者などを隔離するためのホテルを十分な規模で借り上げることなどを求めています。

    そのうえで感染しているリスクが低い人が感染していないことを確認するため、民間の診療所などで行われているPCR検査は保険の適用外で高額なため中小企業が活用しにくいとして、医療機関が新たな検査機器を導入する際の国の支援を拡充し、検査費用の軽減につなげるよう要望しています。

    山内清行産業政策第一部長は記者会見で「第2波、第3波が来れば中小企業の倒産や廃業が急増することが懸念され、検査体制の拡充は急務だ。中小企業が従業員にPCR検査を受けてもらって取引先の安心感を高めたいと思っても、費用の問題があれば今後の計画が立てられない」と述べました。

    PCR検査 いくらかかるの? 何がわかるの?

    新型コロナウイルスの検査は、原則として感染症法に基づき公費で行う「行政検査」として実施されています。

    「行政検査」の対象となるのは、発熱など疑わしい症状がある人や、感染が確認された人の濃厚接触者のほか、特定の地域や集団でクラスターの連鎖が生じやすいと保健所が判断した場合なども含まれます。

    厚生労働省によりますと、PCR検査では多くの場合で1回1万8000円、抗原検査は6000円がそれぞれかかりますが、いずれも自己負担分は公費で助成され、初診料などを除き患者の費用負担は発生しません。

    こうした「行政検査」の対象とならない場合でも、海外渡航やビジネスの際に検査結果を求められる人など、希望者が検査を受けることは認められています。

    その場合、一部の医療機関などで自費診療として検査を受けられますが、数万円程度の費用がかかるということです。

    ただ、検査で陰性だったとしてもそれは検体を採取した時点でのことで、その後感染するおそれもあります。「陰性証明」とは検査の時点では陰性の結果が得られたという証明にすぎません。

    このため厚生労働省は、海外渡航の時点でも陰性だと「証明」することまではできないとしています。

    厚生労働省によりますと、ことし3月からこれまでにPCR検査は合わせて94万件余りが行われていますが、このうち自費による検査の件数については把握できていないということです。

    国内で行われた検査の大半は「行政検査」だとみられています。

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    日立 社内でPCR検査できる体制整備 海外出張で陰性証明迅速に(7/28)

    2020年7月28日

    新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が続く中、日立製作所は海外に出張する社員がPCR検査の陰性証明を速やかに取得できるよう、社内で検査ができる体制を整えました。

    日立は、外務省の「感染症危険情報」が「レベル3」とされた地域には渡航を禁止するなど、海外出張を必要最低限に抑えています。

    一方、今後、PCR検査の陰性証明を求められる地域に出張が必要になる社員が増えることも予想されるため、東京や茨城の拠点でPCR検査ができる体制を整えました。

    このうち、東京・千代田区の拠点では、社内の診療所で1日当たり最大で8人程度の検体を採取できるということです。

    検査では感染を防ぐため防護服を着た産業医が社員の鼻から検査キットを使って検体を取り、専用の袋に密閉したうえで検査機関に送られます。

    検査の対象となるのはおよそ3万3000人の社員のうち、陰性証明を求められる地域への出張を予定している人で、費用は会社が負担するということです。

    検査を担当する日立製作所の産業医の秋山義之さんは、「感染を広げないよう、安全対策を徹底している。検査を受ける窓口が社内にあり、知っている医療関係者が実施していることは社員の安心感にもつながると思う」と話していました。

    三菱商事も社内の診療所でPCR検査

    大手商社の三菱商事は、駐在員として海外の拠点に赴任することになった社員を対象に、都内にある社内の診療所でPCR検査を行っています。

    対象となるのはおよそ400人の社員で、これまでに80人が陰性を確認したうえでイギリスやシンガポール、中国などに出発したということです。

    また、赴任する社員の家族を対象に医療機関でPCR検査を行っていて、会社が費用を負担しています。会社は現在、海外への出張を原則として取りやめていますが、出張を再開する場合には、社員のPCR検査を行うことを検討することにしています。

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    ビジネスでの海外渡航者対象にしたPCR検査 予約システム導入へ(7/28)

    2020年7月28日

    アジア各地などとの往来を再び本格化させるのを前に、ビジネスで海外に渡航する人を対象としたPCR検査の予約システムが、9月末にも導入される見通しになりました。

    政府は中国、タイ、ベトナムなど16の国や地域との間で、ビジネス関係者らの入国を相互に認めるための協議を進めていますが、こうした国や地域では、入国者に対して一定期間の隔離をしない代わりに、PCR検査の結果が陰性である証明書の提出を求めるケースが多いということです。

    このため政府は、海外に渡航する前に速やかにPCR検査を受けられるよう、最寄りの医療機関を予約できるシステムを9月末にも導入する方向で準備を進めています。

    経済産業省によりますと、ビジネスでの渡航者向けにPCR検査を実施できる人数は、現在全国で一日数百人程度にとどまり、本格的な往来の再開に向けて国内での検査体制の拡充が課題となります。

    政府は予約システムに登録する医療機関を広く募集するとともに、空港内などに検査施設を設けることも検討することにしています。

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    新型コロナ 公費負担の検査 対象を拡充へ 厚労省(7/20)

    2020年7月20日

    新型コロナウイルスの検査を拡充するため、厚生労働省は、感染者の濃厚接触者と認められなくても、勤め先での感染リスクが高いと考えられる人などを公費負担による検査の対象に加えることにしました。

    東京都でホストクラブといった接待を伴う飲食店などでの集団検査が行われる中、厚生労働省は、公費負担による検査の対象を拡充した新たな基準をまとめました。

    それによりますと、感染が疑われる症状がない場合は、感染者の濃厚接触者と認められた人だけが対象となっていましたが、勤め先や住んでいる地域での感染のリスクが高いと考えられる人なども対象に加えています。

    また、公費負担による検査では、結果が陰性でも14日間は外出の自粛が求められますが、新たに対象となる人たちには、こうした対応は求めないとしています。

    厚生労働省としては、今回の基準を設けることによって集団検査への一層の協力を促したい考えです。

    一方、プロスポーツ選手や海外に出張する人など、社会経済や文化の活動のために検査を希望する人は公費負担の対象とはせず、自己負担で受けてもらうとしています。

    検査の対象めぐる状況は

    新型コロナウイルスに感染しているかどうか調べるPCRなどの検査は、現在、感染が疑われる症状があり、医師が必要と認めた人や、症状がなくても患者の濃厚接触者と認められる人に対して、検査にかかる費用を行政が公費で負担する形で行われています。

    その一方で、感染しているリスクが低い人が感染していないことを確認するための検査は公費負担では行われず、プロスポーツ選手などは自己負担する形で検査を受けています。

    検査の在り方について、政府が設置した新型コロナウイルス対策の分科会では7月、症状がなくても感染しているリスクが高い人には徹底したPCR検査を行うなどとする考え方を専門家が示しました。

    この中では、症状のない人については、感染しているリスクによって対応を分け、感染しているリスクが高い、接待を伴う飲食店に関わる人たちやその地域の人たちには徹底したPCR検査を行うとしています。

    また、重症化するリスクが高い、病院や高齢者施設の関係者に対しては、例えば感染者が1人でも出た場合などに、検査を行うとしています。

    一方で、社会経済や文化の活動を進めるために、検査を受けたいという人は感染しているリスクが低いことから、公費負担の検査は行わず、検査を受ける場合には自己負担で行うとしています。

    そして、検査では一定の割合で感染していても陰性になったり、感染していなくても陽性になったりするなど、誤った結果が出ることがあることにも十分注意すべきだとしています。

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    30分以内に感染判定 新検査法開発 実用化へ(6/22)

    2020年6月22日

    新型コロナウイルスに感染しているかどうか、特別な装置を使わずに30分以内に判定できる新たな検査法を日本大学などの研究グループが開発し、製薬大手の塩野義製薬が実用化を進めると発表しました。感染の第2波が懸念される中、早期の実用化を目指したいとしています。

    新型コロナウイルスに感染しているかどうか調べるのに、現在、主に使われているPCR検査は精度は高いものの、専門の技師や特別な装置が必要なうえ、検体の採取から結果が出るまでおよそ5時間かかるため、検査体制を強化するうえで、課題になっています。

    日本大学や東京医科大学などは、専門の技師や特別な装置なしで、高い精度で感染の有無を判定できる新たな検査法を開発していて、塩野義製薬は6月22日、この検査法の実用化を進めると発表しました。

    新たな検査法は、唾液をとって加熱などの処理をしたうえで、特定の試薬を混ぜると、陽性の場合は色が変わり、30分以内に確認できるということです。

    研究グループが100の検体で検証したところ、PCR検査と同等の精度で判定できたということです。

    塩野義製薬は「感染の有無を調べるために使われている抗原検査と比べて精度が高い。感染の第2波が来ることが懸念される中、早期の実用化を目指し、空港での水際対策などにも役立てたい」と話しています。

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    唾液使う新たな抗原検査の試薬承認 厚生労働省(6/19)

    2020年6月19日

    新型コロナウイルスへの感染を短時間で調べられる「抗原検査」について厚生労働省は唾液を使って調べられる新たな検査試薬を6月19日、承認しました。鼻の奥の粘液を採取する従来の方法と比べて医師などの感染リスクを抑えられるということです。

    抗原検査はPCR検査より短時間で新型コロナウイルスに感染しているかを調べられる検査で、5月、簡易型のキットが承認されました。

    ただ、鼻の奥の粘液を採取する必要があるため、患者がくしゃみなどをすると飛まつが飛び、医師などがウイルスに感染するリスクも指摘されていました。

    こうした中、厚生労働省は6月19日、唾液でも調べられる新たな抗原検査の試薬を承認しました。

    試薬は従来のキットとは違って特定の検査機器にかける必要がありますが、30分程度で結果が出て、感度は従来のものより高くPCR検査と同じ程度だということです。

    ただし、唾液を使った検査の対象となるのは発症してから9日目までの人で、それ以外の人は鼻の奥の粘液を採取して実施します。

    厚生労働省は近く保険適用し、速やかに実用化する方針です。

    今後、6月末までに合わせて3万回分の試薬が供給され、7月以降は、1日当たり7万回分が供給される見通しだということです。

    また、今回の試薬に対応できる検査機器は国内におよそ800台あり、今後、さらに増産される見通しだということです。

    厚生労働省は、唾液を使って検査を行えるようになることで、医師などの感染リスクをこれまでより低く抑えられるとしています。

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    新型コロナ抗体保有割合 東京0.1% 大半が抗体保有せず 厚労省(6/16)

    2020年6月16日

    新型コロナウイルスに感染したことがあるかを調べる抗体検査について、厚生労働省が3都府県でおよそ8000人を対象に行ったところ、抗体を保有している人の割合は東京で0.1%などとなりました。厚生労働省は、大半の人が抗体を保有していないことが明らかになったとしています。一方、抗体によって2回目の感染を防げるかはわかっていないということです。

    抗体検査は、ウイルスなどに感染すると体内でつくられる「抗体」と呼ばれるたんぱく質が血液中にあるかを分析し、過去に感染したことがあるかどうかを調べます。

    厚生労働省は、6月1日から7日にかけて人口が一定規模ある地域のうち、10万人あたりの感染者数が最も多い東京と大阪、最も少ない宮城の3都府県で、無作為抽出した20歳以上の男女合わせて7950人を対象に、新型コロナウイルスの抗体検査を実施しました。

    その結果、抗体を保有している人の割合は、東京で0.1%、大阪で0.17%、宮城で0.03%だったと16日発表しました。

    これまでに確認されていた、感染者数が人口に占める割合は5月末時点で、東京で0.038%、大阪で0.02%、宮城で0.004%で、これと比べると抗体を保有する人の割合は高いものの、厚生労働省は大半の人が抗体を保有していないことが明らかになったとしています。

    一方、新型コロナウイルスの抗体が、体内でどれくらいの期間持続するかや、2回目の感染を防げるのかなど、詳しい性質は現時点ではわかっていないということです。

    抗体検査の詳細内容

    今回の抗体検査は、日本国内で過去に新型コロナウイルスに感染した人の割合を推定するため、厚生労働省が6月1日から7日にかけて行いました。

    実施する地域については、100万人以上の都市がある人口が200万人以上の都道府県のうち、人口10万人当たりの累積の感染者数が多い東京と大阪、また、最も少ない宮城の3都府県が選ばれました。

    対象者は無作為に抽出された20歳以上の男女7950人で、東京では1971人、大阪で2970人、宮城で3009人が、それぞれ検査を受けました。

    海外企業のロシュ社とアボット社が製造する2種類の試薬を使った検査で、いずれも陽性となった場合に「陽性」=「抗体を保有している」としました。

    その結果、東京は1971人のうち2人、大阪は2970人のうち5人、宮城は3009人のうち1人が陽性と確認され、抗体保有率はそれぞれ、東京が0.1%、大阪が0.17%、宮城が0.03%となりました。

    一方、今回の抗体検査では、2種類の試薬のほか、別の海外企業のモコバイオ社のキットを使った検査も行われました。

    キットがアメリカ食品医薬品局への申請中であることから、これを使った検査は参考値とされていますが、東京が21人で1.07%、大阪が37人で1.25%、宮城が36人で1.2%の陽性が確認されました。

    「海外との単純比較は難しい」厚労省

    今回の検査で得られた抗体を保有している人の割合について厚生労働省は、検査の方法や対象者の選び方が異なるため、海外の数値との単純な比較は難しいとしています。

    厚生労働省は今回、判定をより正確に行うため2種類の検査試薬を用いて、ともに陽性となった場合に限って「陽性」=「抗体を保有している」としましたが、海外の調査では、1種類の検査で判断しているケースもあるということです。

    また、検査対象については、無作為抽出して選んだ一般市民を対象に行いましたが、海外の調査では医療従事者など、対象の範囲を狭めているケースもあるということです。

    「東京0.1%は妥当な結果」東京都医師会

    厚生労働省が行った、新型コロナウイルスに感染したことがあるかを調べる抗体検査で、抗体を保有している人の割合が東京都で0.1%となったことについて、東京都医師会の角田徹副会長は「今回の検査は相当精密で、信用できると考えている。0.1%という結果は、人口に対する、これまでに確認された感染者数などから判断すると妥当な結果だと言える」と述べました。

    そのうえで、今回の結果から分かったことについては「新型コロナウイルスの感染の形態は、インフルエンザウイルスのように普通の生活の中で、たとえば満員電車に乗っているだけで次々にうつるものではないと考えられる。感染の形態はある程度、限定されるので、過度に恐れる必要はなく、3密を避けるなどすれば予防できるとみている」と説明しました。

    一方で「今回の結果は、ほとんどの人はウイルスに感染していなかったことを示すもので、ワクチンができるまでは多くの人に感染する可能性が残っているとも言える。第2波は普通の生活に戻ると必ず来るので、一人一人が引き続き、感染しないための行動をとることが重要だ」と話しました。

    「99%以上が未感染 対策継続の必要」専門家

    厚生労働省が行った新型コロナウイルスに感染したことがあるかを調べる抗体検査について、日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は「抗体を保有している人の割合が東京で0.1%というと、単純に人口に当てはめて1万4000人程度で、実際に感染が確認された人数よりは多いが、予想していたよりも少ないと感じる。感染が拡大しないか、あれだけ危ぶまれていたことを考えると、うまく感染拡大を抑え込めていたと考えることができる」と話しています。

    そのうえで「一方で、まだ99%以上の人が感染していないということは今後、流行の第2波や第3波が来た場合、第1波と同様に感染が広がっていくリスクがあると考えねばならず、いわゆる『3密』の回避やマスク着用の徹底など、対策を継続する必要がある」と指摘しています。

    また、抗体の保有率が10%を超えたという地域もある海外との比較については「海外と比べても抗体の保有率は明らかに低く、マスクを着用して飛まつの飛散を防いだり、手洗いを頻繁に行ったりするなど、日本人ならではの文化や習慣が影響している可能性がある。まだ明確なことは分からないが、感染拡大を考えるうえで重要なポイントで、今後、検証が必要だ」と指摘しています。

    一方、東京都で16日、新たに27人の感染が確認されたことについては「きのう、おとといより人数は少ないが、感染者数が、あすは50人に、あさっては100人にと増えていっても、おかしくはない状況だ。一日一日の感染者数の変化にとらわれずに、長いスパンで感染対策を継続することが大切だ」と話しています。

    米NY州では12.3%

    新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる抗体検査は、世界各国で行われています。

    このうち、感染者数、死者数ともに最も多いアメリカでは、東部ニューヨーク州で、5月2日までの2週間に1万5000人を対象に抗体検査を実施し、12.3%の人に抗体が確認されたということです。

    ヨーロッパでは、外出制限などの厳しい措置をとっていないスウェーデンで、公衆衛生局が8週間にわたる抗体検査を実施しています。

    このうち、4月下旬の1週間に採取した合わせて1104件のサンプルを分析したところ、抗体を保有している割合は首都ストックホルムで7.3%だったということです。

    また、イギリスの国家統計局によりますと、イングランドでは、4月26日から5月24日までの1か月間で885人の抗体検査を実施し、6.78%に抗体があると確認されたということです。

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    導入相次ぐ「抗体検査」 期待の一方 誤解や課題も(6/12)

    2020年6月12日

    自分が新型コロナウイルスに感染していないかどうか、はっきりさせたい。緊急事態宣言が解除され、経済活動が徐々に再開される中で、そんな切羽詰まった思いを持つ人は多いようです。そこでいま、導入の動きが相次いでいるのが「抗体検査」。そもそも、抗体検査で何が分かるのでしょうか?これまで感染の確認に使われてきた、PCR検査とどう違うのか、そして、いまの使われ方は正しいのか、専門家は誤解もあると指摘します。
    (科学文化部 水野雄太 藤ノ木優 / ニュースウオッチ9 舩村武史)

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    「PCR検査」「抗原検査」「抗体検査」どう違う?(5/13)

    2020年5月13日

    感染しているかどうか調べる「PCR検査」は、体制の強化がはかられていますが、検査数は伸び悩んでいます。こうした中で、新たに導入されるのが、より簡単に調べられる「抗原検査」です。一方、「抗体検査」は、過去に感染していたかどうかが分かります。

    「PCR検査」は、ウイルスの「遺伝子」を調べます。
    「抗原検査」は、ウイルスに含まれる「特徴的なたんぱく質」を調べる検査です。
    「PCR検査」と「抗原検査」は、どちらもウイルスに感染しているかどうかを調べる検査ですが、それぞれにメリット・デメリットがあります。

    「抗体検査」は、過去に感染していたかどうかがわかります。感染したあとにできる「抗体」が体の中にあるかで判断します。

    「抗原検査」時間は短く 感度は低く

    インフルエンザ検査キット(富士レビオのホームページより)

    「抗原検査」は、インフルエンザの迅速診断キットなどとしても使われています。
    「抗原検査」では、検査キットに鼻の奥のぬぐい液などの検体を入れ、新型コロナウイルスに特徴的なたんぱく質が含まれていると反応が現れます。遺伝子を増幅して検出する「PCR検査」などと違って特別な機器は必要ないため、検体をとってその場で検査ができ、結果は30分程度で分かります。

    ただ、「抗原検査」は、PCR検査に比べて感度は低く、感染していても陰性となることがあります。今回、承認される抗原検査のキットで、PCR検査で陽性となった国内の検体24例を調べたところ、陽性となったのは16例だったということで、ウイルスの量が多い検体ほど、精度が高くなる傾向がみられたということです。このため、陰性の結果が出た場合は、より感度の高いPCR検査などと合わせて確認する必要があるということです。

    一方で、抗原検査で陽性となり、せきや発熱などの症状があれば、PCR検査をしなくても医師が確定診断に活用できるということです。

    「PCR検査」と「抗原検査」の違い

    「PCR検査」と「抗原検査」、それぞれメリットとデメリットがあります。

    まず、「結果が分かるまでの時間」です。
    「PCR検査」では、ウイルスの遺伝子を増やす必要があるため数時間かかります。
    「抗原検査」では、インフルエンザの検査と同じやりかたで30分程度で分かります。

    次に、「感度」です。
    「抗原検査」は、ウイルスのたんぱく質の量が少ないと、感染していても陰性となることがあります。陰性の結果が出た場合はPCR検査などと合わせて確認する必要がありますが、抗原検査で陽性となり、せきや発熱などの症状があれば、医師が確定診断に活用できます。

    「抗原検査」は、5月13日に承認され、当面は、感染者が多い地域の専門外来などを中心に使われる見通しです。

    日本感染症学会の理事長で、東邦大学の舘田一博教授は、「抗原検査が普及すればPCRの検査能力の問題が一気に解消され、より多くの場所で素早く検査ができるようになるはずだ。今よりも格段に患者が見つかりやすくなるため、治療や隔離などの対応が取りやすくなる。今は感度の問題などはあるが、検査精度の研究が臨床現場などで進めば新型コロナウイルスをめぐる現状を一変させることも期待できる」と話しています。

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    唾液にも使えるPCR検査試薬を増産へ 島津製作所(6/3)

    2020年6月3日

    新型コロナウイルスの感染の有無を調べるPCR検査をめぐって京都市の大手分析機器メーカー、島津製作所は、すでに販売を始めている唾液にも使える検査試薬の供給を当初の予定の3倍の月30万回分に増やすことになりました。

    会社によりますと、この検査試薬は患者がみずから唾液を容器に採取し、専用の薬品と混ぜ合わせて検査装置で調べることで、最短およそ1時間で結果が分かるということです。

    試薬はすでに4月に、検体を鼻の奥の粘膜から採取する前提で販売を始めていますが、唾液から採取する方法で新型コロナウイルスが検出できるか調べたところ、従来のPCR検査とほぼ同じ結果が得られたということです。

    会社は、この検査試薬の供給を、当初の予定の3倍の月当たり30万回分に増やすことになりました。

    島津製作所の四方正光遺伝子解析グループ長は「検査に手間がかかるとか、綿棒など必要な医療資材が不足しているといった話を聞くが、唾液でより簡単に検体が採取できれば検査をする側もされる側も負担が軽くなり、より検査しやすくなるだろう」と話しています。

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    唾液使ったPCR検査可能に 体制拡充に期待(6/2)

    2020年6月2日

    新型コロナウイルスへの感染を確認するPCR検査について、厚生労働省は現在の方法より簡単な唾液を使った検査を6月2日から認めることになりました。医療機関の負担が軽減され、検査体制の拡充につながると期待されています。

    現在のPCR検査は、医師などが患者の鼻の奥をぬぐって検体を採取していますが、医師の感染を防ぐための物資をそろえるなど十分な対策をとる必要があり、検査体制を拡充していくうえでの課題となっていました。

    こうした中、厚生労働省はより簡単に行える唾液を検体として使うPCR検査を認めることになりました。

    6月2日、検査キットの承認や保険適用が行われるとともに検査マニュアルも改定されました。

    厚生労働省によりますと、自衛隊中央病院の入院患者の検体を使った研究では、発症から9日以内であれば高い確率でこれまでの方法と同じ結果が得られたということです。

    このため、今回認められた唾液によるPCR検査方法を行う対象は発症から9日以内の人とされました。

    医師の感染を防ぐ対策や人材確保をめぐる医療機関の負担が軽減され、検査体制の拡充につながると期待されています。

    加藤厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で「今後、唾液を使った検査が行われることで、これまでの検査方法と比べて患者や検体を採取する機関の負担が大幅に軽減されると考えている」と述べました。

    小池知事「早く導入したい」

    これについて、東京都の小池知事は「これまでの鼻に綿棒をさして拭う検査は、技術もいるしいろんな環境も整えなければならなかった。実現することは大変うれしく思う。都としてもできるだけ早く導入したい。まずは始めてみて、精度を高めていくことが必要ではないか」と述べました。

    菅官房長官「感染防御の負担 大幅に軽減」

    菅官房長官は、記者会見で「唾液を用いた検査で確定的な診断を行うことができ、従来の検体を採取する方法と比較して患者の負担や、採取に従事する方の感染防御のための負担が大幅に軽減されると考えている」と述べました。

    そのうえで、5月承認された新型コロナウイルスの簡易検査「抗原検査」について「抗原検査はPCR検査と比べて短時間で、検査機関に検体を送付することなく判定できるメリットがある。厚生労働省で、その精度を確認し、抗原検査とPCR検査の適切な組み合わせについて検討している」と述べました。

    唾液を使った検査のメリットと注意点

    唾液を使ったPCR検査の導入によって、現場では感染防御の負担の軽減が期待されています。

    綿棒で鼻の奥を拭う従来の検査では、患者がくしゃみをする可能性があるため、医師らにはマスクや手袋に加えてフェースシールドやガウンの着用が求められていました。

    それが唾液による検査ではマスクと手袋のみとなり、フェースシールドやガウンは必要なくなります。

    さらに患者側の負担も少なくなります。

    患者は、口にためた唾液を検体として1から2ミリリットル容器に出すだけで検査を受けることができます。

    注意点は、検査の直前に歯磨きや飲食をしないことです。

    正確な検査結果を得られないおそれがあります。

    一方、症状がない患者については有効性が確認されておらず、従来の検査が必要になります。

    唾液を使ったPCR検査は、専門外来の「帰国者・接触者外来」となっている医療機関などで医師らが必要と判断した場合に行われます。

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    抗体検査 東京で始まる 6月中に3都府県で1万人規模(6/1)

    2020年6月1日

    新型コロナウイルスに感染したことがあるかどうかを調べる厚生労働省の「抗体検査」が6月1日から東京都内で始まりました。

    「抗体検査」は、ウイルスなどに感染したあとにできる抗体と呼ばれるたんぱく質が血液中にあるかを調べる検査で、感染したことがあるかどうかがわかります。

    厚生労働省は、6月中に東京と大阪、宮城の3都府県で合わせて1万人規模の検査を実施することにしていて、都内では6月1日から始まりました。

    都内での検査は板橋区、豊島区、練馬区で行われ20歳以上の男女から無作為に抽出されたそれぞれ1000人程度が対象です。

    会場では、検温したあと採血するということで、6月1日はその手順が報道陣に公開されました。

    検査は、6月6日まで行われ、結果は6月下旬以降に通知されるということです。

    東京都福祉保健局の田中愛子体制支援担当部長は「今後の対策に生かすためにも重要なので、検査の案内が届いている方はぜひ来ていただきたい」と話していました。

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    全自動PCR検査装置 国内販売目指す 千葉の会社 新型コロナ(5/30)

    2020年5月30日

    フランスなどで導入されている全自動のPCR検査装置を製造する千葉県松戸市のメーカーが国内での販売を目指して厚生労働省に臨床試験のデータを提出しました。

    全自動のPCR検査装置を製造しているのは千葉県松戸市の精密機器メーカー「プレシジョン・システム・サイエンス」で、この検査装置は、検体を入れたあと全自動で検査できるため医療従事者の感染リスクを抑えることができ、時間も大幅に短縮できるということです。

    メーカ-によりますと、もともと装置はインフルエンザなどの検査のために開発されましたが、新たな検査試薬を組み合わせて使うことで新型コロナウイルスのPCR検査に利用できることが確認されたとしています。

    装置はすでにフランスやイタリアなどで活用され、メーカ-は感染の第2波への備えが注目される中、国内での販売に向け、28日、臨床試験のデータをまとめ厚生労働省に提出しました。

    今後、国が検査の精度などを確認すると、この装置での検査に保険が適用されるということです。

    プレシジョン・システム・サイエンスの田島秀二社長は「検査に当たる医療従事者の負担を軽減するとともに、検査数を増やすことに貢献していきたい」と話していました。

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    PCR検査の「検査数」と「陽性率」示す 政府の専門家会議(5/4)

    2020年5月4日

    【PCR検査の「検査数」と「陽性率」】

    政府の専門家会議は5月4日、新型コロナウイルスのPCR検査で陽性と判定された人の割合、いわゆる「陽性率」を示しました。

    専門家会議では「陽性率」を潜在的な感染者数の状況を推測する1つの指標としています。

    今回、専門家会議では地方衛生研究所や民間検査機関、大学、医療機関で行われたPCRなどのウイルス検査の実施件数のうち新たに陽性となった人の割合を「陽性率」としました。

    検査の実施件数には、感染して入院している人が退院する際の検査など1人に複数回行われたケースも含まれているため、この数値はあくまで目安となります。

    全国の陽性率 平均5.8% 「低下傾向にある」

    全国の陽性率は、ことし2月中旬から3月中旬ごろまでは1%から8%ほどの間で推移していましたが、3月末からは10%を超える日が出てくるなど上昇傾向となり、4月12日には15%を超えました。

    一方、それ以降、検査の件数自体は増加傾向となっていますが、陽性率は徐々に下がっていて、4月29日には3%程度となっています。

    このため、専門家会議は陽性率の推移について、緊急事態宣言後の動向として、「低下傾向にあるとうかがわれる」としています。

    また、2月18日から4月29日までの全国の陽性率の平均は5.8%となったということです。

    PCR検査の「陽性率」 日本と海外の比較

    【PCR検査の「陽性率」 日本と海外の比較】

    海外の陽性率については、単純に比較はできないものの、次のようになっています。

    • イギリス 26.9%
    • アメリカ 17.4%
    • イタリア 10.6%

    こうした海外の陽性率を踏まえて、専門家会議は、日本の陽性率は十分低くなっているとしています。その上で、専門家会議では今後、国に対して、PCR検査を増やした上で、検査数や陽性率の公表を求めています。

    PCR検査の「検査数」 日本と海外の比較

    【PCR検査の「検査数」 日本と海外の比較】

    専門家会議は、日本国内でのPCR検査の対応に関する評価も示しました。

    この中では各国の人口10万人あたりの検査数と比較して、日本は明らかに少ない状況にあるとしています。

    人口10万人あたりの検査数

    • イタリア 3000件余
    • ドイツ 3000件余
    • アメリカ 1700件余
    • シンガポール 1700件余
    • 韓国 約1200件
    • 日本 約190件

    一方で、人口10万人あたりの死亡者数は、日本は欧米の10分の1以下だとしています。

    人口10万人あたりの死亡者数

    • イタリア 50人前後
    • スペイン 50人前後
    • アメリカ 約15人
    • ドイツ 約7人
    • 日本 0.3人

    その一方で、3月下旬ごろからの感染者の急増に十分対応できなかったことや、予期しない状況で重症化するケースが報告されていることなどを踏まえると、PCR検査をさらに拡充させ、より早期の診断と適切な医療につなげるようにすることが重要だとしています。

    日本ではなぜPCR検査が早期に拡充されなかったか

    専門家会議は、日本国内でPCR検査が早期に拡充されなかった理由についても考察を示しました。

    それによりますと、韓国やシンガポールでは、SARSやMERSの経験を踏まえ、PCR検査態勢を拡充してきたのに対し、国内では、こうした感染症の患者が多数発生したことはなく、地方衛生研究所の検査体制の拡充を求める声が起こらなかったとしています。

    こうした背景を踏まえた上で、専門家会議は、PCR検査について2月24日には「必要とされる場合に、適切に実施する必要がある」「限られた検査の資源を重症化のおそれがある方の検査のために集中させる必要がある」とする見解を示し、3月初旬からは政府などに対し、PCR検査体制の拡充を求めてきたとしています。

    しかし、検査の件数は、感染者が急増した3月下旬以降もなかなか増加せず、専門家会議は、その原因として、検査の調整を行う保健所の業務過多や、入院先を確保するための仕組みが十分機能しない地域もあったこと、検査を行う地方衛生研究所が限られた資源の中で通常の検査も並行して行う必要があること、マスクや防護具の圧倒的な不足などを挙げました。

    その上で専門家会議は、検査が必要と医師が考える、軽症者を含む感染の疑いがある人に対して、迅速かつ確実に実施できる体制に移行すべきだとして、国や都道府県に対して、保健所や地方衛生研究所の体制強化、感染防護具や検査キットの確実な調達、それに、PCR検査を補完する迅速診断キットの開発や質の高い検査体制の構築を求めました。

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    抗原検査キット 来週にも承認へ 加藤厚労相(5/8)

    2020年5月8日

    新型コロナウイルスへの感染を短時間で調べられる「抗原検査」について、加藤厚生労働大臣は来週中にも検査キットを承認できるという見通しを明らかにしました。

    「抗原検査」は新型コロナウイルスに感染しているかどうかを、その場で短時間で調べられる簡易検査です。

    加藤厚生労働大臣は8日の衆議院厚生労働委員会で、抗原検査キットの承認に向けた審査が来週中にも終わり承認できるという見通しを明らかにしました。

    そのうえで、「簡単なキットなので検査の精度は低いが、救急現場など、直ちに判断する必要がある時に使う価値がある」と述べて、承認できれば、PCR検査と組み合わせながら活用を検討していく考えを示しました。

    「抗原検査」をめぐっては安倍総理大臣もPCR検査の前段階として活用し、さらなる検査体制の強化を図る考えを示していました。

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    「PCR検査の時間 大幅短縮の試薬開発」 富士フイルム(5/8)

    2020年5月8日

    富士フイルムの子会社「富士フイルム和光純薬」は、新型コロナウイルスのPCR検査向けに新たな試薬を開発しました。

    この試薬は富士フイルムの全自動検査装置に対応したもので、患者から採取した検体と一緒に装置にセットすれば、検体に含まれるウイルスの遺伝子の増幅から測定までをすべて自動で行うことができるということです。

    これまでPCR検査には4時間から6時間ほどかかっていますが、全自動検査装置と新たな試薬を使うことでおよそ75分に短縮できるとしています。

    富士フイルムの全自動検査装置は、国内の数十の医療機関にすでに導入されているということで、課題となっている検査件数の増加につながるか注目されます。

    開発した会社では「全自動化は熟練した技術を必要とせず、検査時間を最小限にし、医療従事者の感染リスクを下げることができる。新たな試薬によって、医療機関の負担軽減や検査件数の拡大に貢献したい」と話しています。

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    PCR検査の「陽性率」正確な把握へ集計方法など検討 厚労省(5/6)

    2020年5月6日

    新型コロナウイルスに感染しているか確認するPCR検査で、陽性だった人の割合「陽性率」を正確に把握できていないことから、厚生労働省は集計方法などを検討する方針です。

    「陽性率」は緊急事態宣言の解除を判断する指標の一つとされています。

    厚生労働省は全国の都道府県などから報告される検査人数や陽性者数、その割合について公表しています。それによりますと、ことし1月15日から5月3日までの累計で全国で検査を受けた人は15万3581人、このうち陽性だった人の数は1万4895人で、必要な修正を加え算出した割合は9.5%となっています。

    ところが検査人数は検査をした日、陽性者数は陽性と報告された日の集計で、数日のずれが生じることなどから1日ごとの正確な数値は示していません。また、検査人数も実態を正確には反映しておらず、このうち東京都の検査人数には医療機関で行った検査の一部が含まれていません。

    厚生労働省によりますと退院などの際に同じ人が複数回検査を受けることもあるため、検査件数とは別に検査人数を毎日把握することは、対応に追われている自治体にとって負担になるということです。

    厚生労働省は現在公表している割合について、正確な「陽性率」ではないとしていますが、「陽性率」は緊急事態宣言の解除を判断する指標の一つとされることから、今後、集計方法などを検討する方針です。

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    PCR検査体制 整備進む 東京・神奈川(4/30)

    2020年4月30日

    東京都医師会は4月30日に開いた記者会見で、かかりつけ医の紹介で新型コロナウイルスへの感染を確認する「PCR検査センター」が都内の12か所に設置されたことが確認できたとし、今後もセンターの設置に向けて協力を続ける考えを示しました。

    新型コロナウイルスに感染したかどうかを確認するPCR検査をめぐっては、保健所などの相談センターを通じて検査を受けるこれまでの体制では、検査を受けられないという声があがっていたことから、東京都医師会はPCR検査の体制を強化しようと、かかりつけ医の紹介で検査を受けられる「PCR検査センター」の設置を進めてきました。

    東京都医師会は4月30日に開いた記者会見で、都内の各地域の医師会を通じて調べたところ、これまでに都内の12か所に検査センターが設置されたことが確認できたと発表しました。

    そのうえで、すでに設置された地域以外でも検査センターの検討が進んでいるということで、今後さらに設置数は増える見通しだとしています。

    東京都医師会の角田徹副会長は「都内のどこに住んでいても適切にPCR検査が受けられるような体制を今後も作っていく。地域の医師会の状況などを確認しながら環境の整備を進めていきたい」と話していました。

    神奈川では12か所に増加へ

    神奈川県はドライブスルー方式などで検体を採取するPCRの検査場について、5月中旬までに今の県内6か所から12か所に増やす見通しを明らかにしました。

    県は今後、検査場を20か所まで増やしたいとしていて、黒岩知事は「海外で起きているような感染者の爆発的な増加は抑えられているが安心は全くできない。迅速に検査ができる仕組みも整えていきたい」と話していました。

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    新たな抗体検査方法を開発 臨床試験で確認へ 大阪市立大(4/27)

    2020年4月27日

    新型コロナウイルスに感染しているかどうか、現在はPCR検査で確認していますが検査の数が増えないことが課題になっています。大阪市立大学のグループはウイルスに対する抗体を検出し、感染しているかどうか調べる新たな検査方法を開発したと発表し、実際に診断に使えるかどうか臨床試験で確認するとしています。

    ウイルスなどに感染すると、抗体と呼ばれるたんぱく質が作られ、これが血液中にあるかどうか調べる抗体検査で感染した経験の有無が分かります。

    大阪市立大学の城戸康年准教授らの研究グループは、この抗体検査を現在、PCR検査で行っている新型コロナウイルスへの感染の有無の確認に使える新たな方法を開発したと発表しました。

    それによりますと、新たな抗体検査の方法ではウイルスの表面にあるたんぱく質に反応して作られる抗体を検出するということで、感染した直後に作られる抗体も検出しやすくなり、過去に感染した経験だけでなく、現在感染しているかどうかも分かるとしています。

    研究グループはすでに感染した患者と感染していない人を対象に新たな方法が感染の確認に使えるかどうか調べる臨床試験を始めていて、早ければ5月には結果が出るとしています。

    城戸准教授は「PCR検査を補う方法で、結果が早く分かるのが特徴だ。医療現場で速やかに診断に使えるようにしていきたい」と話しています。

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    新型コロナウイルス PCR検査の「陽性率」 全国的に上昇か(4/18)

    2020年4月18日

    新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査で陽性と判定された人の割合、いわゆる「陽性率」が全国的に上昇しているとみられることが分かりました。

    NHKでは、厚生労働省が公表している都道府県などから報告のあったPCR検査を実施した人数のうち、陽性となった人の割合、「陽性率」を調べました。

    厚生労働省によりますと、公表されている検査の実施人数は、東京都など、保健所を通さない民間の検査機関での検査は含まれていないケースなどがあるということで、陽性率はあくまで目安の数字となっています。

    全国の陽性率は、国内で初めて感染者が確認された1月15日から3月14日までが平均で6.2%だったのに対し、最近では、16日までの2週間の平均は12.9%と2倍程度に増えています。

    また、患者の数が増えている地域を都道府県ごとに見てみますと、
    ▽東京都が3月14日までの平均が10%だったのに対し、4月16日までの2週間の平均は56.1%で全国で最も高くなっています。
    ▽埼玉県は3月14日までは6.5%でしたが、16日までの2週間は17.8%。
    ▽石川県は3月14日までは4.7%で、16日までの2週間は19.8%。
    ▽福岡県は3月14日までは0.5%で、16日までの2週間は8%となっています。

    このほか過去のデータが一部、公表されていない自治体については、
    ▽大阪府が16日までの2週間の平均で25.7%、
    ▽神奈川県が19%、
    ▽千葉県が15.6%となっています。

    専門家「潜在的患者が増えてきたか」

    感染症対策に詳しい東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は「陽性率があがっているのは潜在的な患者の数が増えてきたことを示していると考えられる。また、感染の拡大を受けて多くの人が検査を受けるようになったことも理由の1つとして考えられる。陽性率が高まると感染と診断される人の数も増えてくるので、医療への負担が大きくなる。現在、医師が必要と判断しても検査を受けられないケースがあると聞いているが、重症者を救うためにもリスクの高い、高齢者や基礎疾患がある人などを優先的に検査できるように検査態勢を拡充することが必要だ」と話していました。

    感染が拡大している13都道府県の陽性率

    感染が拡大している13の都道府県の陽性率についてみてみますと、いずれも平均で、
    ▽京都府は1月15日から3月14日までが2.7%だったのに対し、4月16日までの2週間では11.4%でした。
    ▽岐阜県は3月14日までは0.8%でしたが、16日までの2週間は11.9%。
    ▽茨城県は3月14日までは県内で感染が確認されず0%でしたが、16日までの2週間は5.9%となっています。

    一方、大きな変化がみられない自治体もありました。
    ▽兵庫県は3月14日までが10.3%でしたが、16日までの2週間は12.7%。
    ▽北海道は3月14日までが10.7%で、16日までの2週間も変わらず10.7%。
    ▽愛知県は3月14日までが10.9%で、16日までの2週間は9.4%となっています。

    民間検査データ含めた陽性率を出すのは困難

    厚生労働省によりますと、民間の検査機関などからはPCR検査の実施件数の報告を受けていますが、これには1人が複数回の検査を受けた場合も含まれ、都道府県別に分けられていないということです。

    このため民間の検査機関などで検査を行った人数を含めた陽性率を出すのは難しいということです。

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    新型コロナウイルスの検査 世界の検査数は? 日本の現状は?(3/18)

    2020年3月18日

    感染拡大が続く新型コロナウイルスについて、これまでに世界の国と地域で行われた感染の有無を調べる検査数を比較したところ、中国と韓国の検査数が突出して多いとみられることが、イギリスの研究者などでつくるグループのまとめで分かりました。

    新型コロナウイルスの検査はいまどのようになっているのか、世界と日本の現状をそれぞれまとめます。

    世界各国の検査数は?

    災害や貧困などに関するデータをまとめているオックスフォード大学の研究者らのグループ「アワー・ワールド・イン・データ」(Our World in Data)は、新型コロナウイルスについて、WHO=世界保健機関や各国政府などが発表したデータを独自に精査・分析してグラフにまとめ、インターネットで公開しています。

    3月13日までに公表されたデータに基づく分析によりますと、世界の国と地域で行われた検査の数は中国・広東省が、推計でが32万件と最も多く、次いで韓国がおよそ25万件、イタリアがおよそ8万6000件、ロシアがおよそ7万7000件で、中国と韓国の検査数が突出して多いとみられることが分かりました。

    人口100万人当たりの検査数は中東のバーレーンが6000件余りと最も多く、次いで韓国が4800件余り、中国・広東省が推計で2800件余りとなる一方、アメリカはCDC=疾病対策センターのデータで40件余りとなっています。

    世界各国の検査体制は?

    ●中国
    これまで世界で最も多く新型コロナウイルスの検査を行ってきた中国では、感染の拡大以降、国内のメーカーが独自に簡易検査用の診断キットなどを開発しました。
    これにより、発生当初は国の保健当局だけで行っていた感染の有無を調べる検査が現場の医療機関などで行うことができるようになり、最初に感染者が相次いだ湖北省武漢市の幹部は2月下旬の時点で、武漢市内だけで1日あたり2万人を検査する能力があると述べました。
    中国政府の幹部も「1日170万人分の検査資材を生産できる」と述べるなど、中国では安定的に検査資材を提供できる態勢ができているとみられています。

    ●韓国
    中国に次いで検査数が多い韓国では、効率よく安全に検体を取るため、車の窓越しで行う「ドライブスルー方式」を導入するなど、全国の600か所近くで検体を採取し、1日に平均およそ1万2000件の検査を行っています。
    ソウル市内の病院では、医療従事者を守るために診療に訪れた患者が電話ボックスのようなブースの中に入り、外にいる医師が手袋に手を通して直接触れずに診療する「ウォーキングスルー方式」を導入するなど、新たな試みも始めています。

    ●イタリア
    感染の拡大が深刻なイタリアでも、1日あたりの検査数は1万件を超えています。
    検査はウイルスの遺伝子を調べるPCR検査で、いまのところ感染者の増加に検査が追いつかない状態にはなっていないということです。

    ●アメリカ
    アメリカでは2月下旬から、検査できる州が増えていますが、1日の検査数は州によっては数件にとどまっているところもあり、十分な検査ができていないという声があがっています。
    こうした中でFDA=食品医薬品局はスイスの製薬会社が作った検査キットを緊急で認可し、ペンス副大統領は今週にも全米の2000を超える研究機関で検査ができるようになるという見方を示しています。
    アメリカ政府は、車に乗ったまま検査を受けられる臨時の検査所が12の州で47か所に設置されるという見通しを示しています。

    WHO事務局長「検査の徹底を」

    新型コロナウイルスの検査をめぐっては、WHOのテドロス事務局長が3月16日の記者会見で、感染の拡大を防止するためには感染者の特定が鍵を握るとして、検査を徹底するよう呼びかけています。

    データをまとめた「アワー・ワールド・イン・データ」も「全体の感染者数を知るためには広く検査を行うことが必要だ」と指摘しています。

    日本国内 1日に可能な検査数は約7500件に

    新型コロナウイルスの感染が拡大する中、厚生労働省はウイルス検査の体制拡大を図ってきました。

    1日に可能な検査は、2月18日には約3800件でしたが、3月16日の時点では約2倍の7504件に増えました。

    ただ、厚生労働省によりますと、韓国では毎日1万件以上の検査が行われ、日本はそれよりもまだ少ないということです。

    実施機関の内訳は
    ▽国立感染症研究所が400件、
    ▽各地の検疫所が700件、
    ▽地方衛生研究所と保健所が3285件、
    ▽民間の検査会社が11社で2294件、
    ▽大学が25校で675件、
    ▽医療機関が6施設で150件となっています。

    さらに政府は3月中に8000件まで増やしたいとしています。

    日本国内 実際の検査件数は 可能な数の2割ほど

    一方、実際に行われた検査件数は、2月18日から3月15日までの間に、合わせて3万2125件実施されています。

    厚生労働省によりますと、このうち、8割以上にあたる2万6241件は各都道府県にある地方衛生研究所や保健所でした。

    また、国立感染症研究所は2702件で全体の8%、検疫所が1826件で6%となっている一方で、民間の検査会社は871件で3%、大学が426件で1%、医療機関が59件で1%未満と、民間での検査はまだ一部にとどまっています。

    1日あたりの平均では、2月18日から24日までの1週間は901件だったのに対して、直近の3月9日から15日までの1週間は1364件となっています。

    検査が可能な件数はおよそ1か月で2倍に拡充したものの、実際に行われた検査は全体の2割ほどとなっています。

    ウイルス検査に公的医療保険適用も全体の2%

    ウイルス検査は3月6日から公的医療保険が適用され、医師が必要と判断した場合、保健所を通さずに検査が可能になりましたが、こうした検査は集計できた分をみるとまだ全体の2%ほどとなっています。

    現在は原則として「37度5分以上の発熱が4日間以上続き」「強いだるさや息苦しさがある人など」が帰国者・接触者相談センターに連絡したうえで専門の外来を受診し、そこで医師が必要と判断した場合にウイルス検査が実施されます。

    厚生労働省は「高齢者など重症化しやすい人たちに対して速やかに検査を行い、医療につなげていくことが重要だと考えている。ただ、検査を受けたい人が受けられないケースがあるという指摘もあり、体制をさらに強化していきたい」としています。

    「ドライブスルー方式」日本での検討は?

    韓国やアメリカでは、効率よく安全に検体を取るため、車の窓越しに行う「ドライブスルー方式」のウイルス検査を実施しています。

    一方、日本での導入について厚生労働省は「医師が診察したうえで検査が必要とされた人が受けるのであれば、ドライブスルー方式についても検討することはあり得る」としています。

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    保険適用の新型コロナウイルス検査 国内全体の2%(3/18)

    2020年3月18日

    新型コロナウイルスの検査が3月6日から公的医療保険に適用され医師の判断で検査が行えるようになりましたが、こうした検査は10日間で320件余りと国内全体の検査数の2%ほどだったことが分かりました。厚生労働省は集計が済んでいない自治体もあり、保険適用の検査が着実に進んでいるかどうかは現時点で評価できないとしています。

    新型コロナウイルスの検査は3月6日から公的医療保険が適用され、医師が必要と判断した場合、保健所を通さずに検査が可能になりました。

    ただし、院内感染を防止する観点などから、検査を実施するのは当面の間、設備や人員などの体制が整った「帰国者・接触者外来」か、同様の機能を持つ医療機関に限られています。

    厚生労働省によりますと、3月6日から15日までの10日間に医療保険が適用され民間の検査機関や大学などで行われたウイルス検査は合わせて329件で、1日当たりの平均は32.9件でした。

    一方、この10日間に国内全体で行われた検査数は、保健所を通した従来の行政検査も含めて1万3000件余りで、保険適用で行われたのは全体の2%余りとなります。

    厚生労働省は保険適用の検査件数をまだ集計できていない自治体もあり、実際の数はこれより増える見込みだとしたうえで、「保険適用の検査が着実に進んでいるかどうかは現時点では評価できない」としています。

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    新型ウイルス ドライブスルー方式検査 問題なし 加藤厚労相(3/17)

    2020年3月17日

    新型コロナウイルスの検査をめぐって、加藤厚生労働大臣は、衆議院厚生労働委員会で、感染の防止に十分に配慮して対応するのであれば、車に乗ったまま受けられるドライブスルー方式で検査を行っても問題はないという考えを示しました。

    この中で、加藤厚生労働大臣は「私の地元でも、疑いのある人が待合室に入られると、患者さんが感染するおそれがあるということで、車に乗ったまま駐車場で待っていただき、車まで、お医者さんが行って、診断してくれるケースもある」と述べました。

    そのうえで「感染の防止や、ほかの患者さんが感染しないように十分に配慮して、対応して頂けるなら、『ドライブスルー』と言うかどうかは別に、いろんなやり方があってしかるべきだ」と述べ、ドライブスルー方式で検査を行っても問題はないという考えを示しました。

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