2021年3月24日
新型コロナウイルスの感染が今後、急拡大した場合に備え、さらに多くの病床を確保するため厚生労働省は都道府県に対して現在の病床確保計画の見直しを求めました。感染者数が第3波の倍に上った場合などを想定するとしています。
厚生労働省は2020年6月、都道府県に対してピーク時の入院患者数の新たな推計を示し、これを踏まえた病床の確保計画を策定するよう求めていました。
しかし、今回のいわゆる第3波では各地で過去最大の感染拡大となり、確保済みの病床が人手不足のためすぐには使えなかったり、症状が改善した患者の転院が進まなかったりしたことなどから、医療体制がひっ迫しました。
このため厚生労働省は3月24日、都道府県に対して通知を出して現在の病床確保計画を見直すよう求めました。
1日当たりの新規感染者数が第3波の倍に上った場合などを想定し、コロナ以外の患者の入院や手術を延期して、病床を確保するなどといった緊急的な対応の方針について、4月末までにとりまとめるよう求めています。
厚生労働省は、一般の医療を相当程度制限せざるをえないもので、あくまで時限的・緊急避難的な対応だとしています。
そのうえで、医療機関の間の役割分担を徹底するなどして、さらに多くの病床を確保する計画について、遅くとも5月中には策定するよう求めました。
日本医師会会長「病床確保に努力しても限界ある」
日本医師会の中川会長は記者会見で「第3波を超える第4波が到来すれば、すべての医療において、何らかの制限をしなければならない厳しい選択を迫られる。どんなに病床確保に努力しても限界があるのは分かりきったことなので、感染者数をいかに抑えるかに最大の力を注ぐべきだ」と述べました。