救急患者「搬送が困難な事例」
4週連続で過去最多を更新

2023年1月17日

1月15日までの1週間に、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送が困難な事例」は、8161件と前の週から603件増えて、4週連続で過去最多を更新したことが総務省消防庁のまとめでわかりました。

総務省消防庁は、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなどを「搬送が困難な事例」として、県庁所在地の消防本部など全国の52の消防機関の報告をもとに毎週、取りまとめています。

1月15日までの1週間は8161件で、過去最多だった前の週(7558件)より603件増えて、4週連続で過去最多を更新しました。

これは、新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年度の同じ時期(1530件)の5.33倍となっています。

このうち、新型コロナウイルスの感染が疑われるケースは2340件で、全体の30%近く(28.6%)を占めています。

「搬送が困難な事例」を地域別にみると、
▽東京が3403件
▽大阪市が676件
▽横浜市が541件
▽名古屋市が316件
▽福岡市が271件
▽仙台市が132件
▽札幌市が187件などとなっています。

新型コロナウイルスの感染拡大前に当たる2019年度の同じ時期と比べると、
▽東京が5.43倍
▽大阪市が4.07倍
▽横浜市が7.62倍
▽名古屋市が24.31倍
▽福岡市が18.07倍
▽仙台市が3.38倍
▽札幌市が3.46倍などと、各地で感染拡大前に比べ「搬送が困難な事例」が増え続けています。

総務省消防庁は「搬送困難な事例が高い水準が続いていて、厳しい状況に危機感を持って推移を注視している。引き続き救急車の適時適切な利用に協力をお願いしたい」としています。