妊婦の感染急増
コロナ病床確保の病院へ転院 断られるケースも

2022年8月9日

地域の産婦人科の中には妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、出産をコロナ病床のある病院で行ってもらうところもありますが、感染拡大で転院を断られるケースもあり、今後、クラスターを避けながらも感染した妊婦の出産に対応していかざるをえないと苦慮しています。

東京 墨田区の産婦人科病院「中林病院」は、医師や看護師など常勤で20人余りが勤務し、年間およそ700人の赤ちゃんを取り上げています。

この病院に通う妊婦の感染は6月は週に2、3人だったのが、7月は週に10人ほどと第7波で増加していて、看護師が自宅療養中の妊婦や保健所などの電話対応に追われる時間が増加しています。

また、施設が狭く、院内でのクラスターを避けることが難しいとして、感染した妊婦の出産はコロナ患者用の病床を確保している周産期医療センターに引き継いで行うことにしていますが、中には「コロナ病床のベッドがいっぱいだ」として別の受け入れ先を探したケースもあったということです。

また、病院で出産した翌日に熱が出て感染が発覚した人もいたということで、病院では、今後、院内でのクラスターを避けながら感染した妊婦の出産にも対応していかざるをえないと苦慮しています。

中林靖副院長は「感染対策ができている病院でも無限にベッドがあるわけではないので、受けてくれなかった時に次はどうするのか。自分たちが感染した妊婦の出産に対応する場合にはどのような準備をしてやらなければならないのか、真剣に考えていかなければいけない時期にきた」と話していました。