新型コロナ 病院が危機感
“必要な人に医療届かないおそれ“

2022年7月23日

新型コロナウイルスの感染の急拡大で、埼玉県内の病院では診療時間の前から100人ほどの患者が行列を作り、受け付け時間を短縮せざるをえない状況が続いていて、病院は、必要な人に医療を届けられていないおそれがあるとして危機感を募らせています。

埼玉県川口市の埼玉協同病院ではコロナの専用病床を設け、軽症から中等症までの患者を受け入れているほか、発熱外来も設置しています。

7月22日は、診療開始の1時間前には病院の入り口におよそ100人の患者が列を作り、病院が開くと同時にスタッフから待合室に案内されていました。

発熱外来を訪れる患者は7月初めには、一日平均で40人ほどでしたが今週は160人を超えていて、このうちおよそ7割が陽性だったということです。

7月22日も患者が殺到したため、通常は午前8時すぎから10時半まで行われる午前の診療の受け付けは午前9時で締め切られました。

また、患者の急増に対応できず、現在は救急の受け入れ要請の半分以上を断らざるをえない状態だということです。

病院では必要な人に医療を届けられていないおそれがあるとして、危機感を募らせています。

埼玉協同病院で救急科部長を務める後藤慶太郎医師は「病院の電話がつながらない、つながっても受け入れてもらず、病院に行くことを諦め検査や診察を受けられない患者が多数いると思われる。コロナ以外の患者にも受診控えが起きているとみられ、救急で早く対応して治療をしていれば救える命が救えていない事態が起きているのではないかと心配している」と話していました。