新型コロナ 新規感染者
半数が10代と20代 3回目接種率低い傾向

2022年4月2日

3月29日までの1週間に、新型コロナウイルスに新たに感染した人を年代別にみると、10代と20代の若者が全体のおよそ半数を占めていることが、厚生労働省のまとめで分かりました。一方、この世代の3回目ワクチンの接種率はほかの世代より低い傾向が続いていて、専門家は「若者は活動範囲が広く感染しやすい状況なので、入学や就職などに伴う新生活で感染リスクを点検するとともに、ワクチン接種も進めてほしい」と指摘しています。

東京都 3回目ワクチン接種率 20代23.8% 12歳~19歳5.8%

全国で新型コロナに新たに感染した人は2022年2月上旬以降、1か月以上緩やかな減少傾向が続いていましたが、厚生労働省が全国の自治体を通じて集計した「HERーSYS」の速報値では3月29日までの1週間で28万2853人と前の週に比べて4万4052人増えました。

増加した人数を年代別にみると、20代が全体の26%にあたる1万1578人で最も多く、次いで10代が23%の9938人と、10代と20代の若者で全体の半数近い49%を占めています。

これに対し、3回目ワクチンの接種率は政府が4月1日公表した集計では、全人口の41.5%となっています。

接種率を年代別に公表している東京都のデータでは、3月31日の時点で70代や80代以上は80%を超えていますが、20代は23.8%、12歳から19歳は5.8%などと若い年代の接種率が低い傾向が続いています。

専門家「若者は活動範囲が広く感染しやすい ワクチン接種を」

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は現在の感染状況について「日本全体でみてもリバウンドの傾向があるが、特に20代など若者の感染が増えている。まん延防止等重点措置が解除されたことで、食事を楽しむ機会が増えていることが大きな原因になっているのではないか」と指摘しました。

そのうえで「新年度になり入学や就職で新生活を始める若者もいると思うが、新しい場所でも感染のリスクがある場所の点検や確認をして、飲食も感染対策をしながら行ってほしい」と述べました。

3回目のワクチン接種については「若い世代の接種率は低いが、若者は飲食の機会が多かったり活動範囲が広かったりして特に感染しやすい状況にあるので、接種を進めてほしい」と話しています。

国際医療福祉大学 入学式で新入生にワクチン接種を呼びかけ

新年度がスタートし、4月2日は各地の大学で入学式が行われ、新入生にワクチンの接種を呼びかける大学もありました。

東京・港区のキャンパスで行われた国際医療福祉大学の入学式では、感染防止のために事前に新入生全員にPCR検査を受けてもらい、会場の入り口で検温も行われました。

出席したおよそ120人の新入生を前に鈴木康裕学長は「入学直後にはワクチンの3回目接種を希望する学生には受けられるようにしています。今後も医療従事者を育成する大学として、感染対策に万全を期し対面での授業を実施していきたい」と呼びかけていました。

この大学では2021年7月から職域接種を実施していて、学生のワクチンの2回目の接種率は92%余りに上っているということです。

3回目の接種も2022年3月から始めていて、新入生に対してもオリエンテーションなどを通じて接種を呼びかけていくことにしています。

千葉県出身の新入生の女子学生は「高校では行事が中止になって悲しかったので入学式に参加できてうれしいです。たくさん自粛して、遊びに行きたいですし、外に出たいという気持ちはしかたないと思います。大学生活ではいろんな人と関わりたいのでワクチンは接種しようと考えています」と話していました。

神奈川県出身の新入生の女子学生は「2回目までは副反応がひどかったのですが、重症化を防ぐためには受けた方がいいと思います。SNSの情報で受けない方がいいと思っている友人もたくさんいたので、正しい情報をちゃんと得たいです」と話していました。

国際医療福祉大学の中田光紀学部長は「3回目の接種が家族や社会を守る上で、非常に重要だということをしっかり伝えたい。コロナ禍はまだ続くと思うが、こうした状況にも負けない気持ちやどう乗り越えていくのかを学び、力をつけて社会に出てほしい」と話していました。