尾身会長
「感染は二極化 重症化リスクある人に重点を」

2022年2月10日

「基本的対処方針分科会」の尾身茂会長は会合のあと、報道陣の取材に応じ、政府の方針を了承したと述べました。

尾身会長は「基本的対処方針にはオミクロン株の特性に応じた対策を求める提言が反映された。今、20代や30代の感染は落ち着いてきているが、基礎疾患のある高齢者や10歳以下の感染が多くなり、感染は二極化している。2月10日の分科会では、重症化リスクの高い高齢者のケアに重点を置く保健医療体制にシフトすること、学校などでの学びを確保しつつ、周りの大人が感染対策を徹底し、子どもたちを感染から守る対策が重要だということ、それに重点措置の解除など出口戦略を含め、これからどうなるか新型コロナ対策分科会で議論すべきだという意見があった」と説明しました。

そのうえで「オミクロン株では感染の場は飲食店だけでなく家庭や職場などにも多様化していて、感染者の年代は10代以下と高齢者に二極化していて、一部の人は重症化している。メリハリをつけて、重症化するリスクのある人に重点を置く医療・保健体制が必要で、感染対策も飲食店だけでは意味がなく、幅広い対策にシフトする必要がある」と述べました。

また出口戦略について、尾身会長は「オミクロン株を想定した対策とともに、またウイルスが変化することも考えて、どのようにすれば少しずつ出口が見えるか、明確にすべきではないかという意見があった。今後については、社会経済の機能をフルに戻すべきという意見がある一方、慎重に考えるべきだという意見もある。オミクロン株とインフルエンザの違いも分析しながら、科学的根拠をもとに、医療や保健体制、検査などの戦略について議論したい」と述べました。