東京 医療と検査の体制は

2020年7月6日

東京都内の入院患者の数は、5月に大幅に減少したあと、ほぼ横ばいで推移していましたが、6月下旬以降、再び増加し始めています。

入院患者は増加傾向 うち重症患者は減少傾向

都によりますと、今の形でとりまとめを始めた5月12日に1413人だった入院患者は6月20日には204人と最も少なくなりました。

ところが、その後、再び増加し始めていて、5日は369人となっています。これは5月末頃と同じ水準です。

一方、入院患者のうち、集中治療室や人工呼吸器での管理が必要な重症患者の数については、減少傾向が続いていて、4月末には100人余りだったのが、5日は9人になりました。

病床 約1000床は確保

これに対して、東京都は新型コロナウイルスの入院患者を受け入れる病床としておよそ3000床を準備しておくことで医療機関と合意できていて、このうちおよそ1000床はすでに患者を受け入れられる状態になっています。

6月29日に「基準日」=医療体制の確保計画の参考

また、厚生労働省は病床の準備など医療体制の確保に関連して、6月、都道府県に対して、自粛などの社会への協力要請を行う「基準日」を示しています。

「基準日」とは、人口10万人あたりの新たな患者数がそれまでの1週間で2.5人を超えた日のことで、その後、社会への協力要請を行うよう求めています。

東京都では6月29日にこの「基準日」に達していて、7月6日でちょうど1週間となります。

「基準日」は都道府県が医療体制の確保計画を立てるために参考にするもので、必ずしも目安に従う義務はないものの、厚生労働省は都道府県などに示した資料の中で「効果的な協力要請が行われないと、長期にわたって感染が拡大し続ける『オーバーシュート』が起きるおそれがある」と説明しています。

PCR検査は増加傾向

東京都内でPCR検査を受けた人の数は日によってばらつきがありますが増加傾向が続いています。

東京都によりますと、緊急事態宣言が解除された5月25日に都内でPCR検査を受けた人は920人でしたが、6月12日には2122人と、初めて2000人を超えました。7月1日には過去最多の2357人にのぼりました。

7月6日午前の時点でまとまっている最新のものは7月3日の人数で、1001人となっています。

陽性率も増加

また、検査を受けた人のうち感染が確認された人の割合「陽性率」も増加しています。

5月中旬以降は1%前後で推移してきましたが、6月に入って2%前後に、7月1日には4%に達し上昇が続いています。7月3日の「陽性率」は4.5%でした。