東京 連続100人超
医療と検査の体制は

2020年7月3日

東京では7月3日、新たに124人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、2日連続で100人を超えました。東京の医療と検査の体制はどうなっているのでしょうか?

入院患者数と病床数

東京都によりますと、都内で入院している新型コロナウイルスの患者は、ここ最近、増える傾向にあり、1週間前の6月26日は223人だったのが、7月2日の時点で296人でした。

ただ、都が正確な入院患者の数を把握できるようになって以降、入院している人が最も多かったのは5月12日の1413人で、そのころに比べると大幅に減っています。

また、入院患者のうち重症の患者の数は、都が統計を取りはじめた4月27日以降だと、28日と29日に105人にのぼりましたが、その後、感染の確認が減るにしたがって、徐々に減っていき、7月2日は9人でした。

都内では、現在、新型コロナウイルスの入院患者を受け入れるためにおよそ1000床が確保されていて、都は「現時点では病床に余裕がある」と説明しています。

ただ、今後、感染が広がる事態に備えるため、都は都内の医療機関に対し3000床の確保に向けて準備するよう6月29日に要請しています。

一方、最近、感染が確認される人の中で目立っている若い世代には軽症や無症状の人が多く、都は、こうした人たちが入院せずに療養するためのホテルの確保を進めています。

現在、都内で2棟、およそ400人分を確保していて、さらに7月中に新たな宿泊施設を確保することにしています。

検査体制

都内には7月3日の時点で新型コロナウイルスのPCR検査を受けることができる医療機関の専用外来が102か所あり、都によりますと、4月末から22か所増えたということです。

自治体などが設置したPCR検査だけを行う「検査センター」は31か所整備されていて、4月末の16か所から2倍近くに増えました。

都内の1日あたりの検査の処理能力は4月末の時点から変わっておらず、今も最大およそ3100件だということです。

都は、今後、大学などの研究機関の活用などで1日に最大1万件の処理能力の確保を目指すとしています。

また、短時間で調べることができる「抗原検査」は、現在、少なくとも都内82の医療機関で導入されていて、都はPCR検査とともに抗原検査の活用も進めて検査体制の強化を図りたいとしています。

都内各区 PCR検査体制強化急ぐ

千代田区は4月下旬から区役所の近くにある広場に「PCR検査センター」を設け、区の医師会と協力して週に3回、検査を行っています。

検査室は冷房が効いたトレーラーハウス内に設けられ、発症からの日数に応じて、鼻の奥を拭う検査と唾液を使った検査を使い分けているということです。

区によりますと、この検査センターでは1日に最大20件まで検査が可能だということで、緊急事態宣言が解除された5月下旬以降はおおむね5件以下だったということです。

千代田保健所地域保健課の山崎崇課長は「感染者の増加に備えて検査数の上限を引き上げられるよう区内の医療機関と連携して取り組みを進めたい」と話していました。

また、墨田区では4月上旬に「PCR検査センター」を立ち上げ、1日に20件程度の検査を行ってきましたが、検査が必要な人が減ったため5月末にいったんセンターを休止しているということです。

現在は、区内の「帰国者・接触者外来」で1日50件ほどの検査を行っているほか、濃厚接触者が多くいる場合などは保健所の専属のチームが直接、出向いて検体を採取しています。

また、独自に検査装置を配備し、緊急時に自前でPCR検査が行える体制を整えました。

区によりますと、6月中旬以降、検査の「陽性率」が徐々に高まっていることから、区は近く「PCR検査センター」を再開する予定で地元の医師会とともに準備を急いでいるということです。

墨田区保健所の西塚至所長は「感染の疑いがあった場合、ちゅうちょなく検査に進めるよう、医療機関に協力を得ながら検査体制を強化していきたい」と話していました。