新型コロナの警戒状況を示す大阪独自の基準「大阪モデル」。
5月23日から警戒解除を示す緑色になりました。
府の認証を受けた飲食店に対する人数や時間制限の要請も1年半ぶりに解除されます。
街の人や飲食店ではどのように受け止めているのでしょうか。
1年半ぶりに制限解除
大阪府は、府内の飲食店に対し、同一テーブル4人以内で2時間程度といった制限を要請していました。
しかし、新規感染者は増加傾向にはなく、感染は比較的、落ち着いているなどとして、府の認証を受けた店については、5月23日から解除しました。
飲食店に対する制限の要請がなくなるのは1年半ぶりです。
また、感染者数や病床の使用率などをもとに警戒レベルを示す独自の基準「大阪モデル」についても、警戒を示す「黄色」から、警戒解除の「緑」に切り替わりました。
大阪のシンボルの足元で…
大阪のシンボル、通天閣では、これまで「赤」や「黄色」のライトアップで警戒状況を伝えてきましたが、5月23日夜から1週間、およそ7か月ぶりに「緑」になります。
通天閣の観光客は徐々に戻り始めていて、大型連休ごろからは、通天閣を訪れる日本人の観光客はコロナ以前と同じくらいまで回復してきているということです。
通天閣観光の高井隆光社長は「ようやく『緑』を点灯できる。インバウンドの客はまだ戻ってきていないが、このまま、感染対策に努めたうえで、外国人観光客の受け入れ再開にも期待したい」と話しています。
客は戻ってくるのか…
通天閣のおひざもと、飲食店が建ち並ぶ新世界。
大阪モデルの警戒レベルに合わせた通天閣の黄色や赤のライトアップは危機感を伝えられる一方、地元の飲食店からは街全体がネガティブな印象にとらえられてしまうなどど懸念の声もあがっていたといいます。
コロナ禍で客足が遠のいたことで、飲食店のなかには閉店を余儀なくされるところやしばらく休業していたところもあるということです。
今回、飲食店への府の要請が解除されたことについて、街の人に聞いてみると…
50代男性「長い間、飲み会ができていなかったので、家族8人ほどで誕生日会をしたい」
40代男性「制限が緩和されたとしてもすぐに大人数での飲み会に参加するのは違和感がある」
コロナ禍で変わる飲み会
コロナ禍で、飲み会に参加しなくなった人が大幅に増えたことを示す調査結果もあります。
この調査は、東京などに拠点のあるIT企業「LASSIC」が2021年8月、インターネット上で全国の20歳代から60歳代の合わせて1035人を対象に行いました。
それによりますと、「飲み会に参加しない」と答えた人の割合が、
▼新型コロナの感染拡大前は
▽男性が24%、
▽女性が32%だったのに対し、
▼コロナ禍では
▽男性が58%、
▽女性が66%と、2倍以上に増えているということです。
また、新型コロナの終息後に飲み会の頻度をコロナ前に戻したいか尋ねたところ、
▼「戻したい」「どちらかといえば戻したい」は
▽男性は40%、
▽女性は35%でしたが、
▼「戻したくない」「どちらかといえば戻したくない」が
▽男性は33%、
▽女性は31%で、
▼「飲み会に参加しない」が
▽男性は25%、
▽女性は33%となりました。
これについて、調査を行ったIT企業は「飲み会はふだんの仕事で関わりが少ない人と交流できるなどメリットはあるが、人によっては苦痛やストレスに感じてしまう場合もあり、コロナ禍でコミュニケーションの在り方が見直されているのではないか」としています。
どうなる?ビアガーデン
気温が高くなると、ビールを求めて多くの人でにぎわうのがビアガーデン。
しかし、大阪・梅田のビアガーデンでは制限要請が解除されても、テーブルの配置やアクリル板など感染対策はこれまでどおりの対策を継続するということです。
制限が解除された初日の5月23日も、来店した客は2,3人のグループが目立ちました。
クラフトビアガーデンの長沼徹也副支配人は「4人の制限、時間制限、頭の片隅に残っているでしょうし、そんなにすぐには変わらない。飲食業界はこれまで厳しかったので、雰囲気が変わってほしいが、感染対策を続けながら少しずつ変わっていくしかない」と話しています。
認証店での人数制限などはなくなりましたが、店側は冷静に受け止めているようです。
今回の解除は、重症化しにくいオミクロン株の特性を踏まえての判断なので、感染対策はこれまでと同じように気をつけて楽しんでください。