大型連休
2021年5月6日
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3回目の緊急事態宣言を受け、都道府県をまたぐ移動の自粛が呼びかけられた2021年の大型連休。どれだけの人が移動をしたのか、ビッグデータを分析した結果、東京から出た人は2020年の2倍以上、大阪から出た人は2020年の1.8倍近くに増えたことが分かりました。
東京と大阪の人の移動 ビッグデータで分析
NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、5月1日から5月5日までの5日間に東京と大阪から移動した人の数を分析しました。
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その結果、東京から出た人は、1回目の緊急事態宣言が出ていた2020年の大型連休と比べて106%(2.06倍)増加しました。
また、大阪から出た人は、2020年より77%(1.77倍)増加しています。
一方、平成から令和への「改元」に伴って10連休となった2019年と比べると、▽東京から出た人は27%減、▽大阪から出た人は41%減となりました。
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では、東京や大阪からどこに向かったのか。
2020年より大きく増加したのは沖縄で、東京からの人は2020年より353%(4.53倍)増加したほか、大阪からの人は2020年より341%(4.41倍)増加しました。
また山梨と長野も東京や大阪から訪れた人が増えていて、いずれも200%以上(3倍以上)の増加となっています。
さらに北陸新幹線が通る石川と富山にも東京から多くの人が訪れていて、▽石川は2020年より267%(3.67倍)増▽富山は226%(3.26倍)増となっています。
今回のデータ分析では東京や大阪から訪れた人の数が2020年より減った都道府県は1つもありませんでした。
2020年の緊急事態宣言時と比べて、ステイホームを徹底する難しさが改めて浮き彫りとなりました。
※海外に移動した人は含まず
※2021年5月1日~5月5日/2020年5月2日~5月6日/2019年4月27日~5月6日の1日平均を比較
緊急事態宣言 各地の人出は
大型連休の最終日となった5月5日、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人出は、2回目の宣言のときよりはいずれも減少しましたが、2020年の1回目の宣言のときと比べると2倍以上となっています。
NHKは、IT関連企業の「Agoop」が利用者の許可を得て個人が特定されない形で集めた携帯電話の位置情報のデータを使って、3回目の緊急事態宣言が出されている東京、大阪、兵庫、京都の主な地点の人の数を分析しました。
分析した時間は、日中が午前6時から午後6時まで、夜間が午後6時から翌日の午前0時までです。
2回目の宣言時より減少
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それによりますと、大型連休の最終日となった5月5日の人出は、2回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均よりいずれも減少しました。
減少幅は
▽東京駅付近で日中は8%、夜間は6%
▽渋谷スクランブル交差点付近では日中、夜間とも23%
▽大阪梅田駅付近で日中は58%、夜間は54%
▽神戸市の三ノ宮駅付近で日中は33%、夜間は32%
▽京都駅付近で日中は24%、夜間は22%でした。
1回目の宣言時より大幅増
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一方、2020年の1回目の宣言が出ていた期間の土日祝日の平均と比べると2倍以上に増えました。
増加率は
▽東京駅付近で日中が172%(およそ2.7倍)、夜間が170%(およそ2.7倍)
▽渋谷スクランブル交差点付近で日中が121%(およそ2.2倍)、夜間が148%(およそ2.5倍)
▽大阪梅田駅付近で日中が180%(およそ2.8倍)、夜間が194%(およそ2.9倍)
▽神戸市の三ノ宮駅付近で日中が170%(およそ2.7倍)、夜間が193%(およそ2.9倍)
▽京都駅付近では日中が214%(およそ3.1倍)、夜間が224%(およそ3.2倍)でした。
新幹線 特急の利用者 2020年の5倍以上
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JR各社によりますと大型連休の新幹線と特急列車の利用者数は、新型コロナウイルスの感染拡大前のおととしの同じ時期と比べると70%以上減少し、記録が残る平成2年以降、2番目に少なくなりましたが、2020年の同じ時期と比べると5倍以上に増えました。
JR各社は、4月28日から5月5日までの大型連休を含む期間の新幹線と特急列車の利用状況を発表しました。
それによりますと、新幹線と特急列車をあわせた利用者数はおよそ295万人で、新型コロナウイルスの感染拡大前のおととしの同じ時期と比べると74%減少しました。
各社ごとに2019年の同じ時期と比べると▽JR西日本が78%減少、▽JR東日本とJR東海が73%減少、▽JR北海道とJR四国が72%減少、▽JR九州が70%減少となっています。
JRによりますと、2020年は全国で緊急事態宣言が出されていて、記録が残る平成2年以降最も少なくなりましたが、2021年はそれに次いで2番目に少なくなりました。
一方、各社ごとに2020年の同じ時期と比べると▽JR北海道が5.1倍、▽JR東日本が6.2倍、▽JR東海が5.3倍、▽JR西日本が5.2倍▽JR四国が3.6倍、▽JR九州が7.1倍で全体では5.6倍に増えました。
空の便 2020年の約10倍
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大型連休の期間中、国内の空の便の利用者数は100万人を超え、2019年よりは大幅に少ないものの、全国に緊急事態宣言が出ていた2020年のおよそ10倍に上りました。
国内の主な航空会社11社のまとめによりますと、4月29日から5月5日までの7日間に国内の空の便を利用した人はおよそ108万人でした。
これは10連休となった2019年のおよそ398万人よりは大幅に少ないものの、2020年の同じ期間の10.3倍に上ります。
このうち羽田空港や大阪空港などと▽中国・四国方面を結ぶ便の利用者は全日空で2020年の16倍、日本航空で12倍に上ったほか、▽全日空の九州や北海道とを結ぶ便で11倍以上、▽日本航空の東北・北陸とを結ぶ便でも9倍以上に増えました。
一方、国際線を運航する7社のうち、現在も運航しているのは3社のみで、大型連休期間中に国際線を利用した人は2020年の2.6倍に増えたものの3社あわせておよそ2万人でした。
高速道路 2020年の約2倍
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大型連休の期間中の高速道路の交通量は、新型コロナウイルスの感染拡大前の同じ時期と比べると、40%以上減りましたが、2020年の同じ時期と比べるとおよそ2倍に増えました。
高速道路各社によりますと4月28日から5月5日までの大型連休を含む期間、全国の主要な高速道路の1日あたりの平均交通量は、2万8900台でした。
新型コロナウイルスの感染拡大前の2019年の同じ時期と比べて43%減少しましたが、全国で緊急事態宣言が出されていた2020年の同じ時期と比べるとおよそ2倍に増えました。
また、渋滞についても▽30キロ以上の渋滞の回数が6回、▽10キロ以上の渋滞の回数が92回と、いずれも2019年に比べて1割から2割程度にとどまりました。
高速道路各社は引き続き、5月9日まで全国の高速道路を対象に休日割引の適用をとりやめ、不要不急の移動を自粛するよう呼びかけています。