緊急事態宣言 9月12日での解除
各知事から“難しい”の声

2021年9月6日

緊急事態宣言の期限が9月12日に迫っていることについて、大阪府の吉村知事は記者団に対し、府内では依然、医療のひっ迫が続いているとして、宣言の延長はやむをえない状況だという認識を示しました。

愛知県の大村知事は、県内の新型コロナウイルスの感染状況について「引き続き大変厳しい状況だ」と述べ、9月12日で緊急事態宣言を解除するのは難しいという考えを示しました。

宮城県の村井知事は、感染者は減少傾向にあるものの、措置や規制の全面的な解除は難しいとして、まん延防止等重点措置への移行など段階的に解除を進めるべきだという考えを示しました。

大阪府 吉村知事「新規感染者数 減少傾向か分からない」

大阪府の吉村知事は、現在の感染状況について「新規感染者数の倍加速度は鈍化しているが、確実に減少傾向に入ったかどうかは分からない」と述べました。

そのうえで、緊急事態宣言の期限が9月12日に迫っていることについて「現時点で国に要請をしているわけではないが、医療のひっ迫状況を考えると延長はやむをえない」と述べました。

一方、吉村知事は、重症病床の使用率が50%に上った場合、大規模商業施設の休業やイベントの中止の要請に踏み切るとしている方針について「感染者数が減少すれば、重症患者や入院が必要な患者も少し遅れて下がってくる。基準は変わらないが、感染者数が増加傾向か減少傾向なのかも踏まえ、判断したい」と述べ、今後の感染状況を注視していく考えを示しました。

愛知 大村知事「新規陽性者数頭打ちも 引き続き厳しい状況」

9月6日の記者会見で、愛知県の大村知事は「新規の陽性者数は8月末(まつ)がピークで、頭打ちになったと思うが、引き続き大変厳しい状況であることに変わりはない」と述べました。

そのうえで、9月12日が期限の緊急事態宣言について「新規陽性者の数が1000人を超えている厳しい状況の中で、解除は難しいのではないか。国に延長を要請するかどうかはこれから考えるが、情報共有をしながらよく話をしていきたい」と述べました。

一方、大村知事は、常滑市で開かれた野外の音楽フェスティバルに参加した人を対象に、県と名古屋市が実施している無料のPCR検査の結果、これまでに2人の感染が確認されたと明らかにしました。

このほか、9月11日に名古屋市東区の愛知芸術文化センターに主に若者を対象とした大規模接種会場を設けることに関連して、9月8日正午から無料通信アプリのLINEで予約受け付けを始めると発表しました。

宮城 村井知事「一気に解除とはならないのでは」

宮城県の村井知事は9月6日の定例の記者会見で、県内の感染状況について「県民の皆様のご協力で感染者が押さえ込まれている。病床使用率も50%前後で、このままいけば『ステージ3』の指標になると思うが、重症者用のベットがまだ空いていない」と述べました。

そのうえで村井知事は、緊急事態宣言を延長すべきかどうか問われ「感染者数が下がってきたとはいえ、一気にすべてを解除するということにはならないのではないか。『まん延防止等重点措置』に移行する可能性もある」と述べ、全面的な解除は難しく、段階的に進めるべきだという考えを示しました。

一方、村井知事は、若い世代のワクチン接種率が低く、感染も拡大していることへの危機感を示したうえで「50歳未満の感染者でワクチンを1回でも打った人は重症化していない。早く若い人たちにワクチン接種してもらいたい」と述べました。

そのうえで、JR仙台駅東口の大規模接種会場で宮城県内に住む16歳から24歳以下の人に限定した予約枠を設けているので、積極的に活用してほしいと呼びかけました。