東京 コロナ感染急拡大続く
4連休は五輪で人出増加も…

2021年7月26日

4回目の緊急事態宣言の期間に入り2週間となった東京都。7月26日は新たに1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認され、1週間前の月曜日の2倍近くに増えるとともに、月曜日としてはこれまでで最も多くなりました。
7月25日までの4連休、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かり、専門家は「競技を見守ることが今できる『おもてなし』で、自宅で応援してもらいたい」と話しています。

月曜最多の感染確認

東京都内では7月26日、男女合わせて1429人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。727人だった1週間前の月曜日と比べると、2倍近くの増加となりました。

さらに月曜日は比較的、感染確認が少ない傾向にありますが、最多だった1月11日の1252人を上回りこれまでで最も多くなりました。1日の感染確認が1000人を超えるのは7日連続です。

これで都内で感染が確認されたのは20万人を超えて、20万720人となりました。

“インド型”変異ウイルスの感染確認も最多

また、都内ではインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに新たに940人の感染が確認され、1日に発表される人数としては最多だった7月21日の681人より250人以上増え、こちらも最も多くなりました。

4連休 人はどこに集まった?

7月25日までの4連休、都内ではどこに人が集まったのか。ビッグデータを分析した結果、東京オリンピックの開会式が行われた国立競技場の周辺や競技会場がある湾岸エリアなどで人出が増えたことが分かりました。

NHKは、NTTドコモが携帯電話の基地局からプライバシーを保護した形で集めたビッグデータを使って、この4連休の午後3時台の都内の人の動きを分析し、前の週の土日といずれも平均値で比較しました。データは日頃から国内で携帯電話を利用しているユーザーに限られていて、東京オリンピック・パラリンピックのために来日している選手や関係者は含まれていません。

分析は東京都内を500メートル四方に区分けして行っていて、人出が
▽5%以上増えた地点はオレンジ色に
▽5%以上減った地点は水色にしています。

その結果
▽開会式が行われた新宿区にある国立競技場の周辺や
▽競泳や体操の競技会場などがある湾岸エリア
それに
▽羽田空港の周辺では
多くの地点で人出が増えていました。

NHKの取材でも、東京オリンピックの開会式前後に国立競技場の周辺に多くの人が訪れている様子が確認されていて、人の密集を懸念する声も聞かれていました。

一方、JR渋谷駅周辺では9%減少するなど23区内の多くの地点で人出は増えていませんでした。

専門家「無観客の意味がない 自宅で応援を」

7月25日までの4連休、開会式が行われた国立競技場や競技会場周辺で人出の増加が見られたことについて、政府の分科会メンバーで川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「無観客としたのは選手や関係者の間でのクラスターを食い止めることだけが目的ではなく、観客が集まってみんなで盛り上がって応援することで、その後、国内に感染が広がってしまうのを防ぐためだ。競技会場周辺に集まってしまっては無観客にした意味がなく、爆発的な感染拡大はパラリンピックの開催にも影響を与えかねない。開催国は選手たちに競う場を提供するのが役目であり、競技を見守ることが今、私たちにできる『おもてなし』だ。会場の生の熱気に触れる楽しみはなくなるけれど、いつも一緒にいる人たちと自宅で応援してもらいたい」と話していました。

ワクチン 全人口の約36%が1回接種

一方、ワクチンの接種状況はどうなっているのか。
政府が7月26日に公表した最新の状況によりますと、国内で少なくとも1回、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人は合わせて4625万210人で、全人口の36.38%となっています。また、2回目の接種を終えた人は3147万6719人で、全人口の24.76%となります。

全人口にはワクチン接種の対象年齢に満たない子どもも含みます。

これらのデータは各地域からシステムに入力された人数に基づくもので、職域接種などによって実際はこれ以上に接種が進んでいる可能性があり、今後、増加することがあります。