小池知事
「緊急事態宣言後の都民の行動にかかっている」

2020年4月6日

患者数 高水準で推移

まずきのう新型コロナウイルスによって7名の都民の方がお亡くなりになられました。 心からのご冥福をお祈り申し上げたいと存じます。
また都民の皆様にはこの土曜、日曜にも外出の自粛にご協力をいただきました、さまざまな人流を見ましても、その効果は出ているかと思います。大変感謝申し上げます。

しかしながら、残念ながら、都内の感染者数でございますが、一昨日、土曜日に117名、
そして昨日の日曜日は143名、そしてきょうでありますけれども83名と、高水準での推移が続いておりまして、ひっ迫した状況となっております。

ちなみに本日も50代以下が54名となっておりまして、20代、30代、40代がいちばん多いという流れになっております。

緊急事態措置案 事前公表

こうした事態を受けまして、安倍首相は緊急事態宣言などについて、東京など7都府県、これを対象にして1か月程度とする方針を固められまして、諮問委員会に意見を求める旨を表明されました。

今後、国が緊急事態宣言を行った場合に、これにあわせて、都は緊急事態措置を行う必要がございます。法的な行為であります。

このために、都民、そして事業者が適切に事前の準備を行えますように、本日、都が実施を予定しております緊急事態措置の案をここに事前に公表するものでございます。


緊急事態措置の期間、実施すべき区域、実施内容は、国が示す方針に則りまして、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて実施をすることとなります。

そして今回お示しする措置でありますが、都民の皆様に対しての徹底的な外出の自粛を要請いたします、
そして、事業者の皆様方に対しましては、施設の使用・イベントの制限などの要請をすることになります。

今後実施する措置ですけれども、新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の強化、これがまず何よりも重要、そして都民の皆様の命、健康を守る、もちろんこれが最大の目的であります。そして生活、経済に及ぼす影響が最小となるように、都民の皆さんや事業者の皆様方にご協力を強くお願いをするものでございます。
また、今回の措置を実効性あるものとするためにも、国とも必要な連携を取ってまいりたいと思います。

“都市封鎖”ではない

そしてニューヨーク、ロンドン、パリなど、今メディアに報道されておりますように、
海外の諸都市では都市封鎖、いわゆるロックダウンということが行われているわけでございますが、この東京におきましては、移動の制限などを強制的に、この宣言によって行うというものではありません。そして人と人の接触を出来る限り避けていただくという趣旨をご理解いただいて、適切な行動をお願いするものでございます。

もう1度いいます、都市封鎖という形はございません。

「外出しない これに尽きる」

それから都民の皆様への要請についてはですね、詳しくこれから述べてまいりたいと思います。まず何よりもですね、外出しないこと、これに尽きます。

そしてこれまでも、都民の皆さんには3つの「密」、「密閉」「密集」「密接」、この3つの「密」を避ける行動、そして週末の外出の自粛、さらに夜の飲食店での集団感染が多発しておりますので、夜間の外出の自粛などを要請してまいったところでございます。

また、やむを得ず外出される際にはですね、行列を作らないで、人と人との間隔を約2メートル確保するようにお気を付けていただきたいと存じます。 いわゆるソーシャルディスタンスと、社会的距離と言われているものであります。

今回の法律に基づく徹底した外出の自粛の要請でありますけれども、皆さんご自身を守るためです、そして家族を守るためです、大切な人を守るためです、そして、私たちが生活するこの社会を守るためです、この趣旨、ぜひとも改めてご理解をいただきたいと存じます。

それから一方でですね、食料品や医薬品など、生活必需品を購入するための外出であるとか、それから病院に通ってらっしゃるとか、こういったことについては引き続き制限をしません。このような生活必需品を販売する店舗への休業要請も行いません。
ですから、この点についてはぜひご安心頂いて、買い溜めなど厳に慎んでいただきたいと存じます。きょうもスーパーに駆け込んだ方がいらっしゃるとの報道もございましたけれども、そういうご心配はございませんので、普通にこの点については生活していただきたいと思います。

それから、改めて申し上げますけれども、皆さんがご心配されている交通機関の運行については、運休などを要請することはございませんので、性急な帰省などの移動、ぜひとも控えていただきたいと存じます。

それから企業などにおかれましては、業務を行う際には、何度も申し上げておりますけれども、テレワークを活用して出来る限り在宅勤務を行うなど、通勤も最小限に留めて頂きたいと存じます。

施設に使用制限・停止要請

それから2点目でありますけれど、施設、そしてイベントの主催者に対して、使用の制限や停止などを要請するという項目がございます。施設の使用制限、停止に関します対象の施設でございますが、3つあります。

「基本的に休業を要請する施設」、それから「施設の種別によって休業を要請する施設」、それから3つ目が「社会生活を維持する上で必要な施設」、この3つの類型といたしまして、
それぞれの施設の特性に応じての対応をお願いすることになります。

具体的な施設の種類などにおきましては、現在、国と調整中であります。そして施設の種別に応じて、休業や感染防止措置などを要請していくこととなります。

「感染拡大防止協力金」検討

それから感染拡大防止の要請に休業又は営業時間の短縮という形でご協力を頂く中小零細の事業者の皆様方、少人数の店舗の方々に対しましては、いわば「感染拡大防止協力金」のような仕組みを構築すべく、現在検討を進めているところであります。

「相談センター」設置

ここまでお伝えいたしました都の措置に対しての都民、そして事業者の方々の疑問、そして不安に応えるために、コールセンターを設けます。「緊急事態措置相談センター」、これを新たに設置いたしまして、相談体制を強化してまいります。

医療提供体制

それから医療提供体制でございますけれども、患者さんの重症度に応じた病床の確保を引き続き進めてまいります。そして入院しておられる無症状の方や軽症の方々には、一時的にお移りいただく宿泊施設での療養を開始いたします。

現時点で、重篤・重症の方向けには100床、それから軽症・中等症の方向けに900床、合計1000床確保いたしておりまして、今週末には、これを合わせますと1700床、そして今後、4000床の確保を目指してまいります。

それから無症状と軽症の方にはですね、お移りいただくということを申し上げました。
こちらはですね、宿泊療養施設と呼んでおりますけれども、まず200室規模の東京駅のそばにあります新大橋前にあります、東横INNにご協力をいただきました。そしてあすからの受け入れ開始となります。宿泊療養施設でございますけれども、今後1000室までの拡大を目指してまいります。

さらなる病床の確保、そして宿泊療養施設への円滑な移行をあわせて進めることによりまして、重症の方が病床を利用できる環境、しっかりと整えてまいります。

都民の皆様方の大切な人の命、健康、これは何ものにも代えられないものでございます。
都はこれまでも、医療体制の整備、そして経済対策について、補正予算を次々と組んで、そして進めてまいりました、そして事態の変化に迅速に対応して、矢継ぎ早に施策も実行してきたところでございます。

補正予算

今般、医療提供体制の強化などに係る予算といたしまして、総額232億円、この補正予算をとりまとめまして、あす専決処分を行いますので、この点についても説明させていただきます。

都内の患者さんが発生する状況が高水準で推移をしているということでございますので、原則として、6月までの医療提供体制の緊急整備ということになります。

加えまして、学校の臨時休業への対応などもここに入ることになります。

項目別にお話いたしますと、第1に外来診療体制の強化として8億円、これは新型コロナ外来の受け入れ体制の強化につながります。

それから第2に、民間検査機関などを活用したPCR検査などの体制の充実で、こちらも8億円でございます。

それから第3に、患者さんの受け入れ体制の拡充で118億円、入院の治療を必要とする患者さんを確実に受け入れられるように、医療機関に対して空床、空いているベッドの確保料の補助になりまして、それによって合計4000床を確保するというものでございます。

それから医療供給体制がひっ迫しているということから、都内に入院中の患者さんのうちですね、先ほどもありました無症状・軽症の方を受け入れるためのホテルなどの施設の確保、こちらの方も予算に計上いたしております。
それから第4にですね、重症患者に対応した医療体制の充実ということで73億円、これはよく報道されておりますように、ECMOなどの整備の加速にあててまいります。

第5に学校臨時休業への対応での13億円の計上、これはですね、学童クラブを午前中から開所する場合に、運営費を独自に補助するなどの対応を図るものでございます。

看護師さんなどをなさっている方々がお子さんを預ける場の確保ということにもつながります。

それから第6にですね、失業などに伴う住居を失った、住む場所を失った方々に一時的に住宅などを提供するということで12億円を計上いたします。今回このウイルスの影響でですね、失業された方々が多数出ておられるということでございますが、そういう方々、住む場所も失ってしまうという方に一時住宅などを提供するという内容になっております。

都民の行動にかかっている

このようにですね、都民の皆様方のニーズを的確にとらえて、そして都の総力を挙げて取り組んでまいります。感染が抑えられるかどうかでございますが、ここがいちばん重要なところになるわけでありますが、都民の皆さんの行動にかかっております。
都民の皆様方の行動によってこの感染拡大を止めるのか否か、都民や事業者の皆様方には、今回、この緊急事態措置の内容について、今、宣言が行われたあと、どのような形になるのかということをお話をさせていただきました。

ぜひともこの目的、そしてその内容につきまして、さらなる皆様方のご理解、ご協力を賜りたいと思います。そして都民が一丸となって、この国難をどうにか早期に乗り越えていきたい。皆さんのお力とともに、この首都・東京を守っていきたい、ぜひとも皆様方、ご協力よろしくお願いを申し上げます。私からは以上です。