政府の新型コロナ分科会
新型コロナ 尾身茂氏ら専門家3人
退任にあわせ3年半を総括

2023年9月14日

政府の委員として新型コロナウイルス対策に当たってきた尾身茂さんなど専門家3人が、退任にあわせて記者会見し、感染対策と社会経済活動の両立の難しさなどこの3年半の活動を振り返りました。

9月14日、都内で開かれた会見には、政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」の尾身茂前議長をはじめ、体制見直しに伴い会議の委員を退任した専門家3人が出席しました。

尾身さんは、新型コロナ対策に当たった3年半の活動を振り返り、感染対策と社会経済活動の両立を図りながら提言をまとめることの困難さに触れ、「正解がない中で大切にしてきたのは科学的に合理性があり、多くの人が納得できる提言をまとめ、その意図を市民に発信することだった」と述べました。

また、川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「日本の死亡者の数は海外よりも低く抑えられ、やるべきことはやれた自負があるが、コロナ対策が教育など社会に深刻な影響を及ぼしたことも事実だ。こうした課題を乗り越えていくことが必要だ」と述べました。

そして、現在の状況について尾身さんは、「第9波と言われる状況でまだピークは見えず、医療体制も救急医療を中心に負荷が高まっている。コロナは完全に終わったわけではなく、これからも社会活動を維持しながら、高齢者などを感染から守る取り組みが必要だ」と訴えました。