政府の新型コロナ分科会
分科会 第7波の対策
“わかりにくく丁寧な説明すべきだった”

2022年9月16日

新型コロナウイルス対策を話し合う政府の分科会がおよそ2か月ぶりに開かれ、感染力が強いオミクロン株の「BA.5」によって、過去最大の感染拡大となった「第7波」でとられた対策について意見が交わされました。
政府のリスクコミュニケーションの課題を指摘する意見などが出されたということです。

会合では、これまでで最も大きな感染拡大となり、一日に報告される死亡者数も過去最多となる日が続いた「第7波」に際して、とられた対策を振り返る議論が行われました。

会合で、委員からは、
▽政府が「行動制限は行わないが、自主的な対策は徹底してほしい」と呼びかけたことについて「わかりにくく、もっと丁寧な説明をすべきだった」と、リスクコミュニケーションの課題を指摘する意見や、
▽今後、コロナを普通の病気として扱えるようになるために、必要な条件やステップを示すロードマップを国が作るべきだという意見が多く出されたということです。

分科会では今後、秋以降にコロナとインフルエンザが同時流行することを見据えた感染対策や、保健医療体制の在り方やコロナがあることを前提にした中長期的な対策について検討するとしています。

尾身茂会長は記者会見で「有志で示した提言もたたき台にしながら、中長期の見通しを分科会でも議論したい」と述べました。

尾身会長「今後 対策しなくてよいという選択肢はない」

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長が新型コロナウイルスのパンデミックの状況について、「まだ到達していないが、終わりが視野に入ってきた」と述べたことについて、政府分科会の尾身茂会長は「大きな方向性としては、発生当初に比べると、だんだんと普通の病気になる方向に向かっているという評価をしたのだと思う」と述べました。

そのうえで「ワクチンの効果は徐々に下がり、自然感染しても、また感染してしまうため、このまま、すんなりとコロナの感染がゼロになるわけではない。第8波がこれから来ることが懸念されており、その対策をなにも考えなくてもよいという選択肢はない」と述べ、今後も対策は必要だという考えを示しました。

山際新型コロナ対策相「秋以降を見据えた対策など議論を」

山際担当大臣は、分科会の会合で「ウイルスは今後も変異を繰り返し、収束までにはさらに大規模な感染拡大も懸念される。この夏の感染拡大への対応を振り返るとともに、秋以降を見据えた対策、さらにはウィズコロナにおける対策の在り方についても、継続的に議論してもらいたい」と述べました。

加藤厚労相「引き続き緊張感持って取り組む」

加藤厚生労働大臣は、閣議のあとの記者会見で「第6波、第7波を踏まえて、第8波という次の感染拡大に向かってどう取り組んでいくのかという議論がスタートした。第7波は減少に向かっているが、年末年始はこれまで2年続けて感染が増えたという経緯もあるので、引き続き緊張感を持って取り組んでいきたい」と述べました。