政府の新型コロナ分科会
4回目接種 準備開始了承も慎重検討を
意見相次ぐ 厚労省分科会

2022年3月24日

新型コロナウイルスワクチンの4回目の接種について、3月24日厚生労働省の分科会で議論が始まり、4回目に向けた準備を始めることは了承されましたが、接種の目的や効果などを慎重に検討するべきだという意見が相次ぎました。
厚生労働省は、4回目を実際に行うかどうか引き続き議論するとしています。

厚生労働省によりますと、欧米では3回目の接種のあと、発症や感染を防ぐ効果がしだいに低下することが報告され、イギリスやフランス、ドイツ、イスラエルでは高齢者や医療従事者、重症化リスクのある人などを対象に4回目の接種が行われています。

厚生労働省は3月24日、専門家でつくる分科会を開き、オミクロン株の感染が収束せず、再拡大する可能性もあるとして、4回目の接種をすべての希望者に行うことを想定して、近く全国の自治体に接種券の配送や職員の確保などの準備を始めるよう求める考えを示しました。

使用するのはファイザーとモデルナのワクチンで、接種間隔は6か月を基本としつつ、海外の動向を踏まえて検討するとしています。

分科会では準備を始めることは了承された一方、「3回目までの効果や費用を評価して、4回目が本当にすべての人に必要か議論すべきだ」とか、「対象者を重症化リスクの高い高齢者やエッセンシャルワーカーに絞るべきではないか」といった意見が出されました。

また、「4回目を公的な予防接種に位置づけるかも含めて考えないといけない」とか、「海外で推奨していない国もあり、データも少ないので有効性や安全性を十分に議論すべきだ」、「準備をしつつやめるという選択肢も持ったほうがいい」といった慎重な意見も相次ぎました。

厚生労働省は今後、有効性や安全性に関する最新のデータなどを踏まえたうえで、4回目を実際に行うかどうか引き続き議論するとしています。