「Go Toトラベル」
政府分科会
「感染者急増時は慎重対応を」

2020年9月11日

イベントの開催制限の緩和や、観光需要の喚起策、「Go Toトラベル」について、9月11日に開かれた開かれた政府の分科会は、感染者が急増している場合には、慎重な対応を求めるなどとする提言をまとめました。

また、感染の防止と社会活動の両立に向けて、大規模なイベントでの効果的な対策の事例を参考にしたり、AIを使ったシミュレーションを生かしたりして、より有効な対策を検討するよう求めています。

一方、「Go Toトラベル」などについての提言では、▽小規模なグループで時期や場所などが分散された旅行が普及するよう、たとえば、混雑していないときの旅行には割引率を上げることや、▽ある都道府県の感染状況が「ステージ3」と判断された場合には、その都道府県を事業から除外することも検討してもらいたいとしています。

さらに▽全国的に事業を開始する前に、交通機関や観光、飲食などの旅行の場面ごとに、わかりやすい感染対策のガイドラインを業界が中心になって作ることなどを求めています。

この「Go Toトラベル」では政府が東京都への旅行と都内に住んでいる人の旅行を10月1日から対象に加える方針を示しましたが、分科会の尾身茂会長は、「東京都の感染拡大の状況は下降傾向にあることは間違いないが、まだ完全には落ち着いておらず常に再拡大のおそれがある。今の段階で10月1日に何がなんでも始めるんだということではなく感染状況を見極めてやってほしいということをかなり強く政府には申し上げた」と述べました。

歓楽街対策ワーキンググループ設置 政府の分科会

緊急事態宣言が解除された後、6月以降の新型コロナウイルスの感染拡大は接待を伴う飲食店が集まる大都市の歓楽街を起点に広がったとされていますが、今後の感染拡大を防ぐため、店の従業員や客が検査を受けられるようにするなどといった具体的な対策を専門家や関係者が検討するワーキンググループが政府の分科会のもとに設置されることになりました。

9月11日、開かれた政府の分科会では、歓楽街からの感染拡大を防ぐための具体的な対策を検討するワーキンググループを設置することを決めました。

ワーキンググループには医師や歓楽街の事業者の代表、そして保健所の関係者ら20人が参加し、通常時と、感染の拡大傾向が見られ早期に対応が必要な場合に分け具体的な対策を検討します。

分科会ではこれまでに、店の従業員や客などが検査を迅速に受けられる体制の整備や、感染者の調査や入院などに関わる保健所業務への支援を行う仕組みが必要だという意見が出されていて、ワーキンググループでは具体的な対策についてできるだけ早期にとりまとめるということです。

分科会の尾身茂会長は、「大都市の歓楽街で対策を行えば新型コロナウイルスのいわば『急所』を抑えられるが、今回の感染拡大では対応が少し遅れてしまった面がある。偏見や差別につながらないよう歓楽街の人たちと信頼関係を築きながら進める対策のあり方が望ましいと考えている」と話しています。