5歳~17歳の新型コロナワクチン
「接種を推奨」日本小児科学会

2022年8月11日

日本小児科学会は、5歳から17歳の子どもへの新型コロナウイルスのワクチンについて、オミクロン株に対する効果や、安全性に関するデータが蓄積されたなどとして、学会として「接種を推奨する」と発表しました。

日本小児科学会は8月10日、オンラインで会見を開き、5歳から17歳への新型コロナウイルスのワクチンについて「接種を推奨する」と発表しました。

その理由について、
▽オミクロン株の流行以降、脳症や心筋炎などで重症化する子どもが増えていることや、
▽世界各国の大規模な研究で、オミクロン株を含めた変異ウイルスに対して、子どもでも重症化を防ぐ効果が40%から80%程度あることが確認されたことを挙げています。

また、
▽安全性についても、国内のデータが蓄積され、12歳から17歳での心筋炎などを含む副反応の発生率は、若い成人と同程度であるほか、5歳から11歳では副反応は軽い傾向が確認され、接種の利益はリスクを大きく上回るとしています。

日本小児科学会の齋藤昭彦理事は「現在ワクチン接種率が低い5歳から11歳の子どもでも、重症化したり命を落としたりする可能性がある。学会として接種を推奨することで接種率を高めたい」と話していました。

一方、接種後、数日以内に胸の痛みや息切れなど、心筋炎や心膜炎の可能性がある症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診するよう求めています。

子どもの新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐっては、厚生労働省の専門家で作る分科会が8月8日、5歳から11歳に対しても、接種を受けるよう保護者が努めなければならない「努力義務」とする方針を決めています。