新型コロナウイルス
感染から1年半後も4人に1人が“後遺症”

2023年2月22日

新型コロナウイルスに感染したあとで続く症状について、国立国際医療研究センターが調べたところ、感染から1年半後の段階でも4人に1人が記憶障害や嗅覚の異常など後遺症とみられる症状を訴えていたことが分かりました。

コロナ自体の症状は軽くても、その後に出る症状が続くこともあるとして注意を呼びかけています。

国立国際医療研究センターは2020年2月から2021年11月までにセンターや各地の病院を受診するなどした新型コロナ患者で、回復した20代から70代の502人からその後の症状を聞き取って分析しました。

その結果、何らかの症状があると訴えた人の割合は、
▽半年後では32.3%、
▽1年後は30.5%、
▽1年半後でも25.8%と、およそ4人に1人でした。

このうち1年後の段階での症状をみると、
▽記憶障害が11.7%、
▽集中力の低下が11.4%、
▽嗅覚の異常が10.3%、
▽頭に「もや」がかかったように感じ思考力が低下する「ブレインフォグ」が9.1%、
▽抑うつ状態が7.5%、
▽味覚の異常が5.9%、
▽息切れが5.6%、
▽けん怠感が3.8%、
▽脱毛が3.5%などとなっていました。

また、
▽女性は嗅覚の異常や脱毛、集中力の低下、
▽コロナ自体の症状が中等症や重症だった人は息切れやせき、けん怠感が続く傾向があったとしています。

研究をまとめた森岡慎一郎医師は「オミクロン株では、後遺症が出る割合は低くなってきたとされているが、感染した患者は非常に多いので決して侮ることはできない。コロナ自体の症状が軽症でもその後の症状が長引く人はいるので、日頃から感染対策を取っていただきたい」と話しています。