新型コロナ感染者
10日間の療養期間後も半数近くに症状

2022年12月14日

新型コロナウイルスに感染した人のうち療養期間が終わったあとも症状が残る人が半数近くに上り、20人に1人は、発症から1か月たっても後遺症とみられる症状を訴えていることが、大阪大学などの調査で分かりました。

この調査は、新型コロナの後遺症の実態を把握しようと、大阪大学と大阪 豊中市などが、2022年3月末までに感染したおよそ2万6000人の市民を対象に郵送とアプリで行ったもので、4000人余りから回答を得ました。

それによりますと、
▽回答した人の半数近くにあたる47.7%が、10日間の療養期間が終わった時点でも何らかの症状があったと答えました。

また、
▽発症から1か月たっても何らかの後遺症があると訴えた人が、20人に1人にあたる5.2%、
▽2か月たっても後遺症があると訴えた人が、3.7%いました。

発症から1か月経過した時点で頻度が高かった症状としては、
▽「日常生活の支障」や、
▽「脱毛」
▽「せき」
という回答が多く寄せられました。

後遺症は、感染したときの重症度が高かった人のほうが訴える割合が高く、ワクチンを接種した人では後遺症が少ない傾向もみられたということです。

調査を解析した、感染症に詳しい大阪大学の忽那賢志教授は「流行がオミクロン株に変わっても、少なくない方が後遺症に悩んでいる。時間がたてば落ち着くケースが多いが、後遺症に有効な治療薬は今のところないので、ワクチン接種や感染予防がより大事になってくる」と話しています。