厚生労働省の新型コロナ専門家会合
“第7波のような感染拡大も
新変異ウイルスに注意”専門家会合

2022年11月17日

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、今後も新規感染者数の増加が予想され、ことし夏の「第7波」のような感染拡大となる可能性もあると指摘しました。オミクロン株の「BA.5」に代わる新たな変異ウイルスへの置き換わりや接触機会の増加の影響に注意が必要だとしています。

専門家会合は、新型コロナの感染状況について現時点で第7波のときほどは急激な増加にはなっていないものの、ほぼ全国で増加傾向が続いていて、特に北海道では新規感染者数が第7波のピークを超えて過去最多を更新したほか、東北や北陸、甲信越、中国地方で大きく増加しているとしています。

特に、感染者数が多い地域で10代以下の子どもで感染者数の増加幅が大きいなど、若い世代ほど人口当たりの感染者数が多くなっている一方、高齢者施設での感染が増えて重症者数や亡くなる人の数も増加傾向が見られ、病床使用率も全国で増加傾向にあるとしています。

そして今後について、大都市での短期的な予測などでは増加傾向が続き「この夏のような感染拡大となる可能性もある」としていて、年末に向けて社会経済活動が活発化することで人と人との接触機会が増えることによる影響に注意が必要だと指摘しました。

また、オミクロン株の「BA.5」に代わって海外で感染者数が増えている要因だと指摘されているいずれもオミクロン株の「BQ.1」や「XBB」などの割合が割合が増加する可能性があるとしています。

これに加え、インフルエンザも一部の地域で増加傾向が見られ、コロナとの同時流行など今後の推移に注意が必要だとしています。

そして、専門家会合は必要な対策として、年内にオミクロン株対応のワクチン接種を完了するよう呼びかけることや、忘年会シーズンになることを踏まえ、改めて、場面に応じて正しく不織布マスクを着用することや、換気、飲食はできるだけ少人数で飲食時以外はマスクを着用すること、症状があるときは外出を控えることといった基本的な感染対策の再確認を求めました。

加藤厚労相「第8波となる可能性も」

加藤厚生労働大臣は「新規感染者数は、ペースは落ちているものの引き続き増加傾向となっていて、このまま続くと、いわゆる第8波となる可能性もある。季節性インフルエンザも一部の地域で増加傾向が見られ、エビデンスは十分ではないものの、新型コロナと同時に感染した場合に重篤化することを示唆する研究もある」と述べました。

そのうえで「ワクチン接種の促進に向けて、SNSやリーフレットなど、さまざまな周知、広報に取り組んでいく。接種を受けていない方は、接種の検討をお願いしたい」と呼びかけました。

1週間の新規感染者数 前週比1.24倍に 増加傾向続く

厚生労働省の専門家会合で示された資料によりますと、11月16日までの1週間の新規感染者数は全国では前の週と比べて1.24倍に増加しています。
増加幅は先週よりも狭まりましたが、増加傾向が続いています。

首都圏の1都3県では
▽東京都が1.24倍、
▽神奈川県が1.29倍、
▽埼玉県が1.27倍、
▽千葉県が1.31倍と増加が続いています。

関西では、
▽大阪府と兵庫県が1.14倍、
▽京都府が1.13倍、

東海でも、
▽愛知県が1.25倍、
▽岐阜県が1.32倍、
▽三重県が1.22倍と増加が続いています。

また、
▽高知県で1.46倍、
▽山梨県で1.39倍、
▽福井県で1.36倍などとなっていて、
山口県を除く46の都道府県で増加しています。

人口10万当たりの直近1週間の感染者数は、
▽北海道が1093.61人と1000人を超えて全国で最も多く、
次いで
▽山形県が860.65人、
▽長野県が852.58人、
▽宮城県が745.96人、
▽福島県が722.09人、
▽秋田県が700.99人などと
北海道や東北を中心とした地域で多くなっています。

また、
▽東京都は399.68人、
▽大阪府は296.38人、
▽全国では435.17人となっています。