厚生労働省の新型コロナ専門家会合
コロナ急拡大
新規感染者 すべての年代で増加

2022年7月13日

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、感染が急速に拡大し、新規感染者数はすべての年代で増加していると指摘しました。
オミクロン株のうち、より感染力が強いと指摘される、「BA.5」への置き換わりが進み、今週末からの3連休や夏休みの影響もあり、今後も急速な増加が続くことが懸念されるとして、ワクチン接種を進めることや基本的な感染対策の徹底を求めました。

会合の冒頭、後藤厚生労働大臣は「新規感染者数は先週比2.14となり、すべての都道府県や年代で増加し、病床使用率は総じて低水準だが上昇傾向にある。 今後多くの地域で新規感染者数の増加が続くことが見込まれる」と述べました。

その上で「重症化リスクの高い高齢者が多く入所する高齢者施設でワクチンの4回目接種の着実な実施を図るとともに、対象者にできる限り早く接種してもらえるよう取り組みを推進していく。特に20代、30代の3回目接種を促進していく」と述べました。

専門家会合では、現在の感染状況について、すべての都道府県で感染が増加していて、多くの地域では増加幅が大きくなるなど急速に拡大していると指摘しました。

すべての年代で新規感染者数が増え、特に50代以下での増加幅が大きくなっていて、学校や自宅で感染する割合が増加傾向にあるほか、東京都では飲食の場や職場での感染も増えているということです。

感染者数の増加に伴って療養者数は増加し、病床使用率は総じて低水準ではあるものの、上昇傾向にあるとしています。

また、人口当たりの感染者数が全国で最も多い状態が続く沖縄県では、感染のレベルがこれまでで最も高い状況になり、病床使用率も全国と比べ高くなっています。

大都市部では、短期的な予測で多くの地域で感染者数の増加が続くことが見込まれていて、▼3回のワクチン接種やこれまでの感染によって得られた免疫の効果が徐々に下がっていることや、▼今週末からの3連休や夏休みの影響もあって人と人との接触機会が増えること、それに▼オミクロン株の「BA.5」への置き換わりが進み、急速な増加が続くことが懸念されるとして医療体制への影響も含め、注視する必要があると指摘しました。

専門家会合は、感染者数の増加をできるだけ抑えるために、▼3回目のワクチン接種や、高齢者などへの4回目の接種をさらに進めるとともに、▼少しでも体調が悪ければ外出を控えること、▼換気が悪く大人数で集まるような感染リスクの高い場面を避けること、▼不織布マスクの正しい着用、手洗い、1つの密でも避けるといった基本的な感染対策を徹底するよう呼びかけました。

脇田座長「急速な増加がしばらく続く」

厚生労働省の専門家会合のあと開かれた記者会見で、脇田隆字座長は全国的に感染が急速に拡大していることについて、「ワクチンや感染による免疫の感染予防効果が低下していることや感染力が強いとされる『BA.5』への置き換わりが進んでいること、気温が上がって換気がしにくいことなどの要因が影響している。今後については、短期的には急速な増加がしばらく続くという議論があった」と話していました。

また、今後、必要な対策については、「現在の状況からは、基本的な対策を徹底することが求められる。マスクの着用や手洗い、それに、これまで感染リスクの高い場面を学んできているので、そういったところを避けることが必要だ。また、高齢者や重症化リスクの高い人は4回目のワクチンを打てる時期がくればしっかりと接種してもらうことが重症化を防ぐために非常に重要だ。また、専門家からは、今の時点で行動制限が必要という意見はなかったが、医療への負荷をしっかりと見ていくことが重要だ」と話していました。