厚生労働省の新型コロナ専門家会合
大型連休 “旅行や帰省の前に
ワクチン接種や検査を” 専門家会合

2022年4月27日

新型コロナウイルス対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、新規感染者数は大都市圏を中心に全国では減少傾向が続く一方、北海道や沖縄県などでは増加が続き、東北や九州など、感染の第6波のピークを上回っている地域もあると分析しました。まもなく迎える大型連休で移動や外出の機会が増え、感染拡大につながりかねないとして、旅行や帰省の前にワクチンや検査を受けることや、基本的対策を徹底することなどを呼びかけています。

専門家会合は、現在の感染状況について、大都市圏を中心に全国では減少傾向となっている一方、北海道や沖縄県などでは増加が続き、岩手県、秋田県、福島県、島根県、宮崎県、それに鹿児島県では新規感染者数の1週間平均が「第6波」のピークを上回っていて、感染状況に差が出ていると分析しました。

年代別にみると、すべての年代で感染者数は減少傾向にあるものの、10代以下は減少の幅が小さく、北海道と沖縄県では増加が続いているとしています。

また、オミクロン株のうち、より感染力が高いとされる「BA.2」への置き換わりは、全国で9割程度まで進んでいると推定され、増加の要因になりえるため注意が必要だとしました。

医療の状況は、全国では療養者数や重症者数などが減少している一方、人口当たりの感染者数が最も多い沖縄県では、入院者数や病床使用率が高止まりになっていると指摘しています。

専門家会合は、新規感染者数は、2021年夏のピークより高い状況が続く中で、大型連休で、ふだん会わない人との接触の増加が感染拡大のきっかけになりえることから、
▽旅行や帰省で移動する時には、事前にワクチンの3回目の接種や検査を受けること、
▽移動先でも、混雑した場所や換気が悪い場所などリスクの高い場面を避け、少しでも体調が悪ければ外出を控えること、
▽不織布マスクの正しい着用、手洗い、1つの密でも避けるといった対策を徹底することなどを呼びかけました。

さらに、
▽大型連休が明けて通勤や通学をする際には、体調管理を心がけるよう求めました。

後藤厚生労働相「感染状況の推移に差 感染対策徹底を」

専門家会合で、後藤厚生労働大臣は、直近の感染状況について「全国的に見れば減少が続いているが、地域別に見ると、直近1週間の新規感染者数の平均が、昨年末からのピークを上回っている県もあるなど、感染状況の推移に差が生じている」と指摘しました。

そのうえで「この連休の機会にワクチンを接種すること、帰省する人は、その前に3回目接種か検査を受けること、それに、改めて、マスクの着用、手指消毒、換気、3密の回避といった基本的な感染対策を徹底することについて協力をお願いしたい」と呼びかけました。

脇田座長「基本的対策でなるべく通常どおりの社会生活を」

専門家会合のあとに開かれた記者会見で脇田隆字 座長は「現在の感染状況は、東京などの大都市圏でみられる減少傾向が続くパターン、北海道や沖縄などでみられる増加が続くパターン、その他の地方でみられる増加と減少を繰り返すパターンと大体、3つに分けられると考えている。ワクチンの接種率、地域による対策の違いなどさまざまな要因によりこうした状況になっている」と述べました。

そのうえで、大型連休の過ごし方について「2021年の大型連休は大都市で緊急事態宣言が出ていた。ことしも、連休で接触の増加が予測されるが、今は強い対策を行う状況ではないと考えている。基本的な感染対策を行い、リスクを下げながら、なるべく通常どおりの社会生活を送ることが大事な時期だ。駅や空港で無料の検査が拡充されると聞いているのでそうした機会を活用したり旅行に行く前になるべく3回目のワクチンを接種したりすることも重要だ。あとは3密を避けるなどリスクの高い場所を避けることに尽きると考えている」と話していました。